mixiユーザー(id:9724239)
2018年04月20日16:48
844 view
GW前の涸沢（穂高連峰） H30.04.18〜19
 |
今年は4月17日に県道上高地公園線の冬季閉鎖が解除されたのですが、実にタイミング良くその翌日からの3連休とあって、しかも初日の午後から中日に掛けては絶好の登山日和となっていたので、北穂高岳に登ろうと考えました。この時期はまだ山小屋も営業しておらず、果たしてどれだけの登山者が入っているのか判らないのですが、出来れば混雑するGWより前にとは考えていました。しかし事前に調べた限りでは今の自分の技術で登れるのかどうかは未知数ではあるし、恐らくは登り始めたら止まらないだろうなとの思いもあったので、無事に帰って来られる事だけを願っていました。
夜勤明けの夕方より雨が降り続いていて、現地でも翌日の昼頃までは雨予報となっていたので、車で家を出たのは3時頃で、東海北陸自動車道の飛騨清見ICからは国道158号線を延々と走り続けて平湯駐車場まで、7時半に辿り着きました。生憎の雨模様とあって車内で仮眠しながら待機、10時半に漸く雨が上がったので10:50のシャトルバスに乗り込んで上高地を目指しました。実は私にとっては上高地を訪れるのは13年振りで2回目となるので、横尾辺りまでは何もかもが懐かしい風景ではありました。以前と違うのは、明神池までは観光客（その殆どは東洋系の外国人）が何人か居たものの、その先には小屋周辺で営業再開に向けて関係者が立ち働いている以外に人気がなくて、登山者が（本より人が）私以外には誰も居なかった事と、夏道が所々雪に埋もれていた事でした。横尾大橋を渡ると夏道は部分的にしか現れておらず、更に行くと横尾谷は所々が崩壊した雪渓となっていて、本谷橋（まだ架設されてはいなかったが）から先はトレースが全くない白銀の世界となっていたのでした。
雪渓の上を歩くのは嫌らしかったので、本谷橋の先で右岸を直登して、夏道と同じくトラバースする事を選んだのですが、滑落の危険性はなかったものの、雪崩を誘発する恐れがあるので本来は取ってはいけないコースなんでしょうね。しかし雪質の状態や傾斜角度やデブリの跡等を鑑みて、私は安全と判断しました。因みに本日の行程ではストックと壺足のみで通しており、本谷橋までは踏み抜きが多くて厄介ではありました。本当は今日中に涸沢まで行く積りであったのに、間に合いそうもなかったのでテントの設営に適した場所を探していたのですが、雪崩や落石に遭わない所という事で、私が選んだのは樹林帯の中でも特に幹の太い木の傍だったのでした。テントを張っている間に辺りは急激に薄暗くなって来ました。
思い返せば積雪の上にテントを張るのは、H18年6月に八ヶ岳を縦走中に、指定地以外でビバークする必要に迫られて、なるべく人目に触れない様に登山道から少し離れた残雪の上を選んで以来となります。又、その年の3月には、大峰山の縦走中に稚児泊でテントを張っていた所、夜半から雪が降り始めて撤退を余儀なくされたという事がありました。実はこの時の経験が雪山を長い期間に亘って遠ざける原因となったのですが…。私が百名山を意識して登り始めたのがH17年9月の槍ヶ岳と10月の穂高連峰であった事を考えると、13年も掛けて漸くここまで来たのだという事に深い感慨を覚えます。
今回は水に関しては現地調達としていたので、ザックの重さは18kgに抑えられていました。よって夕食の支度には先ず近場の奇麗な雪を集めて融かす必要がありました。時間を掛けた夕食を終えてテントの外に出て見ると、月のない満天の星空で、雪に覆われた全景が青白く浮かび上がっており、これならばライトがなくても登山が出来そうに思われました。そして「蛍雪」という言葉がありますけど、その通りなんだなと実感したのでした（因みに蛍の光でも書物が読めます）。22時頃に就寝。
�茵〔誠醒�
�蕁ー�林帯でテント泊
