今週は、カピタン5号で出題されたフェアリー趣向作を紹介しようと思う。
(1)田中 弘
バカ詰 61手(カピタン5号 昭和51年11月)
27角生、58玉、49角、59玉、69と、同玉、58角…87角、89玉、
98角…38角、18玉、27角、29玉、18角…98角、96玉、87角、95玉、
96歩、94玉、95歩、93玉、92と、同玉、94香、93桂、同香生、81玉、
73桂迄61手詰。
平明な角追い趣向。「もっと往復回数を増やせないか」となどと考えて複雑化せずに、ここで切り上げた作者のセンスを買う。すっぴんが可愛ければ、厚化粧する必要などないのだ。
(2)原 公男
衝立詰(カピタン5号 昭和51年11月)
19金、(19)、48飛・金、(-)、28金、イ(28)、28飛・歩、(-)、
「27と、(27)、27飛・香、(-)、18香、(18)」
「26と、(26)、26飛・香、(-)、17香、(17)」
「25と、(25)、25飛・香、(-)、16香、(16)」
「24と、(24)、24飛・香、(-)、15香、(15)」
22銀、(12)、14飛、(14)、13歩、(13)、21銀迄39手詰。
イ(-)なら26と寄・香、(26)、26と・香(26)、27金以下。
・手順表記の例
23歩成・歩:23歩成としたら、歩が取れた
(87):87にいた先手の駒が取られた
(-):後手の着手についての情報が得られなかった
こちらは衝立詰。飛で成香を取る度に、玉が上に行ったのか下に行ったのかを確認する為に香を捨てることになる。纏め方もさっぱりしていて、全体を通しての感触も悪くない。
(3)橋本 哲
対鮮詰(カピタン5号 昭和51年11月)*修正図
12歩、同玉、22歩、同飛、13歩、同玉、23歩、同飛、14歩、同玉、
24歩、同飛、15歩、同玉、25歩、同飛、16歩、同玉、26歩、イ同飛、
17歩、同玉、27角生、同玉、28香、同玉、29桂迄27手詰。
イ同玉は27角生、44玉、56桂、55歩、45歩以下。
簡素形から、所謂夏木立型の趣向が展開される。意味付けも「27桂を角で取ったときに、飛で取り返されないため」という、至ってシンプルなもの。
実は本作、発表時には37香が玉方48歩だったため不詰だった。(26歩を同玉とされた変化が27角生、44玉、56桂、33玉で逃れ。56桂を打たずにすぐ45歩とすると、同飛、同角、99玉!と逃走され、以下89飛、88桂で詰まない)
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