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2021年02月11日18:05

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突然ですが遊戯王小説です その18

〜???〜

メル「あれ?ここは?」

 メルが目を覚ました時、周りに三人の姿はいなかった。まさか『夢』を見ているのかと思い腕時計を確認したが、時計の針はしっかり動いてる。
 メルが不思議に思いながら立ち上がると海の匂いが鼻に入った。

メル(このざらざらした感触、波の音・・ここは、砂浜か・・?)

 その予測通り、メルがいる場所は海の砂浜だった。綺麗な海が不規則に波を起こし、カモメの鳴き声が聞こえる。
 だがよく見ると海の端が黒く染まっているのが見えた。反対側は豊かな森の山が見えており、やはりそちらにも気配を感じない。
 不思議に思いながら歩き始めると、誰かの声が聞こえてきた。
 談笑してるらしく、しゃがれた声で笑っている。笑い声は山の麓の岩の奥から聞こえてくる。
 そうっと近づいたメルが見ると、そこには緑色の肌をした大男が何かを食べながら何か話していた。
 顔の下半分が黒い髭に覆われ、そこに食べ残しが幾つも付いている。

「ガハハハハッ!
 あんたの歌は最高だぜ!」
メル「歌?一体、誰が・・?」

ルトー「ありったけのわぁなを〜、かきあーつめー!探し物、さーがーさせるーのさー!
 罠☆ピースっ!!」
メル「( ゚□゚)」

 そこには緑肌の男達が酒を手に笑いながら椅子に座り何かを見ている。
 そして視線の先では、
 ナゼかアイドルグループみたいに綺麗に踊るルトー君と、その背後で顔を真っ赤にして立っているマルグとリッドの姿があった。
 そしてルトーはノリノリで歌っている。
 それを見ている内に、メルは隠れるのも忘れて歌を聞き入ってしまっていた。

ルトー「煙幕なんて〜、混乱の元!!
 電波流しながら、舵を切るのさ!」
メル「る、ルトーくん?」
ルトー「罠☆ピースっ!
 あれ、やあやああそこにいるのは我が親友メルじゃあないか!」
メル(いますぐ親友やめたいけどね!
 なんなのその無駄テンションは!)
ルトー「ふ、ボクの隠し芸を舐めないでいただきたい!歌から隠蔽工作、果てには手品まで何でもござれのボクにかかれば、
 この程度は朝飯前、なのさ・・!」

 にこやかな笑顔を向けながら何か達成したかのようなポーズを決めつつ汗を払うルトー君の背後から、マルグとリッドが顔を出す。メルに出会えた為か先ほどより表情が柔らかくなっている。

メル「マルグ!リッド!
 あと・・何してるの、ルトー君?」
ルトー「ようやく起きたか、遅いお目覚めだぜベイベー!
 最高のライブは始まったばかりだ、ボクの美声を存分に聞きな!」
メル「そんなのどうでもいいから、
 誰かこの状況を説明してよ!」
ルトー「どうでもいい!?」

 ルトーはその一言にショックを受けたのか、くらくらと派手な動作で落ち込む。

ルトー「そうだよな、普段から陰キャなボクが目立ってもあまりいい事ないもんな・・」
メル「マルグ、リッド!
 ああ、無事で良かった!」

 そのルトーを無視してメルは二人に駆け寄る。二人は明るい顔をメルに見せる。

マルグ「メル、お前が起きてくれて良かったぜ・・!」
リッド「本当、メルが生きていて良かった・・!」
メル「うん、僕も二人に会えて嬉しいよ!」
ルトー「ボクを無視するなメルウウウ!
 せっかく暖めたライブなのに、お前のせいで冷めちゃったじゃないか!君が来るまでに四曲しか歌って無いんだぞ!」
「なあんだ、あのボウズも目が覚めたのか。
 ならようやく俺達も話が出来るな」

