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2016年08月30日23:08

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「カピタン」研究(50)

「加藤氏からの大量投稿のお蔭で長編作のストックが10編を超えた。毎月1編ずつ特別懸賞として消化していきたいと思います。今月は幕開けとして最短の55手詰の作品を提供致します」

 これは216号[74-1]から引用。いよいよ加藤徹氏の長編趣向シリーズの登場です。

#110 加藤 徹 216号[74-1]
フォト
ばか詰 55手

担当者―本作を見たとき、このと金の形の幾何学的な美しさに魅かれました。と金の群の中を玉と桂が縫っていく手順も目を楽しませてくれます。加藤さんは趣向を簡潔に表現するのが上手ですね。趣向自体にも原因してるのかもしれませんが、美的感覚をチクチク刺激してくれます。


18龍、同玉、19歩、17玉、18歩、同と、29桂、27玉、
28歩、同と上、19桂、36玉、37歩、同と、48桂、26玉、
27歩、同と上、38桂、15玉、16歩、同と、27桂、25玉、
26歩、同と上、37桂、34玉、35歩、同と、A46桂!24玉、
25歩、同と上、36桂、13玉、14歩、同杏、25桂、23玉、
24歩、同杏、35桂、14玉、13桂成、15玉、14圭、25玉、
24圭、15玉、14圭、同玉、15歩、13玉、14香迄55手。

磯田征一―杏香角のどれを頂くのかわからず苦労しました。
佐々木光正―55手詰という但し書きがなかったら60数手で詰めるところ。
森 茂―四桂詰ともいうべき面白い手順。順に追っていると行き詰ったが、46桂の発見で一件落着というところ。非限定なしで実にうまくできています。後続作が大いに楽しみ。
担当者―31手目(A)で惰性で26桂とと金を取りたいが、46桂と逆に跳ぶ。作図の際に成り行きで入ったのか、意図して入れたのかは分かりませんが…(後略)
・本作は最初から四桂詰を目標に作図されたものと想像します。Aでうっかり26桂と跳んでしまうと14に効きが生ずるため押す手がなくなる仕掛け。筆者の大好きな作です。


#111 加藤 徹 218号[74-3]
フォト
ばか詰 149手

担当者―今月は加藤氏の作から一番軽いのを選んでみた。頭に浮かんだ手順を一番機能的な形に仕上げる。この人の棋形は美しいのが特徴ですね。


17飛、同玉、18歩、16玉、17歩、15玉、16歩、14玉、
15歩、13玉、14歩、23玉、13歩成、33玉、23と、34玉、
33と、44玉、43と、34玉、44と、23玉、33と、13玉、
23と、14玉、13と、15玉、14と、16玉、15と、17玉、
18歩、同馬、16と、同玉、17歩、15玉、16歩、14玉、
…以下この要領で馬を釣り上げる。サイクルは4手ずつ減少。18歩打は3手目、17歩打は37手目、16歩打は67手目、15歩打は93手目。115手目14歩と打つところから…
14歩、23玉、13歩成、33玉、23と、34玉、33と、44玉、
43と、34玉、44と、23玉、33と、13玉、14歩、同馬、
23と、同馬、14歩、同玉、15歩、同玉、16歩、同玉、
17歩、同玉、18歩、同玉、19歩、同玉、28香、29飛、
同飛、18玉、19飛打迄149手。

担当者―この頃は三桁の手数もさほど長い感じがしなくなっている。本局もむしろ可愛らしい小品という感じ。(中略)このような型をヒョイヒョイと(でもないかな)生み出す才には感心させられる。
鮎川哲朗―減衰運動を思わす玉の動きが面白い。これ、なかなか発展性がありそうですね。
秋元節三―長編ばか詰がやっととけました。感激!
中出慶一―趣向メーカー加藤氏の軽快作。巧い馬移動法であり、収束も簡単ながら気が利いている。
・単純美というのでしょうか。解答者は18名で、全員正解。#110の時は9名でした。

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 今回の「幻想詰将棋型録」はここまで。
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