mixiユーザー(id:10857363)

2018年05月07日22:13

1217 view

透明駒源泉館(解答編)

 そもそも、この源泉館は「透明駒に興味はあるんだけど、イマイチよく分からない」という人のために作ったものです。できるだけ詳しく解説する心算ですので、是非読んでみて下さいね。
 透明駒の根本にある考え方、それは「着手の合法性」です。攻方・玉方とも将棋と詰将棋のルールを守っているという前提の元に、透明駒の正体を判明させていく訳です。
 尚、以下では透明駒をXで表記することにします。

(1)
フォト
ばか詰 3手(透明駒 1+0)

37金、17玉、27金迄3手詰。

 2手目17玉の時点で、「着手の合法性」から18に攻方の透明駒がいることが分かります。それは17への利きを持たない駒ですから桂か角ですが、もし桂だと初形で既に王手がかかっていることになりますね。従って18にいたのは透明角で、これで詰んでいます。


(2)
フォト
ばか詰 3手(透明駒 1+0)

X、16玉、17香迄3手詰。
余詰:19香、18合、同X迄3手詰。(吉岡、久保両氏から指摘がありました)

 初形で28に透明駒があることは明らか。そして、2手目16玉が可能であることから、初手は28香を26に動かす手だったことになりますね。
 しかし、本作は余詰がありました(この余詰順だと、28に透明飛があったことになりますね)。とりあえず、玉方19とを追加して修正図としておきます。 

(3)
フォト
ばか詰 3手(透明駒 1+0)

45角成、24玉、35馬迄3手詰。

 攻方には王手義務がありますから、初手で13に飛か龍がいることになり、2手目24玉で13飛が確定します。多分、今回の7作の中で最も易しかったのではないでしょうか。
 ちなみに、36歩を玉方11歩に代えると、41角成、22玉、23飛成迄の3手詰になりますが、どちらがマシかは微妙なところ(笑)。


(4)
フォト
ばか詰 3手(透明駒 1+0)

X、13玉、23歩成迄3手詰。

 2手目13玉から、初手は25にあった透明歩を24と突く手だったことが分かりますね。13玉と指した時点で24に歩があることが確定しますから、3手目は23歩成と指すことが可能になります。


(5)
フォト
ばか詰 3手(透明駒 1+1)

28金、29飛、X迄3手詰。

 ここからは、透明駒が合わせて2枚になるので、少し難しくなります。まず、初手28金が王手であることから、49〜99のどこかに攻方透明飛(龍)があることになりますね。これに対し玉方も飛合をすると、飛が売り切れ。従って、3手目の透明駒の着手は金以外なく、これで詰が証明できます。(飛の可能性があると、4手目に18合とされて逃れ。また、29以外に飛合をすると、4目手29飛成で「29に透明金を打った」と主張されてしまいます)
 尚、3手目も透明駒の着手であることから、初手28金で玉方透明駒を取っていることが示されています。この辺のロジックは、最初は感覚的に分かり難いかもしれませんね。


(6)
フォト
ばか詰 3手(透明駒 1+1)

17角、29角、X迄3手詰。

 全く同様の論理なので、(5)が理解できた人にはこれは易しかったでしょう。こちらでは2手目29角により角が売り切れてしまうので、3手目の透明駒は銀に限定されます。
 尚、(5)の飛を完全に角に置き換えた図もあり、例えば36香/13歩、14玉、15と、24歩で持駒なしのようになりますが、盤面枚数が2枚も増えてしまうのでこの案はボツにしました。

(7)
フォト
ばか詰 3手(透明駒 1+1)

X、14角、X迄3手詰。

 2手目角合により、初手は飛または香による王手だったことが分かりますね。更に3手目--Iとすることで、初手が玉方の透明駒を取る手だったこと、及び3手目が23桂だったことも証明できます。(出題図において攻方の透明駒は1枚しかないので、2手目には必ず先手玉に逆王手が掛かっています)
 同じようでも、X、12飛、X迄3手詰?は4手目22飛とされて詰みません。何故なら、この場合初手から13龍、12飛、22龍とした可能性があるからです。
 今回の7題の中では、これが一番マシかなと思っています。

--------------------------------------------------------

 解いてみた方はお分かりと思いますが、これらの7題では飛〜歩の7種類の透明駒が手順中に判明しています。つまり、「『3手のばか詰』という縛りで、歩から飛までの7種の透明駒を手順中に判明させよ」というのが、今回のミッションだった訳です。
 実際にやってみると、(手順の質を考慮しなければ)いずれも盤面枚数4枚以内で可能だということが分かりました。恐らく、今回4枚かかってしまった駒(歩と香ですね)も、3枚以下で実現可能なのではないかと予想しています。近々「やはり3枚以下でできましたよ」という人が現れてくれることを期待しつつ、今回の「透明駒源泉館」はこれにて閉館としたいと思います。お付き合い頂き、有難うございました!

1 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する