(90)Michel Caillaud(Die Schwalbe 66 12/1980, 2nd Prize)
H#4.5 (7+9)
Circe, A Posteriori
A Posterioriというルールから、初手1.Ph5xg6 e.p.はほぼ必然。castlingを使ってこのen passant captureをどのように正当化できるか、それを考えることになる。
双方ともcastling可能だと(i.e. 双方ともKは不動だと)仮定しよう。現在白番であることから直前に黒の着手があった筈だが、それは何だったのだろう?Circeというルールから、もし駒取りがあったならそれは白陣のどこかに復活している筈だが、そのような駒は見当たらない。唯一初形位置にあるのは白Pb2だが、黒Pb4は直前の着手として駒取りできない。よって、黒の最終手は駒取りではない。
では、例えばPa7-a5のような手だったのだろうか?ところがそうすると、今度は更にその前の白の着手が存在しない(上の議論と同様、黒陣に復活した駒がないことと矛盾する)ことになる。
ここで注意深く盤面を見れば、直前の黒の着手が何であったか分かるだろう。直前の黒の着手はPg7-g5であり、更にその前の白の手はPf3xPg4(+Pg7)だったのだ!これで、en passant captureの「正当化」が可能になった。後は、手順中に双方ともcastlingすればよいことになる。作意は以下の通り。
1...Ph5xg6 e.p.(+Pg7) 2.a1=R+ Rxa1(+Rh8) 3.0-0 Ra3 4.Pxa3(+Ra1) 0-0-0
5.Rd8 Rxd8(+Rh8)#
無駄な装飾を一切省いた手順構成が、いかにもCaillaudらしい。尚、G.Donatiも同様の作品を作っているので、こちらも紹介しておこう。
(90-a)Gianni Donati(Die Schwalbe 168 12/1997)
SH#6, A Posteriori(10+14)
ちなみに解は、
1.Pg4xf3 e.p. 2.Qg4 3.0-0-0 4.Re8 5.Kd8 6.Qxh5 0-0-0#
というものである。
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(92)A.Klibanski, N.Plaksin(feenschach 1977, 2nd Prize)
Grid Chess (13+10)
a)駒取りの場所を特定せよ
b)黒Kの初手は?
Grid Chess:着手は双方とも、必ず盤上に引かれた太線(=grid)を跨がなくてはならない。
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