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2016年02月18日23:18

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温故知新(517号-01)

 今日読んでいるのは詰パラ517号(平成11年4月号)。まずは学校から目についた作を紹介しよう。

YYZ
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(詰パラ 平成11年4月号、半期賞)

26飛、45玉、34角、同飛、54銀、同と、46角成迄7手詰。

 わざわざ玉に逃げ道を与え(プロブレムではこれをflight-giving keyと呼ぶ)、しかも玉方の飛の陰に隠れこむ(これはumbushと呼ぶ)初手が、何ともやり難い一手。23銀や43銀が見えているだけに、この心理的妙手のインパクトはかなりのものだったようで、2.77という高得点を叩き出した。

小林敏樹
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(詰パラ 平成11年4月号)

65角、56馬、28金打、19玉、12龍、同馬、29金迄7手詰。

 焦点への捨駒は基本手筋だが、対する馬の移動中合がそれを上回る妙手。ここのやり取りは、図巧第二十番における馬の応酬を思い起こさせる。
 無駄な装飾をそぎ落とし、隅々まで心を配って推敲する。作者の創作姿勢は、短編を志す作家全ての理想であろう。

伊藤看寿
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(将棋図巧 第二十番)

23歩成、43玉、44銀、34玉、55桂、78馬、24と、同玉、79馬、同馬、
23成香、34玉、35歩、同馬、33銀成、同龍、同成香、同玉、43桂成、同桂、
23飛、42玉、43香成、31玉、33飛成、21玉、31龍、同玉、23桂、21玉、
11桂成、同玉、12飛、21玉、22飛成迄35手詰。


水上 仁
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(詰パラ 平成11年4月号)

24飛成、12玉、34馬、23歩、15龍、21玉、33桂、22玉、14桂、11玉、
21桂成、同玉、22桂成、同玉、44馬、33角、34桂、21玉、11龍、同角、
同馬、同玉、33角、12玉、22角成迄25手詰。

 この作者は間違いなく正算式で作っているので、5手目の龍ソッポも決して狙って入れたものではない筈だが、えてしてそういう手の方が解答者受けが良いのは皮肉なものだ。
 発見的手法でもそれなりの作品ができてしまう詰将棋って、本当に豊饒なんだなあ。
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