 そう言って緑肌の男達が立ち上がる。
 振り返ると男の腰にはハンマーやらミノやらがじゃらじゃらと点いていた。

「ガハハハハッ!
 よく来たな、異世界人。
 俺達は『海造賊(プラントロール)』。
 泣く子も船に乗る船乗りだぜ!」

 男は名乗りながら、何故かハンマーを自信満々に持ち上げる。それを見て後ろの男達・・メルは部下と気づいた彼等が嬉しそうに高笑いする。

「キャハーッ!親分最高ー!」
「船長(キャプテン)、今日も最高ですぜー!」

メル「『海造賊(プラントロール)』・・!?
 最近、新しくシリーズ化したカードの名前じゃないか・・」

説明しよう!海造賊(プラントロール)とは!
2020年に新たにカテゴリ化された海外から来たカード達であり、船乗りのプラントロールが船を作りながら海賊する集団のカテゴリだ。安価かつ展開のしやすい動きに加え、まだ新しいカードが出てきそうな可能性がある事から注目されているテーマでもある。

メル「カードの中の話だけだと思ってたのに、まさか現実として僕達の目の前にいるなんて・・」
マルグ「俺も驚いたよ。
 でも考えてみたら昨日は骸骨とか吸血鬼とかライオンなんかと普通に会話してたから、すぐに慣れちゃった」
リッド「問題はルトー君よ。
 あの子、たくさんの人に見つめられたのか完全に頭が上がっちゃって、急にうたいだすなんて言い出して・・」
メル「ごめん、ルトー君はたくさんの人に見られるとおかし・・頭が悪く・・アホな子になっちゃうから」
ルトー「お前、今言い直して最悪の言葉選んだなオイ!」
「ガハハハハッ!
 お前ら盛り上がってるなあ、俺も混ぜてくれよ!」

 そう言いながら黒髭の大男が話しに割り込んでくる。全員の口が閉じて、男を見てしまう。

「ガハハハハッ!そう緊張しなくていいさ!俺は『海造賊(プラントロール)』の船長『黒髭』!よろしくな異世界人!
 さて、みんな目が覚めた事だし早速アイツを倒しにいくぜええ!
 テメエラ、『ブレンネ号』を出せ!
 最速であの野郎を倒すぜええ!」
部下達「「ヒャッハー!!」」
メル「えええ、何!?
 いきなり何なの!?あ、そうだワイトさん!あの人は一体どこに・・!?」
黒髭「ああ、あの骸骨?
 ちょうどドクロの旗が欲しかったんで今マストに縛りつけてるぜ」

 黒髭が指差す先には、マストのてっぺんで全身を簀巻きにされた哀れなワイトの姿が見えていた。

ワイト「(動かない、まるでただのドクロのようだ・・)」
メル「わ、ワイトさぁーーん!」
黒髭「よーし、話がまとまった所で早速出航だー!!錨を上げろ、帆を下ろせー!
 ヨーソロー!!」
全身「うわあああああ!!」

▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △

〜『豪速のブレンネ号』船内・甲板〜

メル「何がなんだかわからないまま船に乗っちゃったよ・・」
黒髭「『赤髭』、奴の姿は見えるかァ!」
赤髭「アイアイサー!
 奴め、相変わらずさっきから毒を巻き散らしてますぜ!」
黒髭「『青髭』ェ、あそこにつくまであとどれくらいかかる!」
青髭「へい、キャプテン!
 あと五分もかかりやせん!」
黒髭「よし、『白髭』!
 準備しろぉ!」
白髭「アイアイサー!」

 彼等が動いてるのを、四人は机に座ったまま黙って見ていた。

マルグ「あの黒髭って人・・凄い色んな人に命令してるね」
リッド「でも、朝に私達を走らせた奴とは雰囲気が全然違うわ。
 どちらかっていうと、アイおじさんみたい」
マルグ「アイおじさんか・・あの人も俺達に会ったら、怖い命令するんだろうか・・」
リッド「そんなの、想像だってしたくないわ・・」
ルトー(実際、ピーマンにびびるような奴だけど命令自体はしてたな。
 二人には内緒にしておくか)「それよりさ、キャプテン黒髭」
黒髭「ん?」
ルトー「ボク達はこれから何をどうすればいいのさ。正直何が何だか分からなくて・・」
黒髭「何ッてそりゃおめえ、あそこの海を汚染してる奴をデュエルで倒す事に決まってるだろ」
ルトー「デュ、デュエル?あそこにいる奴って一体?」
黒髭「アイツが誰かは知らねーよ。
 だがアイツは一週間前から突然現れ、海に猛毒を撒き散らして魚や海を傷つけている。出来れば俺の腕でぶっ飛ばしてやりたかったんだがぁ、異世界人はデュエル以外で倒せねえ。
 だから異世界人であるお前らがアイツをデュエルで倒すんだ。
 分かったな?」
メル「ま、待ってよ。
 何でデュエルで?しかもそれを倒しても僕達の世界が戻る確証も・・」
白髭「キャプテーン!
 到着しやしたぜー!」
黒髭「お、どうやら着いたみたいだな。
 よっこいしょっと」

