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2016年09月05日05:05

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BiSHに見る、石井聰互の世界

つぶやきにも書いたが、「平成クソアイドル」改め「楽器を持たないパンクバンド」という肩書きのアイドルグループ BiSHについて。

今春のメジャーデビュー以降、一貫して彼女達のビジュアルイメージの根底にあるものは、石井聰互(現・石井岳龍)の世界である。
最初のアー写(画像1)などは、完全に「爆裂都市」(写真2)のオマージュであって、決して「with the BEATLES」のパロディではない。
世界で一番短いメジャーデビュー曲(99秒)と云われる「DEADMAN」のPVを観れば一目瞭然。

PVに関しては石井聰互以前に、ビジュアル合成部分が Porter Robinson というアーチストの<a HREF="https://www.youtube.com/watch?v=hgKDu5pp_fU" target="_blank">「Lionhearted」</a>に酷似しているという指摘があり、どう見てもパクりであるが、全体を漂うアングラで不穏な空気が支配するタダ事じゃない感は「時計じかけのオレンジ」「ウォリアーズ」の系譜にあるデストピアグループ抗争のそれである。
写真3のバイクにまたがったアー写なんてまさしく「狂い咲きサンダーロード」の世界。女の子を可愛く見せようなんて一切考えていない。メジャーデビューだからと決して守りに入らず、むしろ攻撃的に攻める姿勢がBiSを生み出した悪徳アイドルプロデューサー(笑)・渡辺淳之介らしさと云える。

アルバム「KiLLER BiSH」はとにかくハードでエモい。今回は特にこの2曲が素晴らしい。
https://twitter.com/i/videos/772414652810563586?embed_source=facebook
https://twitter.com/i/videos/772413856505208832?embed_source=facebook
(ちなみに作詞は全てメンバーが担当している。)

作曲の松隈ケンタ氏はジャニーズのKis-My-Ft2にも楽曲提供しているが、先月行われたキスマイ楽曲人気投票で「ETERNAL MIND」という曲で1位を獲得したという実は凄い人。

このBiSHのように、アイドルグループ曲であるのにアイドル曲に聴こえない曲と、アイドルが演ってるわけではないのにアイドルソングっぽく聴こえる曲というものがこの世には存在し、その違いは何処から来るのか?「アイドル曲っぽさ」の根源的要因は一体何なのか?ずっと考えていたのだけれど、ようやく最近その理由の一端が分かって来た。

その要因の一つは<strong>、「ユニゾンの割合」</strong>である。
乱暴に云えば、多人数の女子が同時にハモりもしないで一斉に唄うとアイドルっぽくなってしまうのである。
20世紀のアイドルはソロも多く、グループアイドルもキャンディーズやピンクレディなどはちゃんと譜割りされてハモも存在していたが、AKB以降の21世紀アイドルグループはとにかく大勢で同じメロディを唄うのである。この学芸会感が21世紀のアイドルソングをアイドルたらしめている要因のひとつであろうと云えよう。
ところがBiSHは極めてユニゾンパートが少ない。AメロBメロはメンバーのソロ持ち回りでサビのみ全員というのが基本(ヘタするとサビもソロ)。そこに所謂<アーチスト感>が出る。松隈ケンタ氏はBiSの時代から意図的にボーカルのソロ重視のMIXを行っている節があり、メンバー全員が平等に唄うどころか、曲によっては全くソロが無いメンバーがいたり、特定のメンバーのソロで偏ったり、とにかく楽曲の完成度ありきで積み重ねてきた結果が現在のBiSHの楽曲スタイルなのだろう。

ちなみにBiSHの前身にあたるBiSであるがつい先週末「新生・BiSオーディション」が行われた。
二泊三日の合宿オーディションがニコ生で配信され、プールイを含めた新メンバー5名が確定したばかり。ファンの掛け持ちも多いBiSとBiSHがどのように棲み分けられていくかも気になるところ。

というわけで、メジャーアルバムがショップ発売1ヶ月前にiTunes1位おめでとう。と云っておく。
ちなみに同時に¥300セール中のインディーズ時代のアルバム2枚も3位と4位。まあ、一日天下ではあるが。
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