いつもの坂元節かと思いきや、どうもいけません。なんで今ひとつなのか考えてみよー。
だから強行軍だと言ったでしょうが、あろうことか再びシャンテから池袋に移動、馴染みのシネマ・ロサ。16:10スタートだが、乗り換え案内を参照すると現着が16時過ぎ。がんばれ!……がんばりました間に合いました。こう言う時はかえってネット予約を採用してないロサの方が気が楽。
ここも満員。私の観る映画は満席か20人でこぼこかどっちかみたい。
タイトルからして予測がつく。ナーメテーターものでしょ? ふつうの用務員さんだと思ってたら実は凶悪な殺戮マシーン、クライマックスは阿鼻叫喚、みたいな。
ま、基本はそうなんだけど、どうもなあ。
いきなり野間口徹が出てきて驚いた。坂本監督、そこそこの役者使えるようになったのね、よかったね。他にも波岡一喜や渡辺哲、前野朋哉が〇〇(一応ネタ伏せ)。
加えていつもの坂元組(皆勤賞の伊能昌幸とか)。何よりあの2人があの2人の役で出てきたのには驚喜。
なるほどYSU(ユーゴ・サカモト・ユニバース)なんですね。
最初の野間口が殺されるシーンがちょっとチープで、まあいつものことだし、とスルー。
つづく、しょぼい募金箱にヒロインがクレジット・カード突っ込むシーンから、いーぞいーぞとノリノリで観てたのだが、観るうちにコレジャナイ感が。
主役がちょっと美形すぎる。このシチュエーションだともう少しもっさりしてる方がいいなあ。シュッとしてて「とてもそうは見えない」に見えない(意味わかりますか?)。
前半で目立つ多動症のヤクザもトゥー・マッチ。厳しい言い方をすると演出が雑だと思います。
もちろんバンバン殺す。あっさり殺す。殺されるために登場する殺し屋たち。あの2人まで殺されちゃったのはおじさん残念だよ(でもまあ本当に死んだかどうかはわからないしな)。
殺すのはいいんだけど、これまでの坂元映画にあったような爽快感がないのね。
それからラスト近くの主人公とヒロインの愁嘆場も長い!つまらん!
ここへきてなんとなくダメな原因がわかってきた。
脚本が悪い。今までの3本は坂元監督の脚本だったけど(「最強殺し屋伝説」はクレジットがないが、監督が書いたんでしょう)、これは松平章全という人が書いてる。調べてみたらヤクザ系の(たぶん)Vシネみたいのを大量に書いてる人でした。
いや、あかんだろ。
見ようによっては、インディーズというか個人映画を撮ってきた坂元監督が商業映画を本気で撮る気になった、とも言えなくはないがそれはかなり好意的な見方でしょう。
私はどうかと思ったなあ。
他の人、というか外部の脚本家に任せるというのは監督として成熟に向かってるのかもしれないが、それがいい結果になるとは限らない。もちろん一過性のこともあるし。
話はそれるが、逆の例もある。一流の脚本家が書いて成功が続いた後、監督が自分で書くようになって「なんだかなあ」になることも多い。監督のひとりよがりになるのか。
実名は避けますが、例えば奥寺佐渡子:細田守、とかですね。
ともかく、面白いことは面白いが今回は一回休み、ということで。
#ポストクレジットに「Chisato, Mahito will come back.」って出たらYSUになったのに(ないない)。
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