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2017年01月29日16:20

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妊娠12週以後21週6日までの場合

知らない人のために書いておきます。

人工妊娠中絶は、妊娠21週6日までしか行えません。
22週以後は現在の医学では子宮外での生存の可能性が上がるからです。
ちなみに自分が医師免許をとった平成元年では
人工妊娠中絶は妊娠23週6日まで可能でした。
医学の進歩が中絶できる期間を短縮したわけですね。

で、その中絶ですが、どうやって行うか、というと
1)子宮内に金属器具もしくは吸引を入れて胎児をかきだすもしくは吸い出す。
2)陣痛促進剤を使って胎児を分娩させる
のふたつの方法があります。
外国では処方箋で入手できる「中絶薬」は2)です。
ただし、一度も分娩したことがない場合、子宮口が開きにくく、
陣痛だけ先についてしまうと子宮が破裂(筋肉が断裂)することがありますので、
外国から密輸入してこっそり使うなんて絶対にしないでください。

1)の方法は日帰り入院で行うことができます。
絶食で朝入院して子宮口を開く処置を行い、昼過ぎくらいに
静脈麻酔(注射もしくは点滴)のもとでかきだしか吸引を行い、
夕方まで安静にして出血や痛みの程度で退院、というやつ。
ただしこの方法は胎児が小さいうちしか行えません。
一定以上大きくなった胎児は骨も太く厚くなるので、
かきだしや吸引では崩すことができず、子宮内に残ってしまいがち。

一番よく聞く話は「クビだけちぎれて子宮内に残った」。
頭は丸いので鉗子でつかむのが難しく、
腐って自然に落ちてくるまで待つしかないこともあり。
ある日トイレでぽとんと、まるいものが落ちるわけです。
よく見ると目鼻あって脳みそはみ出してて…グロでしかないですが、
事実なんですよ。
12週ぎりぎりで中絶した場合にある話です。

12週以後はだから、子宮口を開く処置のあと陣痛促進剤を使って
「お産」してもらいます。
促進剤に対する反応は個人差が大きく、すんなりいく場合と、
陣痛ついて分娩に至るまで数日かかる場合があります。
その間ずっと入院。お産と同じですね。

出てきた胎児の処理も違います。
12週前なら形の崩れた胎児は「医療廃棄物」として病院が処理します。
ぐしゃぐしゃの臓器のカタマリなのでふつうは家族にも見せません。
12週以後は、「死産」として扱われますので、
病院は「死産証書」を発行、これを持って役所へ行き、
「埋葬許可証」をもらってきたら死んだ胎児は家族に引き渡します。
病院で亡くなった患者さんと同じ扱いです。

でもねぇ、棺桶に入ったばあさんを放置するのは大変ですが、
小さい箱に入った胎児の死体は、そりゃどこでもおいておけますわな。
だからこういうことが起きる。
ちゃんと書類を持ってきたら病院は引き渡すのが当たりまえ、
まさかどこぞの冷凍庫に入れるなんて、ねぇ。

あとがき;
妊娠の週数と何か月と言い方の言い換えについて説明しておきます。
今の医学教育では「妊娠週数」しか教わらないのに
なぜかまだ「何か月」という言い方が生き残っているんですよ。
簡単な言い方をします。
「妊娠週数を4で割って割り切れるときは1を足す」
だから妊娠16週は4で割ると4になるので「妊娠5か月」になります。
この文章にある「妊娠4か月」とは
「妊娠12週0日から妊娠15週6日まで」の間をさします。

■中絶胎児を飲食店の冷蔵庫に 死体遺棄容疑で少女を逮捕
(朝日新聞デジタル - 01月29日 13:30)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4407045
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