翌日は4時過ぎに起き出すと、先ずはテルモスに熱いココアを入れてから、義務的な朝食を済ませました。私は行動食はなるべく摂らない主義なので、この時にしっかりと腹に詰め込んで置きます。既にテントの外は明るくなっており、アイゼンを履いて外に出て見ると正に絶好の登山日和だったのでした。テントは張って置いて余分な荷物は残した儘で、アタックザックを担ぐと6:00に涸沢に向かって出発、歩き出して早々にアイゼンは必要ない事に気付いたのですが、面倒なのでその儘で通しました。雪渓をトラバース気味に進んで行くと、所々でデブリの末端を通る事となり、そうした雪崩の様相を具に観察していました。間もなく目前には涸沢ヒュッテの建つ高台と共に穂高連峰が全容を現し始めて、その圧倒的な光景に酔い痴れていました。その内に涸沢ヒュッテに数人の人影を認めて、トレースはなかったしそれに何故に登り出そうとしないのかと不審に思っていたのですが、涸沢ヒュッテに辿り着いて早速話し掛けて見ると、営業準備を進める小屋の関係者達だったのでした。話によると、16日にヘリで入山してから登山者は全く見掛けなかったし、昨日はこの辺りでも5cm程の雪が降り積もったとの事でした。その方から何処まで行くのかと問われたので、私は1人ではリスクが高過ぎるので少しだけ様子を見て直ぐに戻って来ると伝えて、折角なので登頂する際のコース取りについても話を伺って置きました。そして結局はこの様な山行となってしまったものの、全てに於いて最善の選択をしている事に気付かされたのでした。
�茵±疎凜劵絅奪討�ら前穂高岳を望む
�蕁±疎凜劵絅奪討�ら奥穂高岳を望む
�茵±疎凜劵絅奪討�ら涸沢岳を望む
�蕁±疎凜劵絅奪討�ら北穂高岳を望む（手前に涸沢小屋）
涸沢小屋の直下までは壺足でも全く問題はなかったのですが、そこからの傾斜では途端に太腿まで雪に埋まる様になったので、膝で雪を押し固める様にして四つん這いになりながらラッセルして登って行きました。途中から流石に埒が明かないと思われたのでワカンに替えたのですが、そこからは膝下15cm位のラッセルで済むようになったので、これ程に違うものなのかと実感しました。それと喉が渇くと途中途中でその場の雪を口に含んでいたのですが、その美味しかった事！シロップを掛ければ忽ちカキ氷の出来上がりですね。そしてデブリの際を登り詰めながら、これ以上登ってしまうと登頂したくなってしまうと思われたので早々に撤退を決めたのでした。来月の連休にリベンジしたいと思います。
�茵±疎凜劵絅奪討繁免�根（前穂高岳と2峰〜5峰）
�蕁，海海覗瓩�も撤退
9:50にテントに戻って来ると、最初の計画では北穂高岳に登った後にここでもう一泊する積りであったものの、時間はまだ早いし明日の天候がC評価となっていたので、テントを片付けてこのまま帰る事にしました。テルモスに入れたココアを飲み干すと11:10に下山を開始、帰路でも登山者に（本より人に）出会ったのは横尾と徳沢の間で僅かに1組のカップルしか居なくて、装備を見ても何処まで行く積りなのか定かではありませんでした。16:35に河童橋に辿り着くと、長い行程に疲れ切っていたので念願のコカ・コーラで喉の渇きを癒したのですが、これはもう格別ですね。そして最終の17:00のシャトルバスに乗り込んで上高地を後にしたのでした。
�茵ゝ∀�、横尾谷から南岳を望む
�蕁＿脇原兇�ら穂高連峰を望む
結局は北穂高岳には登れなかったものの、最高の山行を楽しむ事が出来た様に思います。今後もこの憧れの聖地を心行くまで堪能する為にも、先ずは無事に帰って来る事が肝要ですね。その後はひらゆの森で温泉に入ったりして21時まで過ごしてから家路に就きました。途中、ひるがの高原SAで車中泊、翌日は立山に行こうかと最後まで悩み続けていたのですが、単独行動という事もあって雪崩ビーコンは携帯していないので、どうせ立山には登れないのだからとやはり帰る事にしたのでした。11:30に帰宅。あっ、でもダブルアックスは欲しいかもです。
…と言うかその前に、自分だけではなくて相手の事も考えて、やはり雪崩捜索に必要な三種の神器は携帯すべきではないのかと思い直してもいます。つまりはビーコン、ゾンデ、スコップの事ですね。
