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2016年07月08日22:40

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楽しいレトロプロブレム(30)

(61)橋本 哲(Probleemblad 7-8/1999)
フォト
Proof Game in 18.0 moves(14+15)

 なくなった駒は白がRBの2枚で、黒はP1枚。盤面配置を作るのに白は13手かかり、RとBをd6/c6に捨てるのにもそれぞれ3手/2手かかる。よって総計は18手となり、白の手はこれで尽きている。
 対照的に黒は相当の余裕がある。ただ、なくなったg筋の黒Pは駒取りできない為、直接これをf3に捨てることはできない。このことから、本作のメインテーマがPronkinであることが容易に見て取れる。
 黒の盤面配置を作るのには5手かかり、g7の黒Pがg1で成ってから初形位置に戻るのに最も早いのはQ成の場合で、7手かかる。初形位置のQをf3に捨てるにも2手かかるから、これで14手。まだ4手の猶予があるが、これは一体何を意味するのだろう?
 しかしここから先は、分析を続けるよりも実際に駒を動かしてみた方が早いだろう。作意順は以下のようになる。

1.e3 f5 2.Bb5 f4 3.Bc6 dxc6 4.Se2 Qd5 5.Rg1 Qf3 6.xf3 Bh3 7.Rg6 Bf1 8.Rd6 g5 9.b4 g4 10.Bb2 g3 11.Bd4 g2 12.c3 g1=Q 13.Qc2 Qg5 14.Sg3 Ba6 15.Qf5 b5 16.Kf1 exd6 17.Kg1 Qd8 18.Sf1 Bc8

 黒に残された4手、それはBc8のRundlaufを意味していたのだ!Q成によるチェックを避けるshieldとしての意味付けで、黒BのRundlaufと黒QのPronkinが有機的に結びついた表現は実に鮮やか。流石は橋本氏の作品である。

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(63)Reto Aschwanden, Michel Caillaud, Gerd Wilts
(Problemist 03/2004, 1st Prize)
フォト
Proof Game in 18.5 moves(13+11)
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