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2018年08月01日11:30

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光岳　H30.07.30～31

昨年の9月に南アルプスの悪沢岳と赤石岳と聖岳を縦走した時に、行く事が叶わなかった光岳に登って来ました。これで漸く、北海道以外の百名山は全て登り終えた事になります。一応、利尻山は登っているので残す所は後8座です。来年には制覇したいと思っているのですが、他にも二百、三百名山をぼちぼちと、それに雪山への挑戦も続けて行きたいと考えています。

連日の猛暑を考えると、エアコンの効く車で行くのが正解なのでしょうが、拘りを持ってバイクで出掛けました。来年には恐らく新型の隼が発売される筈なので、乗り換えるまでに走行距離を伸ばして置きたいのです。なんてね。さて、夜中の1時半に家を出ると中央自動車道の飯田ICまで、そこから易老渡の手前の芝沢ゲートまでは55km位なので、意外にも近場ではあります。7:45から林道を歩き始めて1時間程で登山口である易老渡に行き着くと、遠山川に架かった小さな橋を渡ればここからつづら折れの急登が始まります。本日は前日の“逆走”台風一過に伴って猛暑が少し和らいだのか割と過ごし易いです。殆ど樹林帯なので余り日差しを受けないという事もありますが、時折り吹き抜ける涼風が心地好いです。気掛かりだったのは光岳小屋の食事を当てにしていたのに、50歳未満の方は素泊まりのみと橋に張り紙がしてあった事で、行動食しか持ち合わせていないので倹しい食事を強いられそうです。尤も荷物を極限まで削るプロの登山家に比べたら贅沢そのものと言えるのですが。

易老岳には12:10に登頂。後は稜線歩きとなるので楽そうです。三吉平から先のゴーロの谷筋は歩き甲斐があって、この辺りからはお花畑を目にする様になるので楽しめます。時期的にはハクサンフウロが一番目に付きました。静高平に至るとそこには水場があって、ここまで350mlのカフェオレだけで凌いでいたのでたらふく飲んで置きました。その美味かった事！ここは涸れている事が多いとあるのですが、前日の台風の所為か豊富に流れていました。ここから光岳小屋までは後15分程の行程です。

㊧　易老岳
㊨　水場から眺めた兎岳と聖岳

14:20に光岳小屋に到着。実はこのまま日帰りも考えていたのですが、雰囲気の良さそうなこじんまりとした山小屋と、管理人の御夫婦の人柄に惹かれるものがあって泊まる事にしました。素泊まりで3500円は安い！因みに寝袋代は1500円ですがセーターも持って来ていたのでケチりました。一先ず粗方の荷物を置くと、光石まで行く事を伝えて山頂を目指します。15分も掛からずに光岳山頂へ。ここは眺望が余り効かないのでどうという事はなくて、眺望を楽しむのであれば光岳小屋か、直ぐ近くのイザルヶ岳山頂からとなります。という事でここから10分ほど下った所にある、その山名の由来となった石灰岩の岩峰である光石へ。イザルヶ岳と共にここに登らなければ光岳登山の価値は半減してしまうでしょうね。ミヤマムラサキの見頃が過ぎてしまっていたのが残念ではありました。

17時からの夕食が終わる頃会いを見計らって自炊客（要するに50歳未満の方）が食堂に集まると、私はインスタントである300円のトマトヌードルと500円のハヤシライスを買い求めました。朝におにぎりを3つ食べた切りなので何とも倹しい食事です。小屋のおかみさんが熱湯を入れた状態でちゃんとお盆に乗せて持って来て下さったので、自然と「頂きます」の言葉が出ました。他の方はアルコールも入っており、話は尽きる事なく19時半の消灯まで和やかな時間を過ごす事が出来ました。

㊧　光岳山頂
㊨　光石からの眺め

スマホのアラームを鳴らさずとも3:40に起床。夜中に寒くてレインウェアも着込んでいたので、その儘の格好でイザルヶ岳を目指しました。他の方は小屋から御来光を拝むと見えて就寝中でした。4:05に登頂。日の出にはまだ早いのですが、振り返ると光岳の左脇で一際明るく輝いている赤い星は、明日に最接近するという火星ではないか！何とも得をした気分です。次第に朝焼けが広がって行き、一体どこから顔を出すのかと訝しく思っていると、山肌の一部が照り返しを受けて輝き出したと思ったその瞬間に、眩いばかりの光が忽然と現れたのでした。

360度のパノラマは、御来光の右手には紛れもない富士山、左手には茶臼岳、上河内岳、聖岳、兎岳、大沢岳の南アルプスの山並で、その左手には北アルプスと中央アルプスの山並、それに御嶽山が望まれます。それにしても槍ヶ岳は何処から見ても直ぐに目に付きますね。そして背後には光岳が間近に見えていて、この眺望を独り占めしているという事が格別に思われます。百名山巡りの一つの締め括りとして、これ程に恵まれた山行はないと思えたのでした。

㊧　イザルヶ岳から眺めた御来光
㊨　イザルヶ岳から眺めた光岳と光岳小屋

6時に小屋に戻って来ると、手早く荷物を纏めて管理人の御夫婦と別れの挨拶を交わしました。折角なのでおかみさんの自作という高山植物のピンバッジの中からハクサンフウロを選んで買い求めました。これは山好き（になるであろう）同僚へのお土産として。また次に来る機会があったら宜しくお願いしますと伝えると、おやじさんはそうそう来る様な山ではないからと笑っていました。確かに私も最後の後回しになっていたからな…。

小屋から15分程の水場で腰を下ろして朝食。ここで漸く持って来た行動食を口にしたのですが、ういろう3個とどら焼き1個と大福1個のみ。もちろん予備の分もあるのですが、この空腹感は悪くないですね。6:40に下山を開始、途中で追い越した方に「登りはそんなに強くないけど下りは得意なんです」と答えた通り、芝沢ゲートには10:15に辿り着きました。道中ではマウイジムの偏光グラスを通して見た木々の緑が余りにも美しくて、自然とサッチモの“What a Wonderful World”の歌が頭の中に流れていました。そして取り敢えずはここの看板に書かれてあったかぐらの湯までバイクを走らせて疲れを癒し、昼食は味噌カツ定食を摂ってから、暑い最中をバイクを飛ばして17時過ぎに帰宅しました。まだまだ猛暑が続くそうなのですが、今年は一体どうなっているのでしょうかね。