折角なので動画でも上げて置きますね。涸沢ヒュッテから眺めた穂高連峰です。
https:/
夜勤明けの夕方より雨が降り続いていて、現地でも翌日の昼頃までは雨予報となっていたので、車で家を出たのは3時頃で、東海北陸自動車道の飛騨清見ICからは国道158号線を延々と走り続けて平湯駐車場まで、7時半に辿り着きました。生憎の雨模様とあって車内で仮眠しながら待機、10時半に漸く雨が上がったので10:50のシャトルバスに乗り込んで上高地を目指しました。実は私にとっては上高地を訪れるのは13年振りで2回目となるので、横尾辺りまでは何もかもが懐かしい風景ではありました。以前と違うのは、明神池までは観光客（その殆どは東洋系の外国人）が何人か居たものの、その先には小屋周辺で営業再開に向けて関係者が立ち働いている以外に人気がなくて、登山者が（本より人が）私以外には誰も居なかった事と、夏道が所々雪に埋もれていた事でした。横尾大橋を渡ると夏道は部分的にしか現れておらず、更に行くと横尾谷は所々が崩壊した雪渓となっていて、本谷橋（まだ架設されてはいなかったが）から先はトレースが全くない白銀の世界となっていたのでした。
雪渓の上を歩くのは嫌らしかったので、本谷橋の先で右岸を直登して、夏道と同じくトラバースする事を選んだのですが、滑落の危険性はなかったものの、雪崩を誘発する恐れがあるので本来は取ってはいけないコースなんでしょうね。しかし雪質の状態や傾斜角度やデブリの跡等を鑑みて、私は安全と判断しました。因みに本日の行程ではストックと壺足のみで通しており、本谷橋までは踏み抜きが多くて厄介ではありました。本当は今日中に涸沢まで行く積りであったのに、間に合いそうもなかったのでテントの設営に適した場所を探していたのですが、雪崩や落石に遭わない所という事で、私が選んだのは樹林帯の中でも特に幹の太い木の傍だったのでした。テントを張っている間に辺りは急激に薄暗くなって来ました。
思い返せば積雪の上にテントを張るのは、H18年6月に八ヶ岳を縦走中に、指定地以外でビバークする必要に迫られて、なるべく人目に触れない様に登山道から少し離れた残雪の上を選んで以来となります。又、その年の3月には、大峰山の縦走中に稚児泊でテントを張っていた所、夜半から雪が降り始めて撤退を余儀なくされたという事がありました。実はこの時の経験が雪山を長い期間に亘って遠ざける原因となったのですが…。私が百名山を意識して登り始めたのがH17年9月の槍ヶ岳と10月の穂高連峰であった事を考えると、13年も掛けて漸くここまで来たのだという事に深い感慨を覚えます。
今回は水に関しては現地調達としていたので、ザックの重さは18kgに抑えられていました。よって夕食の支度には先ず近場の奇麗な雪を集めて融かす必要がありました。時間を掛けた夕食を終えてテントの外に出て見ると、月のない満天の星空で、雪に覆われた全景が青白く浮かび上がっており、これならばライトがなくても登山が出来そうに思われました。そして「蛍雪」という言葉がありますけど、その通りなんだなと実感したのでした（因みに蛍の光でも書物が読めます）。22時頃に就寝。
�茵〔誠醒�
�蕁ー�林帯でテント泊
翌日は4時過ぎに起き出すと、先ずはテルモスに熱いココアを入れてから、義務的な朝食を済ませました。私は行動食はなるべく摂らない主義なので、この時にしっかりと腹に詰め込んで置きます。既にテントの外は明るくなっており、アイゼンを履いて外に出て見ると正に絶好の登山日和だったのでした。テントは張って置いて余分な荷物は残した儘で、アタックザックを担ぐと6:00に涸沢に向かって出発、歩き出して早々にアイゼンは必要ない事に気付いたのですが、面倒なのでその儘で通しました。雪渓をトラバース気味に進んで行くと、所々でデブリの末端を通る事となり、そうした雪崩の様相を具に観察していました。間もなく目前には涸沢ヒュッテの建つ高台と共に穂高連峰が全容を現し始めて、その圧倒的な光景に酔い痴れていました。