わたくしは開業するまで「大きい病院」をいくつか転勤してきたので、
患者さんが死ぬところを山ほど見てきた。
がんの治療をしたのに進行して末期になってしまった人。
がんに気づかず死ぬ間際に運び込まれた人。
お産時の大量出血で全身のバランスが崩れ、治療に反応せず亡くなった人。
生まれたあとで大きな先天性疾患がわかり、治療手段ないまま亡くなった赤ちゃん。
みんなみんな、看取ってきた。
家族はいることもありいないこともあった。
いるときは、なるべくお部屋にいてもらったし、いないときは呼んでもらったけど、
亡くなるときに間に合わないこともあった。
死ぬときに誰も知った人がいないのはさみしいだろう。
だからせめて主治医でもいたほうがいいよね、と思って看取った。
悪性脳腫瘍だった弟も、わたくしが付き添った日の明け方に心臓が止まった。
その結果、「もし見ないですむならそのほうがいい」と思う。
もちろん山ほど後悔するだろうけど、
亡くなってしまったあとのほうが冷静にお別れができる。
きちんとカラダを拭いたり服を着せたり髪をととのえたり、は
けっこう冷静じゃないとちゃんとできないもんだ。
泣いていると目も見えないし判断力が働かない。
自分がいてもいなくても、その人の死に時は決まっていたのだから
「見ない」ことで冷静になれる人間がその場にいたほうがいい。
見た上で冷静になれればもっといいんだが、
弟の時は実はそうだったんだが、1か月ほどあとに「揺り戻し」がきて
仕事の休憩時間になると泣けて泣けて大変だった、1か月以上。
ペットもそう。
見ないで済めば冷静にきちんとお見送りができる気がする。
ぶるたが目の前で死んですぐに、火葬場の手配や棺桶の心配はとてもできない。
考えただけで涙でパソコン画面が全く見えなくなる。
もちろん人によって考え方は違う。だから「そうじゃない」と思う人がいてもいい。
でも「見ないで済めばそのほうがいい」と自分は思う。
…きっときちんと看取ってしまうんだろうけどね。
■ペットの死に際、飼い主なら看取るべき? マツコは「見ないでいることも選択肢のひとつ」
(キャリコネ - 06月18日 16:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=4050254
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