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2017年01月23日22:58

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「カピタン」研究(70)

#137 加藤 徹 228号[75-1]
フォト
ばか詰 169手 *94騎を詰める

「『変則特集』の決定打に、特別変わった問題を1題。94騎をばか詰せよと云う問題で、騎はチェスの駒「八方桂」です。歩が合計50枚とは!冗談問題ですからまあカドを立てずに…。しかし相当な難問ですぞ…(後略)」

・ばか詰の歴史の中でも珍品中の珍品。そして文句のない名作です。歩が50枚といっても二歩禁ルールがありますから、盤上には18枚までしか存在しません。だから盤駒を使って考えられますね。もちろん先手は騎(ナイト)にあたりあたりといかなければなりません。手数は169手。


ベタで書くとかえって分かりにくいと思うので、ナイトの軌跡のみ略記します。

75-
「87-95-76-88-67-75-87-66-74-86-94-75-87-95-76-57-65-86-94-75-87-66-74-86」
「67-75-56-68-47-55-67-46-54-66-74-55-67-75-56-37-45-66-74-55-67-46-54-66」
「47-55-36-48-27-35-47-26-34-46-54-35-47-55-36-17-25-46-54-35-47-26-34-46」
 27-35-16-28-36-15-27-35-47-26-14 15歩迄169手。

森 茂―実に難しく、10時間ぐらい費やした。手順はすっきりしていて非限定も最初の方に1回あるだけ。傑作。
磯田征一―詰み上った時の爽快さはまさに何物にも代え難い、という感じでした。それにしてもよく創ったものです。
西田尚史―実にうまくできています。一寸解図欲をそがれる図で、やはり普通のばか詰の方が面白いですが、よくこんな問題を考え付く、と驚嘆しました。
担当者―この問題の魅力は形のシンプルさと着想のユーモラスさにあり、詰上り図がすぐ予想できるので簡単に考えると大変。皆さん随分手こずられた様です。それでも解答者は「詰む」保証付きですが、作者は保証なしでこの形に取り組んだのだから偉い。コロンブスの冒険みたいな偉業です。加藤氏が「思いつき」だけでなく腕力家でもあることが証明されました。
 詰手順は太字の所から1周期24手(玉方のみ)のくり返し趣向ですが、周期が長かったため規則性が判り難かったと思います。それにしても続々と新しいアイデアを生み出す加藤氏の頭脳、偉いものですね。
・正解者は上記3名に向井純氏を加えた4名のみでした。本作の発想の自由さ柔軟さはみるものをウットリさせますね。ところがいざ解こうとすると仲々筋がつかめず途方に暮れてしまいます。1サイクル48手のナイトの運動とは、いったいどうやって作ったのでしょうか??
 何はともあれ、フェアリー詰将棋の歴代作中上位にランクされるべき名作です。
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