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2018年02月19日00:44

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「リバーズ・エッジ」ヒリヒリした青春

大人になる寸前って、なんて不安定な年頃なのだろう。
感性ばかりが鋭く突出して、痛みでヒリヒリするような…。

「リバーズ・エッジ」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4417245
http://movie-riversedge.jp

高校生のハルナ(二階堂ふみ)は、観音崎(上杉柊平)という
恋人がいるが、縛られることなく、自由に生きている。

観音崎は暴力的で、学校でもその衝動を抑えられない。
ゲイの山田(吉沢亮)は、女っぽいと苛めの対象。
庇ったハルナを山田は夜に川原へ連れ出し、死骸を見せる。

「これを見ると勇気が出る」という山田に言葉を失うハルナ。
ホームレスの死体が朽ちていくのを見続けているという。

その死体を共有するのはモデルをしているこずえ(SUMIRE)。
大人の社会に関わり虚無的な空気を漂わせ、食べて吐くを繰り返す。

山田を恋するカンナ(森川葵)は、ストーカーまがい。
ルミ(土居志央梨)は、観音崎と性的な関係を続ける。

合間に入るインタビューが高校生らしい幼さを滲ませたり、
魚釣りをする、「ふつう」の高校生の姿があったり。

二階堂ふみは、毎回、上手いなぁと唸らされるが、
他のメンバーも、どこかに狂気を滲ませ、
昏い衝動が渦巻くさまを見せて、息を飲ませられる。見事。
なお、原作者の漫画家岡崎京子さんは、事故で長らく休筆中。




高校生の時ってどんなだったろうと思い返すと、
あの魚釣りの2人のように、ホントに普通に過ごしていたなと思う。
笑ったり、ふざけたり、真面目に勉強したり、ちょっと学校が嫌になったり。

と言っても女子寮生活だったし、「学校」でなく「学園」だったりと、
多少は特殊かもしれないが、でもその中では「ふつう」だったろう。

では全く明るい青春だったの?と聞かれると、躊躇う。
たぶんこの年代の多くは、どこかに昏い衝動を抱えているような、
そんな気がする。常識や「ふつう」の薄い皮で覆われた沸々と湧く衝動。

それがこの作品のように、噴きこぼれてしまう場合もあるのだろう。
やがて文学や芸術に昇華されていくのかもしれない。
そして大人になって、巧みに厚く覆っていくのではないだろうか?

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