膣から超音波を入れて卵巣を観察しながら、長ーい針で卵巣を刺す。
卵巣内の卵子は1ミリしかなくやみくもに刺しても取れないので、
「排卵誘発剤」を打つ。
排卵誘発剤を打つと、卵巣内の未成熟卵子が成熟しはじめるんだが、
通常の月経周期だと数個の卵子は成熟に向かっても
最終的にきちんと成熟するのは1個、せいぜい2個。
成熟卵子ってのは、ぷーっと3から5センチにふくれた水の袋に包まれていて、
この袋が「ぱちん」とはじけると卵子がびゅっと外に飛び出す仕組みだけど、
この袋を、先ほど説明した「長ーい針」で刺して水ごと中の卵子を吸い取るんだね。
これが「採卵」と呼ばれる作業。
通常排卵では1個か2個しかできない成熟卵子だけど、
排卵誘発剤を打つと、薬の量により数個から十数個できてくる。
膣から針を刺す行為には痛みもあれば、
卵巣以外の臓器を刺し貫いてしまう危険性もあるので
(血管刺しておなかの中大出血とか腸を刺してあとで腹膜炎とか)
一度の採卵で数個の卵子を取るのがふつう。
でも、十数個となると、卵子をとったあとで卵巣がすごくでっかく
(ふつう2センチくらいの薄平たい臓器が直径10センチ以上に膨れ上がる)
なってしまい、「卵巣過剰刺激症候群」という、場合によって命に関わる状態になってしまう。
こうならないように誘発剤の量を調節するけど、
何回か誘発しているならともかく、生まれてはじめて誘発剤を使う場合
「その薬にどれだけ敏感に反応するか」はわからない。
個人差はとても大きく、絶対に安全な量は本当に不明。
…というわけで、上記さまざまな危険性があるのが「卵子保存」なんだけど、
ココロの底から子供がほしくて不妊治療の結果「採卵して体外受精」しか道がない、
とわかっているなら命がけでも危険覚悟でも採卵受けようって気になるだろうが、
将来こども生むかどうかもわからないのに「とりあえずとっとく?」みたいな
そんな気持ちで受けるもんじゃ、ないっすよ。
■千葉・浦安市、卵子凍結研究への助成終了へ 29人参加
(朝日新聞デジタル - 02月08日 11:30)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4978063
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