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2019年10月09日00:35

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「プライベート・ウォー」 爆撃下の人々を報道した女性記者

世界には、社会には、理不尽なことが山ほどある。
そんなことに当たらないで済めば、本当に幸せな人生と言えるだろう。
でも、様々な理不尽に巻き込まれたり、向き合わされたり、目にすることもある。

それに深い怒りを感じると、例え自分のことでなくても離れられなくなることもある。
こういった人は、世の中に多いのではないかと思う。
いわゆるボランティアの中にも多いだろう。例えどんなにささやかな行為だとしても。

そして、多くの戦争ジャーナリストは、最初は例え会社に命じられたり、
名誉欲だったとしても、戦火の下の悲惨さに目を背けられない人たちではないだろうか。

「プライベート・ウォー」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4813950
http://privatewar.jp/about.html

1956年、アメリカ生まれで英国のサンデータイムス社の
メリー・コルヴィン(ロザムンド・パイク)。
2001年、スリランカのタミルの虎との内戦取材時に片目を失う。

2003年はカメラマンのポール・コンロイ(ジェイミー・ドーナン)と組み、
イラク取材。フセイン政権の時代に虐殺され埋められた人々の
遺体を掘り出し、スクープする。

名誉も得るが、片目を失った記憶や戦場の死によるPTSDに苦しみ、
療養が必要なまでに。しかし再び戦場に出ていく。
戦火の下の人々を報道しなければという思いが突き動かしたのだろう。

そしてアフガニスタン、リビアでカダフィ大佐を取材し、
2012年、シリアへと向かう。
アサド政権の爆撃下のホムスで実況放送までするが…。

映像は過酷な戦場を映して、目を覆いたいほどの戦争の現実を突き付ける。
ロケ地はヨルダン、この地にはパレスチナ難民が、
そして今シリア難民が押し寄せる。

男であれ女であれ、よくこんな恐怖を耐えられるものだと思うが、
兵士でない子供や女性たちも同じように砲火に曝される日常、
愛する家族を失うという現実。

政治家や大国の権利欲、武器商人、宗教や人種でいがみ合う人々。
その底に流れる経済格差。
世界の僅か26人が、貧しい38億人と同じだけの資産を持つという不平等。

無力感に苛まれそうだが、まずは戦争の現実を如実に知ることか。
簡単に戦争で外交問題を解決しようと考える人は、ぜひ観るべき。
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