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2019年11月06日23:31

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「ホテル・ムンバイ」命をかけて客を守った人たち

マイミクさんの方々の高評価に、終わる前に行かなくちゃと朝からお出かけ。
久しぶりに混み込みの電車に乗りました。映画館は10数人だけ。

「ホテル・ムンバイ」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4825067
https://gaga.ne.jp/hotelmumbai/

2008年、実際にインドの大都市ムンバイ(ボンベイ)で起きた同時多発テロ。
鉄道駅、病院、映画館、ユダヤ教のハウス、外国人の多いカフェ、高級ホテルが狙われ、
テロリスト集団に、172〜4人(外国人34人)が殺され、239人負傷。

映画はそのうちタージマハル・ホテルをメイン舞台にする。
ムンバイの浜辺に10人の青年がボートで上陸、指令を受けながら散らばっていく。
突然、駅で、カフェで、銃声が響き、人々が逃げ惑う。

青年アルジュン(デヴ・パテル)は、ホテルの従業員。妻と幼い娘がいる。
突然、武装したテロリスト集団がホテルを占拠、500人以上の宿泊客と従業員がいる。

料理長(アヌパム・カー)は「従業員は客を守る、
しかし家族がいるものは残らなくていい。責めはしない」
その言葉を聞いても、「ここが私の家です」と従業員たち。
アルジュンも残ることを選ぶ。

アメリカ人建築家デヴィッド(アーマー・ハミー)と、
イスラム系インド人の妻ザーラ(ナザニン・ボニアティ)は、
部屋に残した赤ちゃんと子守のサリーが気掛かり。

デヴィッドは、危険を冒しても赤ちゃんのもとに行こうと試みる。
テロリストたちは容赦なく撃ち殺し、爆破し、放火していく。怖い、目が離せない。

料理長の冷静な判断が素晴らしい。
こんな状況で客の安全を図り、従わせる権威は大したもの。豪胆とはこういう人だろう。

傲慢な女好きのロシア人ワシリー(ジェイソン・アイザックス)が、
夫と離れたザーラを気遣い守る。

ターバンを取れと言われたシーク教徒のアルジュンが、
宗教的な尊厳を客に説き理解を得るところも胸を打つ。

アクション映画ならワシリーとデヴィッドに
超人的活躍をさせるだろうがそうはならない。
客に電話を掛けることを強いられた受付の女性が、怯えながら命を懸けて拒否する。

等身大の普通の人たちが、恐怖の中でいかに人を守ろうとし、務めを果たそうとしたか。
それが、もしこんなところに居合わせたら私はどうしただろう…と思わせる。

「お前たちが貧しいのは、異教徒に富を奪われたからだ。殺せ、神が命じている」と、
アラーの神の名を借りて電話を通じて、テロリストの若者を煽り立てるボス。
テロリストの1人が、家族に「お金を払ってもらえたか」と確かめるところが悲しい。


貧富の差は、近年ますます激しくなっていて、オックスファムの調査によれば、
・8人の超富豪と、貧しい36億人の資産は同じ。
・上位1%の資産は、残り99%の人の総資産を超える。のだそうだ。
そして月6,000円以下で暮らしている人が20%。約14億6,000万人もいる。

情報社会は貧富の差を如実に知らしめる。
それに不満を持ち、恨みを社会にぶつける人もいる。
ISはそういった人を組織して「アラー」の名のもとに洗脳し、テロの手先に利用する。

人を殺すという残虐を、こんな若者がするのか。許せないし理解も出来ない。
しかし貧富の差が拡大していく限り、社会の安定はますます脅かされるのだろう…。
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