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2017年03月18日21:33

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Retros on Weekends(10)

(9)Gianni Donati(Thema Danicum 121, 01/2006)
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Proof Game in 24.0 moves(12+16)

1.d3 h5 2.Bf4 Sh6 3.Bd6 exd6 4.Sc3 Qg5 5.Qb1 Qc1+ 6.Sd1 g5 7.a3 Bg7 8.Qa2 Bxb2 9.Qc4 f6 10.Qg4 Kf7 11.Sf3 Re8 12.Sd2 Re3 13.Sb1 Rh3 14.e3 Kg6 15.Be2 Sf7 16.Bf3 Sh8 17.Bc6 dxc6 18.0-0 c5 19.Sdc3 Sc6 20.Qd1 Bg4 21.Kh1 Be2 22.f3 Bxf1 23.Se2 g4 24.Sg1 Kg5

 まずは手数計算をしてみよう。黒は24手ちょうどで、逆に白はたったの8手。(キャスリングしているので、Sg1は少なくとも2手動いている)又、無くなった駒は白がBBRPで、黒側に取られた駒はない。黒はc筋とd筋でPによる駒取りがあり、これはいずれも白Bを取ったであろうことが容易に想像できる。すると、駒取りがあった箇所はc6とd6だ。更に、黒Rh8の軌跡はh8-e8-e3-h3となるので、このRがh3に収まるまで白はe/f筋のPを突くことができない。
 以上を前提にして白の序を考えると初手からd3-Bf4-Bd6が必然であり、 これをexd6とした後の黒の動きは
(1)Qをc1に入れる
(2)Pg5としてからBf8をg2に持っていく
(3)f6を突いて、Kf7とする
(4)Rh8をh3まで持っていく
となることもすぐに分かる。黒Rが通り過ぎると白はやっとe3とすることができ、これでBf1をc6に捨てることができるようになる。これが大まかなストーリーだ。しかし、ここで作者の設定した謎に突き当たる。白はBをe6に捨ててから黒Rがh3に来るまでの間、一体何をしているのだろうか?

 B2枚を捨てるのに合わせて5手かかることを考慮すると、白に残された手数は11手。つまり、白にはこの間にtempo moveが必要な筈である。そして、tempoを失うことができる駒はKかQのみ。しかし、白が4手目からKd2-Kc3とした場合、このKが再び白の陣に戻るのは不可能である。すると残ったのはQだ。しかし、普通に手を進めたらQc1にピンされてしまう白Qを、どうしたら解き放つことができるのだろうか?その答えがSc3-Qb1-Sd1だ!
 Sを身代わりにpinさせておいてQでtempo moveをするとは、何という奇抜なアイデアであろうか。Sのposition changeも副産物として加わって、謎解きのロジックが楽しめる、実に内容の濃い作品になっている。

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(10)Nikita M. Plaksin, Alexander Kislyak(Europe Echecs 1987, 3rd Com.)
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局面をほぐせ(15+10)

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