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2021年04月07日07:52

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突然ですが遊戯王小説です その21

『ボトル・シップと舞台英雄』

〜猛毒英雄工場入口〜

 僕を含む四人が見守る前で、『蒼の抵抗者達(ブルー・レジスタンス)』のワイトと『紅き支配者(レッド・ルーラー)』のヘイグが対峙する。
 最初に語りかけたのは、ワイトだった。

ワイト「・・・・ようやく会えたな。
 『紅き支配者(レッド・ルーラー)』」
ヘイグ「・・・・」
ワイト「我ら、『蒼の抵抗者達(ブルー・レジスタンス)』はお前達を倒す為に我等はどれほど苦心したか・・それもこれからは歓喜に変わるだろうがな。
 さあ、神妙に覚悟するがいい。いざ対決しようか・・」
ヘイグ「・・・・もう小芝居はこれぐらいでいいか?」
ワイト「うん」
全員「だああああっ!!」

 あまりにさらっとシリアスな雰囲気が終わってしまい、僕らは思わずずっこけてしまう。ルトー君に関しては普段よりオーバーにこけている。

ルトー「く、くそ・・思わず古いリアクションしてしまった!」
メル「大丈夫、ルトー君」
ルトー「ああ、まあ大丈夫さ・・」
ワイト「まあ、とりあえず話を進めよう。
 渡してもらおうか、アレを」
ヘイグ「ああ、『カー・カード』だろ。
 ほれ」

 そう言いながら、ヘイグがワイトに手渡したのは、あるカードだった。


魔物札(カー・カード)〜猛毒英雄 ヘイグ〜 闇 星6
戦士族・効果
このカードは特殊召喚出来ない。一ターンに一度、互いに1000ポイントダメージを与える。このカードは相手モンスターに二回攻撃が出来る。
ATK2600/DFE1200


マルグ「な、なんだあれ?
 さっきのデュエルで見た事もないカードだぞ・・って言うか、お前、モンスターだったのか?」

 ワイトが受け取ったカードを後ろから覗き見ていたマルグが思わず訊ねる。
 ヘイグは軽く首を動かして答えた。

ヘイグ「これか?
 こいつは『カー・カード』だ。公式デュエルでは使えねえよ」
マルグ「『カー・カード』?
 そういえばここにくる前、『バー・カード』ってのを貰ったな。
 これは何なんだよ?」
ワイト「あー、バー・カードとカー・カードか。
 まず、魂(バー)・カードとは『魂』のカード。
 そのカードは『魂』が籠る器のカードなんじゃよ。持ち主は世界の変化から守られ、更に強い決闘者(デュエリスト)の魂をカードに刻み込み、新たなカードとして作り上げる」
ルトー「バー・カードは『魂』のカードで『器』の役割を果たす。
 ふむふむ、分からん」
ワイト「そして『カー・カード』。
 カーとは『魔物』という意味だが・・これは誰かの魂がねじ込まれたカードを総称してそう呼ばれるのさ。
 これを持つ君は『死者』であるという証であり、それを我々に渡した以上『抵抗』する意思が無い。そう捉えていいんだな?」
ヘイグ「ああ、構わないぜ。
 俺は本来、こういうカード遊びは趣味じゃねえんだよ。
 ぶっ殺すか研究するか、どっちかしか書けねえ。
 だけど現世に呼び戻された時、無理矢理このカードゲームの知識まで与えられちまってなあ。
 仕方なくカードを触ってはいたんだが・・」

 ヘイグは自分のデッキに目を向ける。
 可愛らしいデザインのモンスターが描かれたカードを見て、ヘイグは軽く鼻を鳴らす。

ヘイグ「・・やっぱ、俺には『平和』やら『可愛い』やらは似合わねえな。殺意の無い世界なんてムズ痒くて気持ち悪い。
 嬢ちゃん達にデッキごとやるよ」

 そう言いながら自身のデッキをメル達に放り投げる。リッドがそのデッキを受け取ると、ヘイグはマスクの奥でニヤリと笑みを浮かべた。

ヘイグ「良いねえ、この猛毒英雄様が使ったカードを恐れず受け取る気骨。
 やはりお前の事は気に入ったぜ。
 どうだ、死んだら地獄に来ねえか?お前と一緒に地獄を渡り歩くのもなんか面白そうだ」
メル「え・・?」
マルグ「な、何いい!?」

