北アイルランド紛争はまだ記憶にある。
この時代になって何で、同じ国民が、宗教の違いだけで殺し合うのか…と思ったものだったが、
日本人の曖昧な宗教観とは違い、世界の紛争のかなりが、宗教紛争でもあったのだ。
しかし、それにしても人は何故殺し合うのか。
アルスター大学の資料によると、この紛争の死者は3524人だそうだ。
(1969年7月14日から、2001年12月31日)
「ベルファスト71」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=3654893
http://www.71.ayapro.ne.jp/
カトリック系住民とプロテスタント系住民が争った北アイルランド紛争。
その真っ只中のベルファストに、イギリス軍の新兵が派遣された。
街に現れた英軍に、カトリック系住民は「プロテスタントは帰れ!」と罵り、
暴徒化して兵士を追い詰めていく。
逃げ惑ううちにゲイリー(ジャック・オコンネル)は1人取り残された。
出会った住民は敵か味方か、街角を曲がって何が見えるのか、撃たれはしないか。
軍隊に戻れるのか、英軍は助けに来るのか。ゲイリーは一夜をただ逃げ惑う。
武装組織IRAの内部も複雑に分かれ、疑心暗鬼で争い合っている。
少年は何のつもりでゲイリーを…。一瞬たりとも目を離せない。
ベルファストの夜の街に、爆破され、燃え上がる炎が何カ所か見える。
美しいような夜景だが、その炎の下に死者が何人いることだろうか。
単純に1人の兵士の逃走の、サバイバルの一夜だけに終わらない、
歴史的背景を語らずに突き付ける、初監督作品とは思えない厳しい重い印象を残す。
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