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2016年01月10日16:30

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「大きい病院へは紹介状を持って受診」が当然。

「大きい病院」には名医がいる、のではありません。
同じ専門科(たとえば産婦人科)でも、できる検査の数が多かったり、
より詳しい検査ができる、入院や手術ができる、というだけの話です。
検査によっては一泊の入院が必要だったり、
検査後に出血が増えるなど夜間の受診に備える必要あったりしますが、
入院ベッドのない、夕方6時で閉まるクリニックでは不可能なので、
「大きい病院」に紹介させていただくわけです。
街のクリニックといくつも診療かのある大病院は
そもそも役割が違うのであって、何の病気でも
「心配だから大きい病院へ」という認識そのものが間違いなわけです。

もちろん地域の事情にもよります。
いわゆる開業医がいない田舎に町立の総合病院がいっこしかない。
こういう場合には紹介状もクソもなく、そこを受診するしかないので、
その場合には「紹介状なしなので5千円」はとられないはずです。

今はクリニック開業ですが、約20年間いわゆる「大病院」に勤務しました。
その経験からいくと、紹介状をもってくる方々は
「開業クリニックでは手におえない重症もしくはできない検査が必要」か
「明らかに入院手術が必要、もしくはその可能性が高い」方々です。
その判断をクリニックの先生がたがやってくださっている。
いわば、「大きい病院」の手助けをしてくださっているのです。
「医師不足」の時代、大きい病院でも医師数はじゅうぶんではなく手一杯、
だからそういう手助けは本当にありがたいのです。

反対に紹介状のない患者さんで、お話を聞くと
どう考えても産婦人科以外の疾患、の場合があります。
そういうときに病院内で他科に紹介できればいいのですが、
今は「入院患者以外は院内外来紹介は受けない」場合も多いのです。
たとえば「@@病院の整形外科は予約待ちが長い」から
「とにかく何科でもいいから早くかかれるとこに受診」して
「院内から紹介してもらえたら早く受診できる」と考えている方々が
とーっても多い、だから防衛手段をとらざるを得ない、わけですね。

「大きな病院」がいくつかある場合、どこに紹介してほしいか、は
患者さんが選ぶことができます。
いえむしろ、患者さんに選んで欲しいです。
交通手段をどうするとか家はどこに近いとか親類が勤めているとか、
患者さんの個人事情でかかりたい病院が違いますので。
「街医者は自分の母校の大学病院ばかり紹介する」から「癒着する」とか
勘違いなことを日記に書いている方もいましたけど、
紹介患者ひとりでいったい何の癒着が?
今はむしろ、大学病院のほうが「経過を見ている軽症患者」を
街のクリニックになんとかして「逆紹介」したくて大変、
よほど重症か特殊な疾患でないなら紹介しないでほしい、のです。

先日、お医者さんがやっているブログで、
「患者さんが何科にかかればいいかわからない」というので事務員が
「腹痛なら内科」と判断したら実は尿路疾患で
「これは泌尿器だろ」と医者に逆ギレされる、という話がありました。
事務員さんは専門知識ないですしね、責めちゃいけないって話なんですが、
それにしてもこの患者さんが「おなか痛いから内科」って自分で考えても
やっぱり同じことになったはずです。
患者さんだって、具合悪い本人ではあるけど何科に行けばいいかはわからない、
だから近くのクリニック、かかりつけで判断、紹介してもらったらそんな不便もないでしょう。
ウチにもきますよ、診察のあと「他に聞きたいことないですか」って言うと
「婦人科と関係ないと思うんですけど」と
何科にかかればいいかわからない病気の相談をされることけっこうあります。
自分で考えて紹介状書きます。
もちろん間違っていることもありますが、シロウトさんが自己判断で受診するより、
当たっていることのほうが多いと思いますよ。


「紹介状なしの受診」負担増に賛否
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=29&from=diary&id=3795863
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