 そう言って黒髭は軽々と四人を掴み、海に向かって投げ飛ばした。

四人「!?!?!?!?」
黒髭「ま、後はそいつに話を聞いてくれや。頼んだぞ異世界人ー」
マルグ「ちょっと待てやテメエエエエ!」

 マルグが叫びながら落下する・・と思いきや、下の軟らかい何かに落下して痛みは受けなかった。

リッド「び、ビックリした〜。
 みんな、ケガはない!?」
メル「いたた、大丈夫・・この軟らかい床のお陰で助かった・・何これ?」

 メルが見るとそれは、矢印の書かれた床だった。床がふかふかしていてとても歩きづらいが、お陰で痛みが何もなかった。
 よく見ると床の下は吹き抜けになっているのか、小さな波が通っている。
 マルグが立ち上がると、目の前に看板が立て掛けられていた。

マルグ「んん、何か書いてあるぞ?
 『ようこそおいでませ、『ポイズンファクトリー』へ』?なんだ、これ・・」
ルトー「な、なんだこれは!?」

 矢印の先を見ていたルトーが思わず叫び、皆が目を向けるとそこには巨大な工場が立ちはだかっていた。
 いくつもある煙突から黒い煙が吹き出し、壁から突き出たパイプから大量の廃液が流され青い海がおぞましい虹色に変化している。
 それをみた全員が、思わず表情が強張ってしまう。

メル「な、なんだこれ・・?」
マルグ「これが、キャプテン達の行ってた奴等の根城、なのか?
 なんで海の真ん中に工場が立ってるんだよ!」

 ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン

 不意に背後から音が幾つも響いてきた。振り返るとブレンネ号から大量の大砲が並んでいる。その横でキャプテン黒髭がニヤリと笑みを浮かべた。

黒髭「おらあ、さっさとこのクソ工場ぶっ壊せやクソ異世界人!!
 大筒、一斉掃射!!」
部下達「アイアイサー!!」

ズドン!!ズドン!ズドン!!ズドン!ズドン!!

 黒髭の号令と同時に、大砲から爆弾が吹き飛ばされ、次々と工場の壁に着弾し爆発していく。
 四人はそれに吹き飛ばされないよう、軟らかい床に必死にしがみついていた。

メル「うわあああああ!」
ルトー「にゃああああああ!」
マルグ「あの船長マジで容赦してくれないかなあ!俺達あの爆弾一つで死ぬんだけどなあ!!」
リッド「ま、待って!
 あの工場、傷一つつかないわ!」

 リッドの言った通り、いくら爆弾を投げつけても工場に傷が一つも付かない。
 発射音の合間から黒髭の苛ついた声が聞こえてくる。

黒髭「ちくしょー!
 やっぱりダメージゼロだー!
 もっともっと撃ちやがれー!嫌がらせなら俺達の専売特許だー!」
部下達「アイアイサー!!」

 掛け声と共に爆弾が更に放たれるが、工場に傷は一つもつかない。しかし、工場から誰かが姿を現した。
 その姿は鈍い銀色の特殊なスーツを着ているせいで肌が一切見えない。前身が銀色で覆われたそれは、口元に大きなガスマスクを装着しているせいで顔が見えず、背中には3つのボンベを背負っている。
 両手には幾つものチューブが備えられていてその先には銃口とシリンダーが備えられている。
 その異様な姿を見て一人を除き全員が驚きの表情を見せた。

