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2016年08月11日14:20

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楽しいレトロプロブレム(38)

(71)Olli Heimo(Suomen Tehtavaniekat 1997)
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Proof Game in 18.0 moves (15+15)

 なくなった駒は白がQ1枚で、黒はB1枚。また白は盤面配置を作るのに16手かかり、Qをc6に捨てるのにも2手かかるので、これで18手ちょうど。対照的に、黒には余裕がたっぷりある。成駒は発生しないので、このことがRundlaufを示唆していることは明らかだろう。
 序は殆ど紛れがない。黒Bc8もa6で取って貰うしかないことはすぐに分かるので、1.e4 Sf6 2.e5 Se4 3.Qf3 Sg5 4.Qc6 bxc6 5.Sc3 Ba6 6.Bxa6 と展開することになる。

(図1)
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 この局面において黒は既に出題図の配置に到達しているのだが、だからといって例えばRを往復させておけばよいという訳にはいかない。何故なら、黒が消費すべき手数はあと13手、つまり奇数だからだ。そして勿論、奇数手を消費できる黒駒はQしかない。従って、以下の手順はこのようになる。

6...Qc8 7.Ke2 Qb7 8.Kd3 Qb6 9.Kc4 Qe3 10.d3 Qh3 11.Bf4 Qh6 12.Re1 Qd6 13.Re3 Qa3 14.Sge2 Qa5 15.Rd1 Qb6 16.Rd2 Qb7 17.Sd1 Qc8 18.c3 Qd8

 黒Qによる13手のtempo move。所狭しと盤上を駆け巡る黒Qの軌跡を見事に限定している白Kの配置が実に巧い。

 尚、tempo moveを主題とする作品としては、以下のものも是非覚えておきたいところ。こちらも解図してみて下さい。

(71-a)Michel Caillaud(U.S.Problem Bulletin 07-10/95)
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Proof Game in 16.0 moves (14+13)

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(73)橋本 哲(Probleemblad 2004, 2nd Prize)
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Proof Game in 22.5 moves(14+15)
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