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2019年10月11日11:09

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「典座 -TENZO-」 曹洞宗の僧の活動と教えを描く

実家は曹洞宗でもあり、興味深く拝見させて頂いた。
主として曹洞宗の世界大会、海外への紹介のために作られたとのこと。

「典座」とは、禅宗の寺院で、仏様の供膳や僧の食事、調理をつかさどる役目。
曹洞宗の開祖である道元禅師は『典座教訓』を書かれ、その大切さを伝えている。

「典座 -TENZO-」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4831379
https://sousei.gr.jp/tenzo/

富士山を望む都留市の曹洞宗耕雲院の智賢(ちけん)は、
住職の父と、母、妻と食物アレルギーの3歳の息子と暮らす。
彼は、禅の自然への畏敬を込めて主婦に精進料理を教えている。

兄弟子の隆行(りゅうぎょう)は、東日本大震災で福島県沿岸部にあった
寺も檀家も家族も失い、瓦礫撤去の作業をしながら、寺の再建を願う。
2人は10年前に本山で修行を終えて、それぞれの寺に戻っていた。

知賢は、尼僧の青山俊菫(しゅんどう)に教えを乞う。
「精進料理を教えている」と知賢が話すと、俊菫は、
「モンゴルでは、冬は家畜の乳が主食、夏は肉を食べる」と
精進の形に捉われないことから、自由な心での仏教の教えを説く。

ドキュメンタリーではなく、かなりの事実を入れたセミドキュメンタリー。
だが、それが上手く行っているかというと、僧が僧を演じたわけだがぎこちない。
敬虔で真摯な端正な日常が描かれ、随所で教えが説かれ、悩みが語られる。
それが彼ら自身の生活だろうから、ドキュメンタリーでも良かったのではないか。

河口智賢ご本人は映画と同じ耕雲院の副住職で、禅の教えを地域に生かしたいと、
この映画そのままに幅広い地域活動に力を入れながら、全国的にも活躍する。

倉島隆行は四天王寺住職。若い頃はフランスやドイツで参禅修行の経験を持つ。
全国曹洞宗青年会の災害ボランティアとして働き、
東日本大震災の被災地福島でも現地支援で働いたという人物だそうだ。

むしろ彼らの日常を時間をかけて追い、そのままドキュメンタリーとすれば、
もっと自然な形で成立したのかもしれないと、惜しく感じる。だが、
日本人だからぎこちなく思えるのかも知れず、外国人なら思わないかな?

「サウダーヂ」「バンコクナイツ」の富田克也監督。毒が無いから?

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