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2015年11月12日18:38

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今月のLC外伝ネタバレ

師を失った祭壇星座(アルター)と、その教皇を暗殺した牡羊座…。激突必至!
牙を剥く圧倒的小宇宙、背信者は最強の黄金ッ!

老双子編第4話 混迷の聖域

ゲートガードの姿にハクレイが動揺する。
「バカな…。お前は最も教皇イティア様に忠誠を誓っていたはず。そんなお前がイティア様を殺した…?そんな事あってたまるか…!」
「だからこそよ!」
ゲートガードの胸部が光る。黄金の牡羊の姿をした小宇宙が吐き出された。
「フォースソア!」
「なに…!?金毛の羊が迫る…」
衝撃がハクレイを飲み込み、聖衣を砕いた。
「その金毛の羊は剥き出しの原始の力。私の内に広がる牡羊座の生命力よ。黄道十二星座一の宮である牡羊座は死界から新たに生まれる命の象徴。荒々しく天を駆け闇を切り裂く純粋な力の塊。私の身はその力を呼びだす門。さあ、積尸気使い(ハクレイ)よ。荒々しい命の渦に呑まれよ」
再び黄金の羊が吐き出される。
「く…、ゲートガード!」
セージも異変に気づいた。
「今…、兄上の小宇宙が大きくはじけた…」
『いけない…。教皇を失った今、兄上まで失うわけにはいかん…。兄上は必ずこの聖戦に必要になる。兄上のもとへ行かねば…。だけど…』
「何か考えている顔をしてるなァ」
牡牛座のフランキスカが立ちはだかる。
「だけどあんたのそんな顔は嫌いじゃないんだ」
「フランキスカ…。目を覚ませ…」
『今は…彼を倒さないと…。いや…!倒すわけにはいかん…。彼の魂に巣食う死界の蝶(フェアリー)を取り除き正気に戻す…!しかしどうすればいい?本気で殺しにかかる黄金相手に…。しかも彼の恐るべきところは…、あの…』
「これ以上、思考はさせないぜ…!」
フランキスカが腰をかがめ、セージに向かってタックルをする。
「ブルリングスパイク!」
『黄金一のパワーと瞬発力!』
「ぐぉ…、おぉオオ」
セージはフランキスカを受け止めた。
「ハハ!流石!今度ははじき飛ばされなかったか…」
『捉えるだけで精一杯とは…』
「頑張るなァ!だったらこのまま…力比べと行こうじゃないかー!」
「くっ…、おぉおぉお!」
セージの拳がフランキスカの顎を打つ。牡牛座のマスクが飛んだ。フランキスカはバック転し、攻撃を避けた。
「射程圏内…!」
再びフランキスカが迫る。
「冥界波!」
だがその攻撃はフランキスカの腕ではじかれた。
「目潰しにもならんよ…!」
二度、三度、とフランキスカの攻撃がセージに決まる。
『考える時間など与えん…!ここは既に俺が主導権を握る闘牛場(ブルリング)。セージ…!あんたはただなぶり殺されるだけの闘牛士(ブルファイター)よ…!さあ』
「止めだーッ!」
その時、フランキスカがとらえたセージの体が燐光となって消えた。
「なに…。セージの体が糸のようにほどけた…?」
フランキスカの魂が肉体から離れる。
「な…、なんだこれはー!?」
フランキスカの魂と彼にまとわりつくフェアリーが冥界波にとらえられた。
「これは幾重にも冥界波の霊魂がからみついている…。いつの間に…」
「洗脳されても戦法は直球だな。だが、私はお前のそんなところは嫌いじゃないぞ、フランキスカ」
セージがフランキスカを見下ろす。
「そんな…。俺の闘牛場(ブルリング)は完璧にあんたを捉えていたはず…。どうしてそんなすました面(ツラ)してるんだ、あんたはー!?」
「いいや、実際危うかった。冥界波で気がそれた一瞬の隙がなければな。その一瞬の間に霊魂たちを集めて私の形を成して貰ったのさ。お前が自ら霊魂の網にからめとられるようにな」
「はめたな…。ふざけるな、セージ!正々堂々と勝負だ!」
「いいとも!」
にこりとセージが笑う。
「お前が正気に戻ったらな」
パチン、とセージが指を鳴らすと、青い炎がフェアリーを焼いた。
「うわぁあああ!」
ゲートガードが教皇を暗殺した場面をフランキスカは思い出した。
『よせ。やめろ、ゲートガード。教皇様だけは。お前の方が死んでしまう…』
洗脳された彼はじっとその場面を見つめていた。
「ゲートガードーッ!」
フランキスカが意識を取り戻す。
「……。セージか…?」