その内に涸沢ヒュッテに数人の人影を認めて、トレースはなかったしそれに何故に登り出そうとしないのかと不審に思っていたのですが、涸沢ヒュッテに辿り着いて早速話し掛けて見ると、営業準備を進める小屋の関係者達だったのでした。話によると、16日にヘリで入山してから登山者は全く見掛けなかったし、昨日はこの辺りでも5cm程の雪が降り積もったとの事でした。その方から何処まで行くのかと問われたので、私は1人ではリスクが高過ぎるので少しだけ様子を見て直ぐに戻って来ると伝えて、折角なので登頂する際のコース取りについても話を伺って置きました。そして結局はこの様な山行となってしまったものの、全てに於いて最善の選択をしている事に気付かされたのでした。
�茵±疎凜劵絅奪討�ら前穂高岳を望む
�蕁±疎凜劵絅奪討�ら奥穂高岳を望む
�茵±疎凜劵絅奪討�ら涸沢岳を望む
�蕁±疎凜劵絅奪討�ら北穂高岳を望む（手前に涸沢小屋）
涸沢小屋の直下までは壺足でも全く問題はなかったのですが、そこからの傾斜では途端に太腿まで雪に埋まる様になったので、膝で雪を押し固める様にして四つん這いになりながらラッセルして登って行きました。途中から流石に埒が明かないと思われたのでワカンに替えたのですが、そこからは膝下15cm位のラッセルで済むようになったので、これ程に違うものなのかと実感しました。それと喉が渇くと途中途中でその場の雪を口に含んでいたのですが、その美味しかった事！シロップを掛ければ忽ちカキ氷の出来上がりですね。そしてデブリの際を登り詰めながら、これ以上登ってしまうと登頂したくなってしまうと思われたので早々に撤退を決めたのでした。来月の連休にリベンジしたいと思います。
�茵±疎凜劵絅奪討繁免�根（前穂高岳と2峰〜5峰）
�蕁，海海覗瓩�も撤退
9:50にテントに戻って来ると、最初の計画では北穂高岳に登った後にここでもう一泊する積りであったものの、時間はまだ早いし明日の天候がC評価となっていたので、テントを片付けてこのまま帰る事にしました。テルモスに入れたココアを飲み干すと11:10に下山を開始、帰路でも登山者に（本より人に）出会ったのは横尾と徳沢の間で僅かに1組のカップルしか居なくて、装備を見ても何処まで行く積りなのか定かではありませんでした。16:35に河童橋に辿り着くと、長い行程に疲れ切っていたので念願のコカ・コーラで喉の渇きを癒したのですが、これはもう格別ですね。そして最終の17:00のシャトルバスに乗り込んで上高地を後にしたのでした。
�茵ゝ∀�、横尾谷から南岳を望む
�蕁＿脇原兇�ら穂高連峰を望む
結局は北穂高岳には登れなかったものの、最高の山行を楽しむ事が出来た様に思います。今後もこの憧れの聖地を心行くまで堪能する為にも、先ずは無事に帰って来る事が肝要ですね。その後はひらゆの森で温泉に入ったりして21時まで過ごしてから家路に就きました。途中、ひるがの高原SAで車中泊、翌日は立山に行こうかと最後まで悩み続けていたのですが、単独行動という事もあって雪崩ビーコンは携帯していないので、どうせ立山には登れないのだからとやはり帰る事にしたのでした。11:30に帰宅。あっ、でもダブルアックスは欲しいかもです。
…と言うかその前に、自分だけではなくて相手の事も考えて、やはり雪崩捜索に必要な三種の神器は携帯すべきではないのかと思い直してもいます。つまりはビーコン、ゾンデ、スコップの事ですね。
折角なので動画でも上げて置きますね。涸沢ヒュッテから眺めた穂高連峰です。
https:/
3
0
最近の日記
- 【Sea Salt & Paper】 ブルーノ・カタラ ＆…
2024年03月02日18:06
- 粟鹿神社、伊和神社 R06 (2024) .02.27
2024年02月28日00:43
- 出雲大神宮、籠神社、成相寺 R06 (2024) .…
2024年02月23日23:20
- 坐摩神社 R06 (2024) .02.20
2024年02月20日17:04
- 蟹満寺、萬福寺、清凉寺 R06 (2024) .02.1…
2024年02月20日00:07
ログインしてコメントを確認・投稿する