 ヘイグの突然の宣言に、マルグとメルは驚き慌てふためく。しかしリッドは表情を変えなかった。

リッド「嫌です」
ヘイグ「アヒャヒャヒャ!フラれちまったか、まあそりゃそうだな!
 嬢ちゃんが地獄かそれ以外に行くのは現世をもう少し楽しんでからで良いか!
 だが、もし地獄に来たくなったら歓迎するぜ。俺、今あるサーカス団のファンクラブリーダーを勤めてるからな、それを見せてやりたかったぜ!」
メル「え、サーカス団・・?
 ちょ、ちょっと待ってその話、もう少し詳しく聞きたいんだけど・・」
マルグ「う、うううるさいうるさいうるさーーーーーい!!!」

 メルの疑問やヘイグの勧誘を潰すように、マルグが喚き立てながら、リッドとヘイグの間に割り込む。
 そしてヘイグを睨みながら、

マルグ「り、リッドをお前達の所になんか連れていかせるもんか!こいつは俺と一緒に現世を生き抜くんだ!
 俺の断り無しで勝手にリッドを引っ張るんじゃねえ!な、殴るぞこのやろー!」

 と、足をガクガク振るわせながら叫んだ。その後ろではリッドが顔を真っ赤にしている。それを見たヘイグは・・嬉しそうに笑った。
 
ヘイグ「あ・・アヒャヒャヒャヒャヒャ!
 そうかそうか、そいつは悪かったな、彼氏サン!」
マルグ「なっ!?ちょ!?
 ま、待て待て俺とリッドはと、ととと友達同士だからな!?そういうの全然早いというか気持ちが準備出来ないというかゴニョゴニョ・・」
リッド「(顔真っ赤にして硬直中)」

 マルグとリッドが固まったのを見て、ニヤリと笑みを浮かべたヘイグ。
 ルトーは『ははーんさてはこいつ負けたのが悔しくてわざと煽ったな?』と気付いたが、あえて黙っていた。

ヘイグ「・・さて、ちょっと話が脱線しちまったが、要約するとだな。
 お前達の世界に影響を与えていたのは『カー・カード』。
 その影響からお前達を守るのが『バー・カード』と思えば良い。
  で、『バー・カード』はお前達が強くなると使えるようになるんだよ。
 それはもしかしたら既存カードかもしれないし、新しいカードかもしれないぜ」
メル「『バー・カード』は僕達を守るカードで、『カー・カード』は世界を壊せるカード。それで『バー・カード』は強い奴が使うと新しいカードになる、と。
 メモメモ・・」

 真面目なメルはメモにヘイグの話を書き記していく。ヘイグはあまり気にせず話を進める。

ヘイグ「あと、この世界が何なのか、お前達の敵が誰なのかを伝えなきゃいけないが・・それより前に、
 お前達に聞かなきゃいけない事がある。
 お前達は『世界五分前仮説』って話を聞いた事があるか?」
メル「世界五分前仮説?」
ルトー「ラッセルの哲学思想の一つだな。
 『この木は芽が出てから12年経過しているので、この木の年輪は12である』。
 その事実を『結果』とするならば、対応する『原因』が過去に位置するものだと主張出来るけど、
 このような主張を完全に証明する事が出来ない・・だっけな?
 原因は『過去』にあるとどうやって証明するかどうか、て話。
 それがどうかしたのか?」

 ルトーの話を聞いて、メル、マルグはまるで話をしっかり理解したかのようにこくりと頷く。
 正気を取り戻したリッドは小さく「理解してないわね二人とも」と呟いたが二人は聞こえないフリをした。
 ヘイグはフッと笑みを浮かべる。

ヘイグ「・・ああ、そうそう。その世界五分前仮説な。まあ俺が話したいのはそういうお偉いさんの頭の良い話じゃない。
 実際に世界は五分前から創られてるからな」
ルトー「は?」
メル「ひ?」
リッド「ふ?」
マルグ「へ?」
ワイト「・・ほぅ」