「戻ったのか…?フランキスカ…!?」
セージの肩をフランキスカが掴んだ。
「フランキスカ!?」
「すまない、セージ…。どうして俺はあの時ゲートガードを止めなかったのだろう…。止めなければ…、あいつもこの宿舎近くに来ている…!」
「なんだと…!?ゲートガードが!?」
「イティア様を殺(や)ったのは奴だ…。どうしてか皆…俺も…奴の所業を良かれと眺めていた…」
「馬鹿な…。彼が…?」
『死界の蝶(フェアリー)を操り皆を洗脳していた元凶…』
「急がねば…。あいつは既に箍(たが)が外れている…。あいつはアテナ以上にイティア様を慕っていたはずなのに…」
『それはそんな彼の掲げる理想の世界…。そこまでして実現せねばならんのか、ゲートガードよ!だが…だとすれば、兄上が危ない…!』
ハクレイはゲートガードに打ち倒されていた。
『まずい…。肋(あばら)が何本かやられたか…?上手く呼吸ができない…』
「哀れだな。白銀聖衣は」
「なんだ…と?」
「今の一撃二撃、黄金聖衣ならばこれほどのダメージではなかったであろう。祭壇星座…。他の白銀聖衣よりは造りは丈夫のようだが」
ゲードガードはハクレイの首をつかみ、彼を地面に叩きつけた。
「かっ…」
「これが教皇補佐の限界か…!?お前の実力は本来、私たち黄金と同等のはず…!それで教皇様の何を守るつもりだったのだ。自分の本来の力も発揮できぬ場所で…。何故、黄金聖衣を捨てた…?何故…あの方はそんなお前をご自分の代理にと据えられたのだ…!」
「…っ。さてな…。俺のほうが聞きたいくらいだ…」
「お前は昔からそうだったな…。自分の立場を知ろうとしない。修行の合間をぬっては雑兵や青銅候補生と戯れ、目上の者にも遠慮もない。教皇様直々に指導される名誉にも頓着なく、黄金聖闘士候補生としての自覚も誇りもない。無責任に聖域の調和を乱していた!」
「ハハ…。そう見えたか…?」
「お前にあの方の守ったものは守れん!お前は…死ぬべきなのだ。ハクレイーッ!」
ゲートガードが小宇宙を高める。
『まずい…。この至近距離でフォースソアを食らえば確実にやられる…!』
その時、矢がゲートガードの胸を貫いた。
「何だ、この矢は…。実体がない…?…まさか…」
「大事な話の最中、割って入ってすみませんねェ。俺みたいな白銀の分際でね」
それは矢座のアルコンの攻撃だった。
「矢座(サジッタ)…。貴様…」
「アルコン…逃げろ…。俺に構うな。ゲートガードはお前がかなう相手じゃないぞ!」
「元からお前なんざ構ってねえよ。ハクレイ…。俺は単にこの方のやり方が気に食わねえんだ!」
「ほう」
ゲートガードの視線にアルコンがびくっと震える。
「さっきまで頭に鳴り響いていました…。まるで黄金以外価値がないような…。いや…貴方にとっては教皇様以外は皆、無価値なんだ…!だから仲間も操れるし、こうして火までかけさせる…。冗談じゃねえ!」
「優れた者や思想を優先する事の何がいけない?」
「!」
「価値がないとは言わん。だが白銀には白銀に相応しい扱いがあるというだけだ。その結果、お前たちが廃棄・死亡に陥るのならば、それはお前たちがより劣っているからに他ならん」
「ふざけるな!そんな黄金様、こっちにとっても価値がねェ!いいやもう…あんたはアテナの聖闘士ですらねェー!」
アルコンがゲートガードに攻撃をしかける。その攻撃をゲートガードは聖衣でははじいた。
「避けもしねェ…」
「やはり白銀に大局は見極められんか…」
ゲートガードがフォースソアを放とうとする。その背後から、ハクレイが彼の頭に一撃を喰らわせた。
「お前の言葉、真意ではないと信じているぞ、ゲートガード…。確かに以前から俺にとっては、黄金だ白銀だ青銅だとか大した差はない。だからなゲートガードよ。見てみるか?白銀の…、祭壇星座の真の力をな…」
◆聖域を預かる者としてこの闘い、負けられない!


作者コメント:来年はどんな年になるのか、今から妄想するのは気が早いかしら。


相変わらず教皇が好きすぎてヤンデ〜レなゲートガードさん。地味に白銀のアルコンの活躍もいいです。次の話で完結かな?
LC外伝14巻、12月8日発売。「牡羊座と時の神(カイロス)、因縁決着!時の神・カイロスの陰謀から、教皇シオンは地上を守れるのか!?さらに幻の読み切り、ユズリハ外伝も収録!」

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