今日は、フェアリーランドから2作紹介して見ようと思う。
近藤 武
Kマドラシバ自STM 6手(詰パラ 平成11年4月号)
83桂生、79角生、43歩生、47香生、32銀生、18飛生迄6手。
このルールだと6種不成がこんなにも簡単に実現できる、という発見がすべて。尚、86金は2手目に香合をし、43歩生に対して53角生という筋を消している。歩でも当然良いのだが、作者は7種マドラシを意図したのだろう。
赤木誉幸
バカ自殺詰 60手(詰パラ 平成11年4月号)
所謂密室もの。途中図を入れながら、局面の変化を追ってみることにしよう。
38飛、28角、同飛、19玉、18飛、同玉、36角、27飛、同角、29玉、
38角、18玉、29角、同玉、
(図1)
まず、14手かけて玉位置を29にする。
26飛、27角、同飛、28角、同飛、19玉、18飛、同玉、
(図2)
玉を29に連れてきたので、今度は連続合で合駒を稼ぐことができる。18飛と捨てた局面を初形と比較すると、持駒が飛から角2に変化している。
36角、27飛、同角、29玉、18角、同玉、
(図3)
更に、角のうち一枚は飛に戻す。結局、28手かけて持駒に角を一枚追加したことになる。
36角、29玉、26飛、27銀、同飛、18玉、26飛、27銀、同角、
29玉、36角、27銀、同飛、28香、
(図4)
大駒が一枚増えたので、これらを駆使して今度は銀合を稼ぐことになる。つい惰性で28にも銀合をしたくなるが、落ち着いて香合をするのが心理的妙手。
38銀、18玉、26飛、27角、29銀、19玉、28銀、29玉、38銀、同角生、
19銀、27銀、18銀、同玉、29銀、同角成、19香、同馬迄60手詰。
(詰上がり)
最後は、27に発生させた角を手際よく馬にしてフィニッシュ。狭い局面で合駒が飛び交う展開が楽しめる好作だと思う。
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