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2016年10月07日22:40

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楽しいレトロプロブレム(54)

(87)Michel Caillaud(The Problemist 01/1994)
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Proof Game in 29.0 moves(12+14)

 この作者にしては珍しく、自明成駒が白黒双方に2枚ずつある。そこまでして何をしようとしているのだろうか?特に目につくのは、四隅に配置された黒Rだが、この図を見たら、余程のヘソ曲がりでない限りa1とh1のRが成駒だと思うのではないだろうか。しかし手数計算をしてみると、実はそうではないことが判明する。
  なくなった駒は白がRRBPの4枚で、黒はBPの2枚。黒の盤面配置はR以外のものに全部で12手(黒Qはswitchbackしている)、それに加えてBf8をe3に捨てるのに2手かかる。そして黒Rにかかる手数はというと、2枚の黒Pが成るのにまず10手。更にBf1を取ることで2手余計にかかり、a筋の白Pが直進してQに成って更にg8-g6という経路を辿る事から、原型位置のRa8も動かざるを得ない。
 するとRa8は4手かけて元の位置にRundlaufしたのであろうか?しかしそうすると、全部でRに関する手が5+5+2+4=16手ということになり、黒は手数オーバーとなってしまう。さて、どうしたものか…。
 ここでCaillaudの構想に気付いた者は、思わず膝を叩くだろう。そう、Rを4枚とも位置変更した方が手数が短いのだ!作意は以下の通り。

1.h4 a5 2.h5 a4 3.h6 a3 4.xg7 xb2 5.Rh6 xa1=R 6.Rc6 h5 7.Sh3 h4 8.Sf4 h3 9.Sd5 h2 10.f4 h1=R 11.Kf2 Rxf1+ 12.Kg3 R8h1 13.a4 Sh6 14.g8=B dxc6 15.Bh7 Sd7 16.Bf5 Sb6 17.Bh3 Bf5 18.a5 e6 19.a6 Bc5 20.a7 Be3 21.xe3 Qd6 22.Qd3 Kd7 23.Bd2 Rh8 24.a8=Q Bh7 25.Qg8 Ra8 26.Qg6 Kc8 27.Ba5 Kb8 28.Sbc3 Ra1 29.Kh4 Qd8+

 白の自明成駒を2枚も置いてまで表現したかったというのも頷ける、R4枚のrotationというテーマ、如何だっただろうか。

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(89)橋本 哲(Phenix 2000)
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Proof Game in 20.0 moves(14+14)
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