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2016年04月19日22:46

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「カピタン」研究(20)

 今日から数回にわたり、カピタン15号を読んでいきたいと思う。この当時(もう40年近く前だ)考えられていたフェアリー詰将棋のほぼ全域が網羅された以下の文章を読んで、現在までに追加された駒や条件について思いを巡らすのも一興だろう。

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フェアリー詰将棋の分類 2、盤と駒

1、異次元の盤

 異次元といっても、SFの話ではありません。普通の将棋の盤を平面、即ち2次元と考えて、それ以外の次元の盤はどうか、ということです。具体的には、1次元では将棋とはいえませんから、3次元以上の盤で、それもあまり次元が高いと我々の頭がついていけませんから、せいぜい4次元位まででしょう。
 チェスでは、わりに一般的な盤で、4次元角(Balloon)などの多次元駒も使われたりするのですが、将棋では全くないようです。概念的には、かなり古くから考えられている(例えば、福沢三八「二つ以上次元をもつ碁将棋」昭和9年)けれども、実際に盤の大きさ、駒の性能をどうするか、ということになるとうまくいかないらしいです。チェスと違い、動きが非対称な(方向性のある)駒が多いからかもしれません。よく「立体将棋」などというのが、実は2段しかなかったりすることになるわけです。誰か本物の「立体将棋」(5×5×5位が適当?)を作ってみませんか?参考までに、「立体将棋もどき」をいくつかあげておきます。

・2段将棋…9×9×2。将棋盤を2面使って表現する。駒1組を普通のように下面(一方の盤)に並べ、開始。駒の利きは普通の利き+上下。上下に動くのは、もう一方の盤の同じ位置に動くことになる。二歩は同一面の同一列に限り禁手。行き所のない駒は禁手ではない。

・3段円筒将棋…3×9×3、将棋盤に普通に並べるが、左の3列、中央の3列、右の3列が独立した盤(下・中・上段)であるとみなす。駒の利きは2段将棋と同じ。二歩、行き所のない駒についても同じ。各段の左端と右端は絡がっている(円筒盤=後述)とする。

・藤村幸三郎氏の「立体将棋」…これは立体でも何でもなく、一種の「合体将棋」なのだが、その名前からここにとりあげた。ルールについては、同氏著「パズルと推理2」(ダイヤモンド社)を参照。

・立体将棋…といえば、将棋クラブ3月号に次の記事あり。―私は、「アイディア鉱脈」という本の誌上発明コンテストに、立体将棋というのを応募し、審査に合格致しました。(保田修)―さてどんなんでしょうか。普通の駒でもできる由。


2、形、大きさの変更

 穴をふさぐ意味しかない駒を大量に使用しているのを見ると(自分でよく使うだけに)そんなに置くぐらいなら盤を切り取ってしまえばいいのに、といつも思うのです。
 たまには、将棋盤からはみ出すのもいいじゃありませんか。もちろん、その大きさ、その形でなければ表現できない手順であることが必要です。意味もなく変えてもしかたありませんから。ミニ盤でやる将棋でも楽しめるものが少なくありません。(カピタン6-4、13-2、14-4など)
 更にマス目の形を変えてしまう(例えば国際三人将棋の盤)ことも考えられますが、この場合は当然、駒の変更を伴います。右図はT.R.Dawson作。有名な問題です。

Thomas R. Dawson(Bolton Football Field 1911)
フォト
#21(8+2)

1.Sg3 2.Rh1 3.Sg1 4.Rf3 5.Bf2 6.Re3 7.Sf3 8.Rg1 9.Sh1 10.Bg3 11.Sf2
12.Rh1 13.Sg1 14.Rf3 15.Ke3 16.Sd3 17.Kf2 18.Re3 19.Kf3 20.Sf2 21.Rc3#
(右下をh1としている。また、黒の手は省略した)

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