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2018年02月14日13:16

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『ローズの秘密の頁」老女の真実は? そして学校メンタル・ヘルス・リテラシー教育

第二次大戦下、英連邦はこぞって対独戦争に参加した中で、
アイルランドはイングランドに対する反発があり、
中立といっても住民の中で反英、反独に分かれていた。

「ローズの秘密の頁(ページ)」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4406247
http://rose.ayapro.ne.jp/

取り壊しによって転院を余儀なくされている精神病院。
40年余入院していた老女ローズ(バネッサ・レッドグレイブ)は、
「息子が訪ねて来るから」と転院を拒否する。

そこにゴーント大司教の命で、ローズの再鑑定に、
精神科医のスティーブン(エリック・バナ)が現れる。

ローズは、「私は息子を殺していない」と主張し、
聖書に、密かにさまざまのことを書き綴っていた。

1942年、帰郷したローズ(ルーニー・マーラ)は、
父が早く死に、母がその悲しみで精神病院という背景を持ち、
自立的で相手の目を見てしっかりと話す女性に育っていた。

当時は妻でない限り、女性は男には目を伏せて話すのが普通だった。
ローズは、ゴーント神父(テオ・ジェームズ)をはじめ、
男たちの目を惹きつける存在だった。

ローズは、英軍パイロットのマイケル(ジャック・レイナー)を
助けて、1人住む山小屋に匿う。しかし反英派の人々に追われ、
ローズ自身も精神科病院に送られてしまう。

なぜローズは、そこで40年も閉じ込められたのか?
赤ん坊殺しの汚名は本当なのか? 息子は生きているのか?
聖書に書かれた日記には、何が綴られていたのか?

前半のさまざまなローズをめぐる人々の行動が、
善意も悪意も愛も後悔も、結果が最後に明かされていく。そして…。

壊れかけのようなピアノでローズが弾く「月光の曲」が切ない。
心を深くしてじっくり見たい良い映画です。

ーーーーーーーーー
ここからは、私のボランティア活動と絡めて知って頂きたいこと。
精神疾患ではないのに、40年以上も精神病院に
閉じ込められているという話に驚く方もいると思います。

だが、この世界を少しでも知れば、疾患の有無にかかわらず、
長期収容が珍しい話ではないことを知ることになります。

リタイア後に、この世界に関わり始めて驚いたのは、
何十年も精神科病院で過ごしている人の存在でした。

多くは若い頃に統合失調症と診断されて、入院。
統合失調症に効果のある薬が出来たのは1960年代ですから、
それ以前の発症の人は、効果のない治療しかなかったわけです。

薬が出来て良くなっても、その頃は、親は高齢化、
兄弟姉妹は独立し、精神疾患のある家族のことは、
偏見のある社会に対して、口をつぐみたい。

つまり退院後の引き受け手はなく、生活の場も用意されない。
慣れ親しんだ病院暮らしをそのまま続けた人が多いのです。

イタリアが精神科病院を無くして地域に受け入れるようになり、
先進諸国が精神疾患の早期発見・早期治療を進める中で
日本の長期入院は問題とされ、医療費削減を図りたい国も、
「長期入院者の退院促進」を始めました。

私は30年余を精神科病院で過ごした方に会ったことがあります。
ご兄弟が責任を持って社会支援を利用し、
障害年金を受けて、1人暮らしをしています。

「退院して良かった?」と伺ったら、微笑みながら、
「喫茶店にも映画にも、自由に行けるし、好きなものも食べられます」
失った30年は戻らないけれど、幸せに暮らしてほしいと願います。

一方で、精神疾患を持つという人の起こした事件が取り沙汰されます。
そのほとんどは、未治療か、治療中断。それを助長するのが、
社会の精神疾患への偏見です。家族が精神科に連れて行かない、
また病識がなくて行かない、社会的な支援に届かない人たちです。

「こんな病気があるなんて知らなかった」という無知もあります。
「精神科なんて行けませんよ」「ご近所に知られたくない」
「うちの子に限って…」等々、実際に聞いている偏見の言葉です。

私は「学校メンタル・ヘルス・リテラシー教育」研究グループに
属しています。社会事業大学の学長がリーダーで、
メンバーの多くは看護師や教育関係者、当事者や家族もいます。
http://ppcfe.com/smhle/
https://kidsinfost.net/2017/03/02/mhl/

中学校を中心に小学校から大人、教師まで、幅広く「心の病気」の
授業をします。一生に心の病気にかかる確率は5人に1人。
発症時期は10代〜35歳が多く、一生を左右します。

しかし、早く治療すれば、重症化せずに治る場合が多いのです。
無知や偏見で治療が遅れると、悪化して治りも悪くなります。

オーストラリアの小・中・高は「こころの病気」の授業は必須。
発症してから病院に掛かる時間は平均約2ヵ月(8.7週間)です。

ほとんど教育が行われていない日本では、平均15ヵ月、
統合失調症患者は、なんと平均34.6ヵ月後。
自分そして社会の無知と偏見が悪化を招き、長期入院を招く。
この状態を何とかしたいと願っています。

研究グループが発足して10年以上、調査もしています。
授業の結果、子供たちがもし自分や友人が「心の病気?」
と思ったら、確実な大人に相談することを自覚して貰っています。

もしご存知の学校関係者がいらっしゃる場合、
全国どこにでも無料で授業をしますので、お声かけ下さい。
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