マルグ「な、なんだアイツ・・ガスマスクにガスボンベとか、気色悪い・・」
リッド「あれが、工場の主なのかしら・・?」
ルトー「なんかヤバそうな雰囲気だ、一旦隠れた方が・・メル?」
メル「・・・・・・・・・・嘘だ」

 その姿を見た時、メルは心の底から震え上がるのを感じていた。
 彼の中にあるのは恐怖と、憤怒。
 何故ソイツがここにいるという憤怒と、
 これから何が起きるか分かるという恐怖で支配されていたのだ。
 その2つの感情に呑まれたメルは、心のままに叫ぶ。

メル「何故だ、ナゼお前がここにいる・・!」
ルトー「メル?おいどうしたんだ?」
メル「お前!
 なんで、地獄から蘇っているんだよ!
 ジョン・ヘイグウウウ!!」
ジョン・ヘイグ「アーッヒャヒャヒャヒャー!!
 この俺を出迎えてくれて感謝するぜ、異世界ゴブリン共ォ!」
黒髭「テメエ、今日こそは海から消えて貰うぜ!構えー大筒!」
ヘイグ「やめときな・・」

 ヘイグが左手の銃を大砲に向けると、脇腹のシリンダーが回転し『酸』で停止する。そして、銃から緑色の強酸が放たれ、それを浴びた大砲が一瞬でどろどろに溶けた。

部下「ヒッ・・!?」
ヘイグ「今、俺様はとても気分が悪いんだ。それ以上騒ぐならお前達を船ごと沈めてやってもいいんだぜ?」
黒髭「上等だこの野郎ぶっ飛ばしてやらぁ!」
部下達「キャプテン落ち着いて!俺達じゃ奴に勝てないの知ってるでしょ!」

 船の上で暴れるキャプテンを尻目に、ジョンは四人に近づく。

ヘイグ「さて、ハジメマシテだなお前ら。
 俺様はジョン・ヘイグ。
 かつては『猛毒英雄』と呼ばれた男さ」
ルトー「ジョン・ヘイグ・・!?
 戦争時代に暴れていた殺人鬼の名前だぞ、それは!」
メル「そうだ、こいつに!こいつ一人に!どれだけの人が殺されたか・・!!」
リッド「メル・・?」
メル「だが、お前は戦争で死んだ筈だ!
 なんでこんな所で生きてる!」

 メルが殺気を隠さずに話しかけ、ヘイグはそれを気にもせずに答える。

ヘイグ「俺だッて知らねえよ。
 地獄で楽しくやってたのに、一週間前に勝手にこんな海の真ん中で蘇って意味わかんねえんだ。
 だが、俺が現世にいる以上、更なる猛毒を作らない訳には行かないだろ?
 だから俺はここを新たな猛毒工場とし、更なる猛毒と酸を造っているんだよ。
 それより、テメエラは異世界人だな?
 テメエラが来た以上、デュエルで相手してやるぜ?」
メル「デュエルだと!?
 ふざけるな、今すぐお前を地獄に送り返して・・!」
 
 言う前に、ヘイグがメルに銃口を向け、酸をかけた。
 緑色の強酸に包まれたメルは思わず悲鳴を上げる。

メル「う、うわあああああ!!
 と、溶かされ・・あれ?」

 だがその姿は一切溶けず、何も変化がない。それを見てヘイグは残念そうに呟く。

ヘイグ「無駄だぜ、異世界人。
 異世界の武器は異世界人には通じない。通じるのはデュエルのみだ」
ルトー「だからキャプテンの攻撃も効かなかったのか・・」
ヘイグ「アヒャヒャヒャ!
 デュエルで異世界人同士がデュエルした場合、勝者の武器は使用可能になる、逆に敗者になった場合、その存在は世界から消えるぜ・・まあ元の世界に戻されるだけなんだがな。
 つまり、俺が勝てば武器は奴等に当たるようになり、酸だらけのメルはたちまち溶ける訳さ!」
メル「っ!!」
マルグ「く、ならお前とデュエルを受けなきゃいい!そうすればメルは助かるし、誰も傷つかない」
ヘイグ「いーやそれはダメだね!
 なんせ、お前達の世界の変化の原因は俺だからな!」

