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2016年01月08日23:15

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温故知新(詰パラ514号)

 詰将棋についてあれこれ書くのは、相当久しぶりだ。しばらくプロブレムのことばかり書いていたので、感覚が微妙に狂っているかもしれないが(「理」が全てのプロブレムと「情」が混じる詰将棋とは、評価の仕方も全然違う)また好き勝手に書いていきますので、宜しくお願いします。

 さて、今日読んでいるのは詰パラ514号(平成11年1月号)。目についた作を2作選んでみた。

原亜津夫
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(詰パラ 平成11年1月号)

41角、32桂、同角成、13玉、25桂、同桂、12金、同香、14馬、同玉、
12飛成、13合、16香、15合、26桂迄15手詰。

 12金と準備工作をしておいて14馬と放り込むのが、作者狙いの一手。わざわざ逃走を手助けするような捨駒の感触は、以下の若島作の変化順を彷彿させる。やはり一流作家たちの感覚には共通するところがあるのだろう。
 ちなみに、平均点は2.37と、余り高くない。2箇所の合駒非限定が解答者には嫌われたようだ。

参考図 若島 正
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(詰パラ 平成4年10月号)

22銀成、同玉、25香、23飛、同香成、同玉、21飛、14玉、64飛成、44桂、
同龍、同歩、26桂、同銀、24馬迄15手詰。


もう一作は、短期段位認定特別懸賞から。

大橋健司
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(詰パラ 平成11年1月号)

26馬、イ28玉、37角、ロ18玉、27馬、同玉、A38銀、18玉、27銀、同玉、
26飛、18玉、58龍、同金、19歩、同と、28飛迄17手詰。

イ同玉は35龍、同玉、36飛、45玉、34角以下。
ロ同香成は同馬、同玉、35龍、27玉、38龍、16玉、26飛以下。
A26飛は37玉、46龍、48玉、38銀、39玉で逃れ。

 初手26馬!と飛び出すのが、この作者らしい強烈な一撃。7手目慌てて26飛とせずに47銀を先に消去しておくのが変化伏線となっており、これに気付けば、以下は龍を捌いて軽く収束する。

 しかし残念なことに、本作には初手より36銀、同香、57龍、37金、38馬以下の余詰があった。結果稿には「修正は容易だと思う」とあったが、調べれば調べるほどに、変化・紛れが微妙なバランスの上に成り立っていることが分かってくる。こんな力任せの余詰筋も、実際に修正しようとすると、上部に駒を足すことなく消すのはなかなか困難なのだ。
 なんとか柿木の助けを借りて修正案を作ってみたが、どうだろうか。香一枚増えてしまったが、原作の雰囲気は損なっていない心算なのだが…。

(高坂修正案)
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