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2016年05月20日20:07

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今月の車田水滸伝ネタバレ

越後の若武者・河井武士、宿業には屈しない!
連綿と流れる血の絆、その呪縛がボクを絡めとる。
☆スーパースター・剣崎の助けで自分を取り戻した河井。真の敵が現れる!

Episode21★天才の才能

河井は苦しんでいた。
「うう…っ、うっ」
「河井!」
「で、出て…行け。僕から…!僕の、中から!」
河井の体からミイラになった僧侶の姿をした悪霊が抜け出ていく。
「河井、この紙に書かれていた通り…こいつがそうか?」
楽譜の表紙には「阿修羅王が復活する」とあった。
「え…ええ…。千年も前に阿修羅を作り、死してなお、その支配欲で子孫たちを束縛し続けた…阿修羅一族の長、阿修羅王です!」
ミイラの霊が言う。
「一族の血を受け継ぎながら、一度ならずに度までも、このわしに反旗を翻すとは…!おまえは高嶺竜児からカイザーナックルを奪い、世界を支配しようとするわしが望んだ歴史を変えた…。なぜだ、なぜ逆らう?おまえの強靭な肉体、ボクシングセンス、音楽的才能、その全てはわしの血があったればこそ…!」
「違う!それらの才能は血のつながりではなく、貴子姉さんや黄金の日本Jrたちとの絆で築き上げてきたもの!みんなの情熱が僕をこの高みまで押し上げてくれた」
「なにを言うか」
「その証拠に…おまえの弾いたピアノは調律が狂っている。絶対音感を持つ僕からすれば唾棄すべき行為。…つまり、お前から受け継いだ血の才能など所詮その程度のものだ!」
剣崎順が笑う。
「河井よ、ここは任せたぜ。おれには先に行く理由があるんでな」
「剣崎…。感謝します、目を覚ましてくれて」
「元チームメイトのよしみだ」
「固い友情で結ばれた仲間だからと言ってはくれないのですか?」
「フッ、よせない。こそばゆいあじゃねえか」
「さあ、最終楽章です。千年にも及ぶ長き血の因縁の結末は…僕のこの拳で着ける!」
「理解できぬ。ただ同じ時代に偶然生まれ拳を交わしただけの存在に、何故そこまで肩入れをする!」
「血より濃い絆がある。同じ時代に生まれた奇跡が、魂の絆が!」
「ならば血縁の始祖として引導を渡してやる。阿修羅覇締拳!」
「仲間たちの情熱を胸に舞い上がれ、僕の拳よ!空を裂き、雲を突き抜け、音が伝わらぬ領域へと!」
河井武士の拳が阿修羅王を打ち砕く。
「なぜだ、なぜ…孔士ィ、なぜなのだ!」
「僕は阿修羅一族の孔士などではない。黄金の日本Jr、越後の若武者、河井武士だ!」
書庫でその様を嘆く者がいた。
「……。おお、なんということ…。河井武士の始祖、阿修羅王を呼びよせたというのに。私の計画(シナリオ)が…!」
「汚してねぇからだ」
剣崎順が書庫に姿を見せる。
「てめえの手をな」
「剣崎…順!」


作者コメント:5月と言えば潮干狩り。どこで行こうか狙ってる感じです。


水滸伝、次々に黒幕っぽいキャラが現れてなにがなにやら…。
次号も掲載予定です。


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