つまり素人さんによる帝王切開だな

すげーなー。
タイトルだけ読んだときは、怪しい宗教のいけにえかなんかに胎児を、とか思ったけど、
「女の子がほしいから」が理由っつーのがすごい。
もし超音波かなんかで生まれる前に性別がわかっても、家族以外には言わないほうがいいかも。
それはともかく、よく生きて胎児を出せたよね。しかも無傷で。
帝王切開がけっこう難しい手術なのは、
まずおなかがぱんぱんにでかくなっているので、
おなかの皮だけ切ろうとして子宮まで傷つけることがあること。
この犯人の方々は別に子宮まで切ってもいい（母親が死ぬのはかんけーない）だろうが、
子宮に穴が開いてしまうと中の羊水が流れ出して
子宮内環境が急激に悪化するので、
とっとと胎児を取り出さないと死ぬことがあります。
ワシら、子宮を開いてから赤ん坊を泣かせるまで１分くらいでやりますのでね。
万が一のときは小児科医もいるしさ。
それから、子宮を切って赤ん坊を出すときも、
赤ん坊は生きて動いてますからね、赤ん坊を切ってしまうことがあります。
実際、生まれたあとの赤ん坊に「明らかな切り傷」があることは、
よくあるわけじゃないけどたまに見ますね。
赤ん坊は皮膚の治りがものすごくいいから傷跡も残さず数日で治るけど、
そりゃ傷が浅いからでね。
子宮の壁は、メスで最低でも３度くらいに分けて切るのよ。
浅く浅く数回に分けると傷がだんだん開いて真ん中が薄くなっていって、
最終的には刃物使わず指でぽこんと穴あけて子宮壁を「引き裂く」のです。
これが一番赤ん坊にやさしい取り出し方なのよ。
シロウトさんじゃそんなこと知らないだろうから、思い切り子宮を切ったと思うが、
よかったよ、赤ん坊がまっぷたつにならなくて。

追記：
この事件と全く関係ないけど思い出したのでついでに書く。
むかーしね、こどもできたけどおろすお金ないしもうおろせないって言われた。
誰かおろしてくれないかなー、ってネットに書いたら
「じゃあ自分がやります」と言ったかどうかわかんないけど
そういう人間が出現、喜んで家に呼んだまではいいけど、
そいつは医者でもなんでもない、ただの医療マニアキチガイで、
麻酔もしないで妊婦のおなかを傷つけ、腸管の一部を切って
「はいおろしました」といなくなった。
妊婦はあまりの痛さと出血止まらないので救急車を呼びました。
大学病院に搬送されて、浅く切れてた子宮壁を縫い、
切れた腸管をつなぎ、腹の皮を縫う大手術。
そう、大手術です。
原の皮塗ったあとは大小とりまぜて４か所はあったからね。
もちろん本人は命が助かり赤ん坊も無事でした、子宮壁の傷が浅かったから。
え？なんでそんな詳しく知っているかって？
そりゃその妊婦は、その後もどこにも妊婦健診に行かないで、
ワシの勤務先にいきなり「陣痛がきたみたい」って受診したからです。
あーあ。
バカはどこまでいってもバカということ。
「素人の帝王切開はうまくいかないのがふつう」という例として出してみた。

妊婦を殺害し胎児を奪う、ブラジルの男女を逮捕
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=4827749