 その言葉に、全身が目の色を変える。

マルグ「なんだと?」
ヘイグ「アヒャヒャヒャ!
 どうやらどこかから何らかの力が俺を通して別の世界に流されてるみたいでな!
 どうやら俺は何か特別な力の中継地点になっているようだ。
 だから俺を倒し元の世界に返せば、中継地点が失くなって影響を受けなくなり、お前達の世界は元に戻る訳さ」
リッド「そんな・・!」
ルトー(・・おかしいな、なんでこいつこんなにべらべら喋るんだ?
 なんか裏がありそうな気がするな・・)
ヘイグ「それともう1つ、
 俺様と戦いたければライフ回復のカードを入れている奴の方が有利だ。
 その方がお前達に有利に戦える」
ルトー「!?
 お、お前なんで自分に不利な事を教えるんだよ!なんか裏が・・」

 疑問をぶつけようとするルトーにヘイグは無言で酸をかけ、ルトーの全身が緑色に染まる。

ヘイグ「で、誰が戦うんだ?
 言っとくが俺はケッペキ症でなァ、緑まみれの奴とは戦いたくねえぜ」
マルグ「なら、俺が」
リッド「私がやるわ!」

 マルグが名乗り出るより速く、リッドがデュエルディスクを構える。

マルグ「り、リッド!?
 バカ、お前はデュエル初心者だろ!
 俺がやるからお前は黙って見てろよ!」
リッド「嫌よ!
 私だって、世界をあんなにした奴を野放しになんて出来ない!
 それに私の新しいデッキにはライフ回復カードも入ってるわ!」

 そう言いながらリッドはデッキを取り出す。そのデッキはアイから借りたデッキではなく、スリーパーと一緒に作ったデッキだ。
 そして彼女は『今朝』の記憶を思い出し、デッキをデュエルディスクに勢いよくセットする。

リッド(力を貸して!スリーパー!)
ヘイグ「アヒャヒャヒャ、お嬢さんが相手か・・さあ、楽しいデュエルを始めようかァ!」


LP6000
制限デュエル!
リッド LP6000VSLP6000 ヘイグ

両者「デュエル!」

ヘイグ「俺のターン、ドロー!
 そしてスタンバイフェイズ、このフィールドに設置されてある永続魔法・・。
 『黒蛇病』の効果が発動される!」
リッド「えぇっ!」

黒蛇病 永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にお互いのライフに200ポイントダメージを与える。 2ターン目以降自分のスタンバイフェイズ毎にダメージは倍になる。


ヘイグ「アヒャヒャヒャ・・!
 このカードがある限りスタンバイフェイズ時に、『まずは』お互い200ダメージを受けるぜぇ!」

ヘイグ LP6000→5800
リッド LP6000→5800

 リッドの左手の甲に、蛇のような姿のアザが姿を現す。
  
リッド「な、なにこれ・・!?」
ヘイグ「そいつは『黒蛇病』の症状だ!
 俺のスタンバイフェイズが始まる度に200、次のターンからはその倍のダメージを互いに受ける事になる。
 俺がライフ回復カードを薦めた理由が分かっただろう?」
リッド(長期戦になるほどダメージが大きくなるカード・・でもきっと、奴も防御カードを大量に入れている筈だわ)
ヘイグ「メインフェイズ!
 俺は二枚の永続魔法を発動するぜ!
 『エメレントの泉』と『メルフィーのかくれんぼ』!」

エメレントの泉 永続魔法
フィールド上に存在するモンスターが持ち主の手札に戻った時、 自分は500ライフポイント回復する。

メルフィーのかくれんぼ 永続魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの獣族モンスターはそれぞれ1ターンに1度だけ効果では破壊されない。
(2):自分の墓地の獣族モンスター3体を対象として発動できる(同名カードは1枚まで)。 そのモンスターをデッキに加えてシャッフルする。 その後、自分はデッキから1枚ドローする。

