「カピタン」研究（27）

　この年の11月号で「ばか詰教室」が開校されるまで、#17以降10題ほどの作品が発表されている。それの余詰指摘（余詰の定義ははっきりしていなかったが）などでサロンは仲々にぎやかです。中には意外な人の名前も見えて楽しい。そのうち6題を紹介する。

#18 加藤　徹 176号[70-9]

ばか詰　7手


#19 加藤　徹 176号[70-9]

ばか詰　7手


#20 加藤　徹 183号[71-4]

ばか詰　83手


#21 加藤　徹 178号[70-11]→183号[71-4]

ばか詰　263手


#22 門脇芳桂 181号[71-2]

ばか詰　7手


#23 門脇芳桂 181号[71-2]

ばか詰　7手



解

#18 作意：13飛生、21玉、23飛生、22金合、同飛生、11玉、12金迄7手。
　余詰：13飛成、21玉、24龍、23香（金、銀）合、同龍、11玉、12香迄7手。（妻木貴雄指摘）今ではこの手順の方が新鮮？！不成とソッポは表裏の関係になることが多い。

#19 86金、同角生、97香、96桂合、同香、同飛生、87桂迄7手。

#20 29金、同玉、19金、39玉、29金…79金、99玉、89金、同と直、88銀、
　98玉、99銀、97玉、98銀、88玉、89銀、97玉、98銀、88玉、89歩、同と、
　同銀、79玉、88銀、78玉、79歩、同と…この繰り返しでとをはがす…
　39銀、29玉、38銀、28玉、29歩、同全、同銀、39玉、28銀、48玉、39銀、
　59玉、48銀、68玉、59銀、79玉、68銀、88玉、79銀、98玉、89銀、97玉、
　88銀右迄83手。
・愉快な銀鋸ハガシ趣向。

#21 84歩、93歩、83歩成、同玉、94と、同玉、95歩、93玉、94歩、83玉、
　93歩成、84玉、83と、94玉、84と、95玉、85と、同玉、86歩、84玉、
　85歩、83玉、84歩、93玉、83歩成、94玉、93と、84玉、94と、85玉、
　95と、86玉、96と、同玉、97歩…以下同様に、87と、98と、89全をはがす。
　89全をとるところから…89と、同玉、98銀、88玉、97銀、87玉…94銀、
　84玉、83銀成、85玉、84全、86玉…88全、79玉、89全、69玉…39全、
　19玉、18金、同玉、17金、19玉、18金、同玉、29全、17玉、18全、16玉、
　17全、25玉、16全！同玉、15と、17玉、16と、18玉…79と、98玉、88と、
　99玉、98と、89玉、99と、79玉…と反転して…17と、25玉、35金、15玉、
　25金、同玉、16と、35玉、25と、45玉、35と、55玉、45と、64玉、54と、
　65玉、64と、55玉、54と、45玉、44と、35玉、34と、25玉、35と、15玉、
　25と、16玉、15と、17玉…69と、88玉、79と、87玉、88と、86玉、87と、
　85玉、86と、84玉、85歩、94玉、95と、83玉、84と迄263手。
・加藤氏の長編第2弾。左辺のと金崩しが新手。特に14とを加えて48手延ばしたのはうまい。本図は178号の215手詰の修正図で183号[71-4]に載っている。

#22 作意：13飛、22玉、12飛成、同銀、31角生、21玉、22金迄7手。
　余詰：23金、同銀、42飛、32銀上、同飛生、21玉、31角成迄7手。
・巧妙な手筋作だが。

#23 作意：26金、同と、18角、25玉、14銀、同玉、36角迄7手。
　余詰：26金、同玉、17銀、15玉、37角、26合、同銀迄7手。
・作意が巧妙すぎた？この種の両王手ものの元祖。


　それにしても、ばか詰の検討は難しい。不完全作はこれからもとりあげるつもりです。作者としては、昔の不完全作を持ち出されるのは不満でしょうが、筆者としては新手筋のルーツをさぐるためで、他意はありません。お許しください。