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2017年10月18日21:52

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Retros on weekends(30)

(29)Philippe Leroy(Europe Echecs 373 10/1990)
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局面をほぐせ(12+14)

 なくなった駒は白がBPPPの4枚で、黒はSPの2枚。白はPf7で黒Sを取っていることが明らかだ。すると、白に残された駒取りはあと1枚だけなので、b-d筋の白Pが黒Pとすれ違う為には黒の方が少なくとも2枚駒取りをしなくてはならないことが分かる。このb-d筋における黒Pの駒取りはいずれも白桝だが、白の取られたBは黒桝のもの。このことから、g-h筋の白Pは2枚とも成っていることになる。すると、g筋の白Pがh筋の黒Pを取ってh8で成ることになるので、これで白側の駒取りは尽きている。従ってb-d筋の白Pは全て直進しており、結局a-b筋及びc-d筋でそれぞれ黒によるcross captureがあったことが判明した。黒側の駒取りもこれで尽きている。

 では、以上の情報を元に逆算手順を考えてみよう。まず、序の2手は必然で、Retract:1.Sa8-b6+ Qa7-a6+となる。

(図1)
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 ここから、如何にして左上の塊をほぐし、双方のKを解放するかが問題。よく考えれば分かるように、その方法は黒Rb5の状態にしておいて Kb6-c6 Ra5-b5+ Rc6-c7+...とするしかない。勿論、現在の状態では黒Qがいるのでこの逆算は不可能だが、白Sa8の成りを戻すことでスペースが生まれれば、黒Qをb6への利きがない場所に移動させることが出来る筈だ。
 だが、このまま素直にRb5-a5 Qa5-a7としてPa7-a8=Sとは戻せないことも明白。ここは少し工夫が必要だ。

2.--- Rb5-a5 3.--- Qa5-a7 4.--- Ba7-b8 5.--- Bb6-a7 6.--- Qa7-a5
7.--- Qb8-a7

(図2)
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 このように、予め黒Qと黒Bの位置を変更する準備工作をしておこう。これからなら、白Sの成を戻して狙い筋に入れるのではないか。では実際にやってみよう。

8.Pa7-a8=S Qa8-b8 9.Pa6-a7 Ba7-b6 10.--- Bb8-a7 11.Kb6-c6 Ra5-b5+ 12.Rc6-c7+ ???

(図3)
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 このように、白がRc6-c7+と戻した瞬間に、黒がretro-stalemateに陥ってしまった。だが、この解決策は簡単で、白がQとRの成を戻すことで黒Pをuncaptureしておけばよい。白が黒Pをh6に発生させるには最低7手かかるが、黒は必要ならばRかQを往復させることができるので、手詰まりになる心配はない。この場合、例えば8.0手で以下のような図が得られる。

(図4)
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 ここから、9.Pa7-a8=S Qa8-b8 10.Pa6-a7 Ba7-b6 11.Ph4-h5 Bb8-a7 12.Kb6-c6 Ra5-b5+ 13.Rc6-c7+ Ph7-h6とすると、次図になる。

(図5)
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 黒の待ち手が生じたので、以下 14.Sc7-e8 Rh8-d8とすれば、双方とも手に困ることはなくなる。

この後は、白Sをb5経由で解放し、続いて白Kc7-b6としてe8迄連れて行けば(黒Rの利きは白Sで遮断しておく)、黒Bb8をf8に戻すことができる。
そしてPe7-e6 Pe6xSf7として、白Kも解放する。その後の手順は容易である。

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(30)Andrej N. Kornilow(Die Schwalbe 122 04/1990)
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合法な局面になるように駒を色分けせよ (29+0)
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