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2016年05月29日22:52

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楽しいレトロプロブレム(19)解答編

(52)Andrej N. Frolkin, Leonid Lyubashevsky(Die Schwalbe 112 08/1988)
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11.0手のプルーフゲームとなるように、駒を色分けせよ (28+0)

 なくなった駒はRが2枚とBが2枚。これらは全てb-c筋のPによって取られている。他に駒取りはないので、e-h筋のPはすれ違うことはない。よってPe2,f2,g3,h4は白Pで、Pe7,f5,g7,h7は黒Pである。このことから、Bf8とRh8が黒駒で、Bc1が白駒であることも確定する。また、Kf7が黒Kで、Ke1が白Kであることも明らか。更にb-c筋のP配置からは、双方が2枚ずつ駒取りをしたことも読み取れる。従って、Ra8は白駒である。すると、もしPb6,c3が白でPb3,c6が黒だとすると(或いはPb3,c6が白でPb6,c3が黒だとすると)手数オーバーになるので、結局はPb3,c3が白でPb6,c6が黒という、一番自然な形に決定する。ここまでで色が不明なのはQとSのみである。
 駒取りの位置は完全に判明しており、そこにRとBを運ぶには白が3+2=5手、黒が2+2=4手かかる(白Rはb6で、黒Rはc3で取られている)。これより、白はこの配置を作るのに全部で10手かかり、一方黒は8手しかかからないことになる。白の猶予があと1手しかないことから、双方のSが不動であることも判明し、これで不明なのはQのみとなった。ここまでくれば、後は簡単な試行錯誤で作意を見つけることができるだろう。手順は 1.h4 f5 2.Rh3 Kf7 3.Rb3 Qe8 4.Rb6 axb6 5.g3 Ra3 6.Bg2 Rc3 7.Bc6 dxc6 8.dxc3 Be6 9.Qd8 Bb3 10.axb3 Qd7 11.Ra8 Qd1+となる。

(正解図)
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 ちゃんとロジカルに解析できるように作ってあるし、Qの位置交換も上手い装飾だ。巨匠の手による洒落た小品といったところか。
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