 ワイト以外、それぞれが首を傾げ、そして驚愕と共に首の位置を戻した。

四人「ハアアアアアっ!?」
ワイト「・・まあ、教えてしまうんだな」
ヘイグ「まあ黙ってても仕方ないだろう。
 こういう『現実の見方』もあるってな。
 それと一応言っておくが、『お前達の世界』が五分前に出来たわけじゃないから安心しろ」
メル「え、そ、そうなの?
てっきり僕らがそうなのかと・・」
ルトー「そうなのか、残念・・」

 メルが胸を撫で下ろしながら安心した顔をみせ、ルトーは少しだけ顔を歪ませる。

メル「え?」
ルトー「なんでもないよ」
ヘイグ「・・・・。
 この世界は人工世界なのさ、何処かの誰かが作り上げた人工世界。
 俺はそのついでに甦らされた存在なんだよ、ついでのついでに遊戯王の知識まで与えられた訳さ」
メル「・・ちょ、ちょっと待ってよ?
 人工世界に、知識付与しての蘇生・・??
 無茶苦茶な事がポンとおきすぎて何がなんだか・・?」
ヘイグ「まあ、全部理解するのは難しいよなあ。おれだって知ってるのはあと1つだけだ。
 もう1つ教えられるのはお前達の世界は今、一度救われたってことさ」
リッド「そ、それよ!
 私達の世界は戻ったの!?
 何もかも元通りなの!?スリーパーは、生きてるの・・?」
マルグ「スリー、パー・・?
 そいつ、確か月末に養子になる予定の子だよな?そいつが一体・・」
リッド「お願い、教えて!
 世界は救われたの!?」
ヘイグ「・・・・まあ、な。
 ただし完全に救われたかどうかは分からん。
 『カー・カード』の侵攻が止まったといえ、その影響が少しは残ってるからな。
 お嬢ちゃんが助けたかった奴が生きてるかどうか、保証は出来ねえなあ」
リッド「そ、そんな・・」

 リッドの顔が強張りふらふらと後ろに下がりそうになるが、マルグが背中を支えた。

マルグ「リッド、大丈夫さ。
 そいつは絶対、元気になってる筈だ」
ヘイグ「アヒャヒャヒャ、良い声かけ出来るじゃねえか、若造。
 こりゃ地獄でサーカス団のアイツラに話をするのが楽しみになってきたぜ。
 『バー・カード』を手にする限りこの先も辛い事しか待ってねえだろうが・・ま、辛くなって地獄に来ちまったら俺が面白ーいサーカス団を紹介してやるぜ!
 その時まで、精一杯生きていろよ。
 アヒャ、アヒャヒャヒャ!アーヒャヒャヒャ・・・・!!」

 笑いながら、ヘイグの体はボロボロに砕けていく。やがてその姿が塵にまで小さくなった時、五人の体が輝き初めているのに気付いた。

メル「え・・、なにこれ?」
ワイト「この世界ですべき事を終えたから、我等は元の世界に戻るのさ。
 ありがとうな、皆」
ルトー「あなたは最初から最後まで船に縛られてただけだったけどな・・」
ワイト「さて、我等も元に戻ろう。
 さらばだ、プラントロール」
黒髭「おう、ありがとなお嬢ちゃん!
 俺達の世界を救ってくれてよ!
 こいつは餞別だ、受け取りな!」

 そう言って黒髭がリッドに向かって投げたのは、ガラス瓶だ。中には小さな船が仕舞われている。

リッド「これは、ボトル・シップ・・!」
黒髭「それじゃあまた会おうぜ、バイビー!」
プラントロール「バイバイビー!!」

 その声を最後に、
 五人の姿は消えて言った。

△ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼

 

リッド「・・う、うぅん・・あれ、ここは?」

 リッドが目を覚ますと、そこは自分の部屋だった。四人分のベッドと四人分の机が設置された、女子専用の広い共同部屋。
 リッドが普段から見ている部屋の中だ。
 夢だったのか?と疑いそうになるリッドの足元にボトル・シップが転がってる事に気付き、息を飲む。
 そしてすぐにスリーパーのベッドに目を向けると、
 そのベッドは、何もかもが片付けられて綺麗になっていた。

▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼

リーン、リーン、リーン、ガチャリ。

スリーパー「はいもしもし。
 あれ、リッド!あはは、昨日の今日でかけてくれるなんて嬉しいねー。
 ほら、昨日でボクが施設が出るからって夜遅くまでパーティーをしてくれたじゃない!
 あの時は凄く嬉しかったよ、本当にありがとうね・・あれ、どうしたの?リッド、何で泣いてるの?」
リッド『・・・・っ!
 う、ううん、ゴメンゴメン・・!
 怖い夢を、見ちゃってさ!
 スリーパーが、元気にやってるのかどうか、聞きたかっただけだよ・・っ!
 良かった、貴方が元気で・・それで良かっだ・・っ!』

 電話の先で、リッドが泣いている声が聞こえてくる。スリーパーは電話が長くなる事に気付きながらも、友人との語らいを楽しもうと色々と話題を振っていく。
 二人をつなぐ電話線の間には、確かに暖かいものが流れていた。

▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △

  話は、昨日に戻る。
 ルトーが超量戦隊のライブに乱入してきたチュー助を何も考えずに倒してしまい、恥ずかしくなって会場から逃げたあと、ルトーはある人物から声をかけられていた。

「ルトーちゃん、さっきは助けてくれてどうもありがとう!」
ルトー「へ、い、一体だれ・・え?
 あ、貴方は・・」
「右に泣く子がいれば優しさを!」
「左に阻む障害があれば強さを!」
「正面に立ちはだかる悪あれば、正義を!!
 トウ!!」

 背後のラジカセから流れる明るいBGMと共に三人の戦士が跳躍し、華麗に着地する。
 その姿を見たルトーは思わず息を飲んでしまった。何故なら彼等は、いつもはテレビや舞台の上など、別世界でしか見た事が無い存在だからだ。

ルトー「あ、あああ・・っ!」
「我が名は超量士、グリーンレイヤー!」
「我が名は超量士、ブルーレイヤー!」
「我が名は超量士、レッドレイヤー!」
「「「三人あわせて、『超量戦隊、チョウリョウジャー』!!!」」」
ルトー「うわああっ!!
 本物だあああ!」

 そのヒーローの名前は『チョウリョウジャー』。そんなヒーローに出会えたルトーは憧れのヒーローに出会えて嬉しさで飛び上がり、ヒーローに出会えた驚きや嬉しさと、彼等が活躍する舞台を自分の手で台無しにしてしまった罪悪感から思わず変な声を上げてしまう。

ルトー「うひゃわはひやうほ・・」
レッド「さっきは助けてくれてありがとう!
 これから少し我等のアジトで君の歓迎会をしようと思うのだが、良いかね?」
ルトー「は、は・・はいいいい!
 行きますううう!」

 目をキラキラと輝かせながらルトーがチョウリョウジャーと向かった場所は、とある古い四階建てのマンションだった。
 四階まで階段を登り、一番奥の扉をレッドが開けると、中には古錆びた倉庫となっている。最初こそ嬉しいテンションだけでついてきたルトーだったが、だんだん不安になってきた。

ルトー「あ、あの?
 こんなところで何を・・」

 ルトーが恐る恐るレッドに声をかけようとすると、レッドが壁に設置されたボタンに何か入力していた。
 すると、突然埃臭い壁が開き、大きなエレベーターが姿を現す。

ルトー「・・え?」
レッド「さあ、入りたまえ」

 言われるがままルトーと戦隊達が入ると、扉は閉まりグイーンと機械音が暫く鳴り響いていく。
 隠れる技術と見つける技術を学んでいたルトーはその機械音から地下数十メートルまでエレベーターが降下している事に気付いた。

 そして扉が開くと、そこには最初見た古びたマンションからは想像も出来ない程に綺麗で大きな部屋だった。
 その部屋の中心に佇む人達を見て、ルトーはまた嬉しさで悲鳴を上げる。

ルトー「う、うわあああっ!」
「『紅き支配者(レッド・クリムゾン)』へようこそ、ルトーちゃん!我々は歓迎するぞ!」

 そこにいたのはルトーが憧れた数々のヒーロー達だった。
 炎の心を持った戦士、『イグナイト』。
 虫の力を操る黒戦士、『G戦隊 シャインブラック』。
 闇の力を持つ『ダークヒーロー・ゾンバイア』に、
 かつてある決闘者と共に世界を救った『E・HERO』。

