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2016年09月12日22:52

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楽しいレトロプロブレム(47)

(80)Alexander Kislyak(Europe Echecs 1982)
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最終3手を求めよ(14+13)

 なくなった駒は白がBPの2枚で、黒はBSPの3枚。白側の駒取りはb,c筋のPによるものが2枚で、黒側の駒取りは白Bf1とh筋のPによるもの。従って、最終手は1.Re1xBf1#だと決まる。

(図1)
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 このことから直ちに、白Bb1が成駒であることが従う。つまり、h筋の白Pは1枚駒取りをしてg8でBに成っているのだ。これで白の駒取りも3枚丁度になった。また、h筋の黒Pが取った駒は黒枡の白Bであることも分かる。更に、このようにf1が塞がっているのだから、白Kは初形位置から大回りをしてg1に辿り着いており、黒QRRはいずれもa筋から侵入したことになる。

 成Bを左下に入れることを考えると、白は
(1)Pa2xb3xc4とa筋のPで2度駒取りをする
(2)成Bをa2に入れる
(3)Pb2-b3とする
(4)Bc1を外に出す
という順で指さなければならないことが明らかだ。

 すると、h筋の白Pがg8で成ってa2に到達しているのだから、例えば白Ph5/黒Pg5,h6という形からPh5xg6と指している筈で、これより白Bが取られた場所がh4であることも分かる。

 ここで、黒Sa1に注目しよう。このSはどこから来たのだろうか?一見b3から入ったように見えるが、そうだとするとa筋の黒Pを取った白駒がないので矛盾。ということは、この黒Sa1もまた成駒なのだ!この成を戻すなら、a5まで戻さないと黒QRRを入れる邪魔になってしまう。

 では、Pb2-b3と指した直後の局面を作ってみよう。(左上の黒Kは簡単に解放できるので、適当に移動しておくことにする)

(図2)
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 さて、この後Bc1をh4まで運び、Qも外へ出し、いよいよ白Kが遠征することになるのだが、その雄大な軌跡をとくとご覧あれ。e1から始まり、b5-a6-b7-c8...g8-h7-h6...g3-h2-g1と、盤面をほぼ一周していたのだ!
 この終盤には以下のような局面になるが、ここから1.Kg3 Pa3 2.Kh2 Pa2 3.Kg1 Pa1=S 4.Sa2 Rxf1#と進めば出題図が得られる。

(図3)
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 ということで、求める最終3手は1.Re1xBf1 Sb4-a2 2.Pa2-a1=Sということになる。実にスケールの大きな構想作だったが、如何だっただろうか?

 尚、この作者は本作のような白Kの大移動をテーマとしたProof Gameも作っているので、これも紹介しておこう。

(80-a)Alexander Kislyak(feenschach 05/1982, 1st Prize)
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Proof Game in 44.0 moves(15+13)

1.a4 Sa6 2.a5 Sc5 3.a6 b6 4.Ra4 Sb7 5.axb7 c5 6.b8=B g6 7.Bg3 Qc7 8.Bh4 Qg3 9.hxg3 Bh6 10.Rg4 f5 11.Sf3 f4 12.Sd4 f3 13.Sc3 Bf4 14.gxf4 a5 15.Bg3 a4 16.Bh2 a3 17.g3 a2 18.Bg2 a1=Q 19.0-0 Qa2 20.Kh1 Sf6 21.Bg1 Sd5 22.Kh2 Se3 23.Kh3 Sxd1 24.Kh4 Se3 25.Kg5 Rf8 26.Kh6 Rf5 27.Kg7 c4 28.Kh8 Kf7 29.Sd1 Kf6 30.Kg8 c3+ 31.Kf8 Qe6 32.Ke8 Kg7 33.Kd8 Kh6 34.Kc7 Ra7+ 35.Kb8 Rb7+ 36.Ka8 Rb8+ 37.Ka7 Rb7+ 38.Ka6 Rf7 39.Kb5 Kh5 40.Ka4 h6 41.Ka3 Sd5 42.Ka2 Sc7+ 43.Ka1 Ra7+ 44.Kb1 Qa2#

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(82)Hugo August, Anton Trilling(Die Schwalbe 1940)
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最終15手を求めよ(11+14)

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