リッド「二枚も永続魔法を・・!」
ヘイグ「そしてカードを一枚伏せ、エンドフェイズ!
 『メルフィー・キャシィ』と『メルフィー・パピィ』は特殊召喚される!」

メルフィー・キャシィ 地 星2
獣族・効果
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合、 またはこのカードが相手モンスターの攻撃対象に選択された場合に発動できる。 このカードを持ち主の手札に戻す。 その後、デッキから「メルフィー・キャシィ」以外の獣族モンスター1体を手札に加える事ができる。
(2):自分エンドフェイズに発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。
ATK200/DFE200

メルフィー・パピィ 地 星2
獣族・効果
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合、 またはこのカードが相手モンスターの攻撃対象に選択された場合に発動できる。 このカードを持ち主の手札に戻す。 その後、デッキから「メルフィー・パピィ」以外のレベル2以下の獣族モンスター1体を特殊召喚できる。
(2):自分エンドフェイズに発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。
ATK300/DFE100

キャシィ「ニャンニャン☆」
パピィ「ワンワン☆」

 ヘイグのフィールドにぬいぐるみと見間違いそうなほど可愛らしい犬と猫が姿を現し、ヘイグのフィールドを所狭しと楽しそうに走り回っている。
 それだけ見れば可愛らしい姿なのだが、使用者はあのジョン・ヘイグだ。

ヘイグ「アヒャヒャヒャ、お前に地獄を見せてやるぜ、ターンエンドだ・・」
メル「なんだあのカード、凄くヘイグに似合わないカードだ・・!」
ルトー「『メルフィー』シリーズは単体ではあまり強くないが、他の獣族と混ぜる事でその真価を発揮する。
 でもあのいかつい奴が使うカードじゃないよなあ。世界観が違うって次元じゃないレベルで気持ち悪い・・まだグロテスクなモンスター使った方が安心出来るぜ・・」
リッド「私のターン・・ドロー!
 私は『聖騎士モルドレッド』を召喚!」

聖騎士モルドレッド 光 星4
戦士族・?通常?
ATK1700/DFE1000

メル「ぺっぺ、やっと酸を払えた・・。
 リッド、通常モンスターを出したみたいだけど・・なんか妙な表示だな」
ヘイグ(・・ははーん、奴の回復ギミックは『それ』か・・)
リッド「私は『聖騎士モルドレッド』を対象に装備魔法『聖剣カリバーン』を発動し、装備させる!」

聖剣カリバーン 装備魔法
戦士族モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。 また、1ターンに1度、自分は500ライフポイント回復できる。 フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、 自分フィールド上の「聖騎士」と名のついた 戦士族モンスター1体を選択してこのカードを装備できる。
「聖剣カリバーン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。 また、「聖剣カリバーン」は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在できない。

リッド「『聖剣カリバーン』を装備した事により、『聖騎士モルドレッド』の真のテキストが明らかになるわ!」
メル「え!?
 そのモンスターは通常モンスターじゃないの!?」
リッド「『聖騎士』モンスターは、『聖剣』カードを装備するまで通常モンスターとして扱われる騎士が幾つか存在する。
『聖騎士モルドレッド』もその内の一体!
 『聖騎士モルドレッド』は効果モンスターとなり、属性は闇になり、レベルは1上がる!」

聖騎士モルドレッド 闇 星5
戦士族・効果 
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、通常モンスターとして扱う。 (2):このカードが「聖剣」装備魔法カードを装備している限り、 このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードはレベルが1つ上がり闇属性になる。
●1ターンに1度、自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在しない場合に発動できる。 デッキから「聖騎士モルドレッド」以外の「聖騎士」モンスター1体を守備表示で特殊召喚し、 自分フィールドの装備魔法カード1枚を選んで破壊する。
ATK1700/DFE1000

 ATK1700→2200

リッド「更に『聖剣カリバーン』の効果を発動!1ターンに一度、私のライフを500回復するわ!」

リッド LP5800→6300

リッド「ヘイグ!
 あなたは確か『猛毒英雄』と呼ばれていたみたいだけど・・・・本場の英雄の強さを思い知らせてあげるわ!」
ヘイグ「アヒャヒャヒャ!
 面白い事を言うなあお嬢さん!
 なら、俺はその英雄が毒で死ぬ姿を楽しみにしておくぜ!」


続く

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