 ルトーの好きなヒーロー達が目白押しだった。

ルトー「こ、ここは!?
 それに君達は一体!?」
レッド「我等は『紅き支配者(クリムゾン・ルーラー)』。
 世界をより良きモノに変える為に日々戦うモノさ」
ルトー「そ、そう、なの?」
レッド「ああ!
 君が毎日目を輝かせながら見ていた番組は全て、我等『紅き支配者』と『青き抵抗者達(ブルー・レジスタンス)』の戦いを元に作成されているのだよ」
ルトー「そ、そうだったのか!
 なんかよく分からないけど、『青き抵抗者達(ブルー・レジスタンス)』って悪い奴なの?」
レッド「ふむ、『悪』と断定できるかどうかで言えば難しい所だ。彼等は彼等の正義で戦っているのだからな。
 だが我々と戦いあう事で彼等もやがて理解してくれる。少なくとも私はそう信じているさ」
ルトー「そ、そうなんだ・・!
 ボクも、ボクも何かヒーロー達のお手伝い、してみたい!
 何をすればいいの、拠点爆破!?兵糧枯渇!?」
レッド「ふむ、君はずいぶん後方から戦うのが好きみたいだな。
 だがそんな事しなくても大丈夫だ、これから話す事をこっそりやるだけでいい・・」

▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼

時間は現在まで進み、昼の公園。

 雲1つ無い快晴の中、ヴァンパイア・レディーは木陰で今朝の話を思い返していた。

レディ(朝、突然世界が変貌して何もかもが変えられてしまった。
 それにあの四人が対処に向かい、原因たる『カー・カード』を回収した事で事態は収束、世界は僅かな揺らぎを残して元の姿に戻った。
 それは同時に、この世界の人間達と私達の戦いに関わらせてしまったという事。
 彼等は私達を、許さないでしょうね。
 とりあえず昼に私達の事情を説明して・・)

「おい」
レディ「ん?」
「デュエルしろよ」

 瞬間、明るい世界が闇に包まれていく。
 薄ぐらい闇の中に、レディーと誰かもう一人の姿が見える。

レディ「これは、デュエル用の闇結界。
 まさか、敵!?いつの間にここに・・!」
「私の名前はG。
 貴方達に終焉をもたらすものなり・・」

 レディに対峙しているのは、体つきに胸の膨らみがある事から女性である事は分かるが、黒いローブに仮面を被った状態なので、一体誰なのかレディには分からない。

レディ「貴方は、何者なの・・?」
G「『紅き支配者』の一人、とだけ分かれば充分だろう?
 さあ、ディスクを構えろ。さもなくばこの闇に呑まれる事になるぞ」
レディ「つ・・!」

 レディはディスクを構え、女性もまたディスクを構えた。

 LP6000VSLP6000

両者「デュエル!!」

レディ「私の先攻!
 私は手札から永続魔法を三枚発動する!
 『パラライズ・チェーン』『墓守りの使い魔』『悪夢の拷問部屋』!」

パラライズ・チェーン 永続魔法
カードの効果によって相手のデッキからカードが墓地へ送られる度に、 相手ライフに300ポイントダメージを与える。

悪夢の拷問部屋 永続魔法
相手ライフに戦闘ダメージ以外のダメージを与える度に、 相手ライフに300ポイントダメージを与える。 「悪夢の拷問部屋」の効果では、このカードの効果は適用されない。

墓守りの使い魔  永続魔法
相手はデッキの一番上のカード1枚を墓地へ送らなければ、 攻撃宣言をする事ができない。

G「・・」
レディ「更にフィールド魔法、『ヴァンパイア帝国(エンパイア)』を発動!」

 レディの背後に、巨大な城がそびえ立つ。

ヴァンパイア帝国 フィールド魔法
フィールド魔法 フィールド上のアンデット族モンスターの攻撃力は ダメージ計算時のみ500ポイントアップする。 また、1ターンに1度、相手のデッキからカードが墓地へ送られた時、 自分の手札・デッキから「ヴァンパイア」と名のついた 闇属性モンスター1体を墓地へ送り、 フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

レディ「カードを一枚伏せて、ターン終了よ」
G「私のターン、ドロー」
レディ「永続罠発動!『ソウル・レヴィ』!」

ソウル・レヴィ 永続罠
(1):「ソウル・レヴィ」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、 相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。

