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2017年03月09日22:21

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「カピタン」研究(94)

 例によって、チェスプロブレム作家の志向は更にエスカレートする。次の問題は3通りの「紛れ筋」で循環形式を描いたものである。

(G)Cor Goldschmeding
Probleemblad 1960, 1st Prize
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#2(9+11)
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(紛れの各手は何れも2.Qb3#が狙い)

正解=1.Sd4!(2.Qb3#が狙い。1...Qf7/Ka4なら2.Sc2/Sc5#)
上のように応手x,y,zと詰手A,B,Cを表にすると、作者苦心のパターンが判る。

 次の例題はロシアの生んだ名手Loshinskiの作品で、希にみる名作と云われている。それは作品がZagoruykoのテーマ(前項を参照)を表現しながら、Cyclic-patternを表現し、しかも「紛れ」も本手順も冴えているからである。

(H)Lev Loshinsky, Viktor Chepizhny
Olympia-Turnier 1960, 1st Prize
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#2(14+8)

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 正解の1.Qe6も妙手だが、紛れの1.Qb7?(1...Re4で逃れ)も1.Qg4?(1...Bd5で逃れ)もそれぞれ妙手で、だまされても満足しそうな(?)作品である。そしてそれがZagoruykoのテーマを表し、しかもCyclic-patternとは!(欲を言えば、(d)(e)(f)の箇所が(C)(A)(B)なら…)尚、初手は何れも2.Pd7#が狙いである。

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