久しぶり?にジャワ日記を再開。
そーいえば前回書き漏らしてたけど、アンバラワからスマランを通りチェプへ向かう途中、日の暮れ頃に物凄い入道雲が・・・そして連続の稲妻と共に土砂降りの雨。あっという間に道路は水浸し・・・でも構わず車は走って行きます。丁度同じ日辺りで5000km離れた日本でも局地的集中豪雨で亡くなった人まで出たと帰国後に知った訳でして・・・・
8/29はPerusahaan Umum Kehutanan Negara Cepu(チェプ森林鉄道)
この写真、最初は写っている小屋の前で撮影してると、地元民の農業のオッサンが声をかけてきて(勿論、言葉は判らないけど・・・)、どーもあっちで写真が撮れる・・・ような事を言っているような・・・で、その教えてもらった場所に行って見て撮影したのがコレ。全く写真に縁の無い地元の農民からベストショットを教わった事に驚き
たぶん他の外国人も同じような位置で撮影してたんでしょうねぇ
森林鉄道と言っても日本の森林鉄道のような山深く分け入って渓谷沿いを走るようなものでは無く、田圃や畑の中を進み低い丘陵地を幾つも越えていくもので、林鉄からくるイメージとはだいぶ違います。ちょうど中国の森林鉄道の規模を縮めたような感じかな?
軌間は1067mm。インドネシア国鉄、日本のJR等と同じ幅ですが、車両規格はナローゲージ規格よりホンのチョッと大きくした程度。日本の大井川鉄道井川線のインドネシア版と言った所でしょうか。それでも今まで観て来た軽便規格のさとうきび鉄道の車両よりたいぶ大きく、レールも22kg/m(日本の国鉄は最低でも30kg/mレール)くらいと細い事もあり、より広い軌間に見えてしまいます。
現在は運材作業は行われておらず、チェプから30km程行った森林公園?までチャーターがある時のみの運転となっています。このチャーター料が高く、過去に近くに来た時もここには立ち寄らなかったのですが、今回はいろいろあってやっぱりチャーターしようと言う事になり、初めての訪問となりました。今回のジャワツアーを通して初めての場所はここだけなので期待ワクワクです。
チェプは石油が採れるそうで、精製工場らしいものが郊外に見えます。街中を進むと1067mm軌間の廃線跡が見えてきました。レールはそのままですが、その上に家が建っていたりグラウンドの『中』を突き抜けてたり・・・辿るように進んでいくとチェプ森林鉄道の機関庫に着きました。やはり昔はインドネシア国鉄と連絡していたようです。
7:30には到着したのですが構内は静か・・・8:00になってようやく人が現れ機関車に火入れをしてます・・・オイ、今から火入れかぁ
・・・と、インドネシア的時間の洗礼を受けます
圧力が上がるのに2〜3時間はかかるので構内を色々観る事に。全体に草生して廃線のように見えますが、草の背丈はせいぜいレールの高さまで。当地での本当の廃線はジャングルのようになってます。構内はだだっ広く本線がどれだかよくわかりません・・・どれもヨレヨレに錆びているので・・・
構内に保存されていた移動式ウインチ。何で斜めにしてあるのかな?
いちばんビックリした?のがコレ。機械工作室に入っている線路ですが、勿論本線と繋がっています。コンクリの防壁?を越えているもので、水害等を考えての防壁かな? でも線路が繋がってたら良いだろう・・・というものではないと思うんだけどぉ〜〜
ミシュラン気動車みたいな
モーターカーが。時間があったので押し出して撮影すれば良かった・・・と、帰国後に気付く・・・
機関庫の片隅に置かれていたカウキャッチャー?? こーゆーのを付けようとするのは万国共通のようで・・・
ヤメテクレ〜〜
同じようなモノを北海道の丸瀬布の保存鉄道で見た事があるなぁ
10時前頃、隣の小学校が休憩時間になったのか、子供が遊びに来ました。なんかボーイスカウトみたいで・・・ 手にしているジュース、パック入りもあるけど、普通のビニール袋に入れてストローで飲んでいるのもいました。
9時半を回ったくらいでようやく圧力が上がり燃料の薪の積み込み、給水が始まり10:40頃にようやく出発・・・が! 5分も行かないうちに推進で連結していた貨車が脱線!!
ジャッキアップさせる為に板バネ可動部に燃料の薪を割って鎹を挟み込み、動かないようにした状態。
幸い?機関車は後部だったので機関庫までジャッキを取りに戻り、復旧作業が終了して出発したのはもうお昼前・・・
デルタ線(跡)を利用して機関車を先頭に編成して、我々は一番後ろの貨車に乗車。
まるで映画のワンシーンのような後ろから見た様子。
貯木場(一応現役でした)を抜けると田圃やさとうきび畑の中を進みます。集落の中を抜けたり低い丘陵地のサミットを越えたり・・・今までのさとうきび鉄道とは、また雰囲気が全然違います。さとうきび鉄道に比べるとカーブも多く勾配もだいぶきついようです。
林の中などは、どこかで見た風景だなぁ・・・ああ・・・西武の安比奈線だ
フォトランを繰り返しながら終点に到着。
立派な?ホームまでありました。終点といっても線路は続いており、この先の線路はジャングルのような状態です。
帰りは乗車してる貨車のスグ前が機関車。機関士のヘルメットが旧ドイツ軍みたいなヘルメット(たぶんバイク用)を被っていたので、何とも面白い?風景が
そーいえば機関車も80年前のドイツ製だ
日もだいぶ傾いてきたので、こんな写真が撮れました。
そして日没・・・
しかし、この日の一番タイヘンな事はこれからでした。この日没の位置から機関庫まで、まだ10kmはあります。列車にはヘッドライト等の灯火設備が全くありません。日が暮れてしまうと無灯火状態で田舎の暗闇の中を列車が走る訳です・・・
そして最も恐れていた事が・・・あっちこっちに見えていた入道雲が頭上に広がり始め、ついにポツリポツリと・・・
貨車なので屋根なんかありません。速攻でカメラは片付けリュックにはレインカバーを、そして傘をさし・・・何度もインドネシアに来てますが傘さしは初めてです。暫くポツポツの雨でしたが間もなくバケツをひっくり返したような土砂降りに
が、幸いこの土砂降り状態は数分しか続かなかったので機材水没等は免れましたが、走行中の列車上ということもあり傘の直下以外、下半身はビショ濡れ
でも幸いパンツ水没までは免れました
この時ばかりは機関庫に止めてあった客車を連結してくればよかったと思った次第で。
暫くは小雨が降っているので傘をさしたまま乗っていますが、集落を通過する時などガキ共が指をさして笑ってます
ここでは少々の雨では濡れるのも気にしないんでしょうねぇ。でも我々は御カメラ様があるので、そーゆー訳には
真っ暗な中、機関庫に到着。機関車の火床を落としたりしている作業が火の粉が飛んで綺麗なのですが何せそれ以外は完全な暗闇、デジ一眼カメラは電力温存の為バルブ撮影は御法度、目に焼き付けで我慢です。いつの間にか空は星空になってました
久しぶりに南十字星も見れました。
そのまま次の目的地、マディウンの街へ。翌日は今回のインドネシアツアーの最終日です。
続く
赤道直下の冬の島 ジャワ記 9
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