(5)Werner Keym (Die Schwalbe 1 10/1969)
#1 b)Sd8→R (14+12)
まずはa)から考えてみよう。なくなった駒は白がRSの2枚で、黒はBSSPの4枚。白の駒取りはb筋で2枚、Pd7で2枚の計4枚。黒はa筋のPによるものが1枚と、h筋の黒Pがg1で成るために1枚。双方ともこれで駒取りは尽きている。
直前の黒の着手はPc5を戻す手しかないが、もし-1...Pc6-c5なら、以下-2.Qc7-b6+ Pb6xSa5 -3.Be4-f3 Kh1-g1 -4.Bd3-e4+...と戻すことになる。
(a-1)-1...Pc6-c5の場合の逆算局面
さて、ここから左上の塊をほぐすにはどうしたらよいだろうか。ここで白Sd8に着目すると、これを解放するには黒がPe7-e6と戻すしかなく、その為には白はPb5で黒Bの取りを戻すしかない。つまり、白がb4で黒Bをuncaptureし、これをf8に戻してからPe7-e6ということになるが、するとこの後どう頑張っても黒Rをh8へ持っていく手段がない!つまり、-1...Pc6-c5という逆算はillegalである。
従って、黒の最終手は-1...Pc7-c5ということになる。この場合は-2.Qc6-b6+ Pb6xSa5と戻すことになるが、この局面では白Kが動く以外に黒の逆算手を作る手段がない。(Qc6とBf3でラインがダブっていることに注意!)
(a-2)-1...Pc7-c5の場合の逆算局面
以上より、白はen passantできるが、castlingは不可ということになり、作意は1.Pxc6 e.p.#となる。
a)とは逆に、b)ではPc6-c5の逆算が可能になる。a)での逆算手順と同様に戻すと以下の局面になるが、ここからRd8,Qc7を移動してPc7-c6と戻し、更にPc6xSb7 Sc5-b7...とすれば左上をほぐすことができ、Rをh8に戻すことができるからである。
(b-1)-1...Pc6-c5の場合の逆算局面
従って、b)ではen passantは不可能だが、castlingが可能となり、作意は1.0-0-0#となる。
------------------------------------------------------
(6)Niels Hoeg(Die Schwalbe 1935)
白Rを10枚加えて、黒から#1にできる局面を構成せよ (2+10)
ログインしてコメントを確認・投稿する