レディ「『ソウル・レヴィ』はあなたが特殊召喚する度にデッキから三枚墓地に送り、『墓守りの使い魔』は攻撃宣言時に貴方のデッキからカードを一枚墓地に送る!
 『パラライズ・チェーン』はデッキからカードが墓地に送られる度に相手に300、更に『悪夢の拷問部屋』で300、合計600ダメージを与えるわ!
 そしてフィールド魔法『ヴァンパイア帝国』は貴方のデッキからカードが送られら時、1ターンに一度闇属性のヴァンパイアを墓地に送る事で相手のカード一枚を破壊出来る!
 魔法・罠破壊カードのような、このカード達を無力化するカードを持っていなければ、貴方にこの布陣は突破出来ないわ!」
G「ほう・・素晴らしい布陣だな。
 だが、この程度では、まるで全然、
 私に勝つには程遠い」
レディ「え・・?」
G「私は魔法カード、『成金ゴブリン』を発動」 

成金ゴブリン 通常魔法
(1):自分はデッキから1枚ドローする。 その後、相手は1000LP回復する。

G「私は手札を一枚ドローし、貴様はライフを1000回復させる」

 G 手札六枚
 レディ LP7000

G「私は更に『打ち出の小槌』を発動」

打ち出の小槌 通常魔法
(1):自分の手札を任意の数だけデッキに戻してシャッフルする。 その後、自分はデッキに戻した数だけドローする。

G「私は手札を二枚デッキに戻し、二枚ドローする・・これで勝ちだ」
レディ「いきなり何をばかな事を・・」
G「私は手札の『魂札(バー・カード)〜封印されし者の真影(しんえい)〜』を三枚同時発動!」
レディ「!?」 

魂札 封印されし者の真影 闇 星1
魔法使い族・効果
 自分メインフェイズにこのカードが手札に存在する時、このカードを公開する事で発動出来る。このターンこのカード名を『封印されし者の右腕』『封印されし者の右足』『封印されし者の左腕』『封印されし者の左足』のいずれかを宣言し、このターンこのカードは手札に存在する限り宣言したカード名として扱われる。
ATK 0/DFE200

レディ「ば、『バー・カード』!?
 それも三枚全部・・!?」
G「『封印されし者の真影』の効果により名前を宣言する。
 一枚目は『封印されし者の右腕』。
 二枚目は『封印されし者の右足』。
 三枚目は『封印されし者の左足』。
 そして残り二枚の手札は・・」

 封印されし者の左腕 闇 星1
 魔法使い族・通常
 ATK300/DFE200

封印されしエグゾディア 闇 星3
魔法使い族・効果
このカードと「封印されし者の右腕」「封印されし者の左腕」 「封印されし者の右足」「封印されし者の左足」が手札に全て揃った時、 自分はデュエルに勝利する。
ATK1000/DFE1000

レディ「ば、バカな・・!?
 そんな、バカなアアアア!!」
G「『封印されし者』のパーツが揃った時、私はデュエルに勝利する。
 エグゾード・・」

 気付けば、Gの背後には巨人が立っていた。巨人の掌には炎が業(ゴウ)、と燃えている。それが今、あわれな吸血鬼の上に落とされた。

G「・・フレイム」
レディ「ギャアアアアアア!!」

 WIN!!『Ms.G』!
 Lose!!『ヴァンパイア・レディー』!



続く
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2021年04月07日 21:19
    バーカードにカーカード。
    恐ろしいカードたちが出てきて段々不穏な空気が出てきました。
    そして後半のデュエル部分、エクゾディアの1キル!
    封印されし者の真影、完全に禁止カードか制限カードレベルですね。
    こいつ専用にデッキを組んでないとほぼ勝てないですね。
    これからの展開が楽しみです。

    魔物札(カー・カード)〜猛毒英雄 ヘイグ〜
    これの種族が「綿士族」になっていますが、これは仕様でしょうか?
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2021年04月08日 07:53
    > mixiユーザー コメントありがとうございます。少しずつストーリーが緊張感でてきて自分もハラハラしながら書いてます。
     封印されし者の真影のヤバさは昔エグゾ使いの時にこんなカードあったらなあという願望から出ています。
     次回を楽しみにしてお待ち下さい。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2021年04月08日 07:56
    補足書き忘れてた・・!
     指摘ありがとうございます!ヘイグの種族、戦士族に変更しました!すいません!

mixiユーザー

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