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2015年11月10日22:56

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(38)

(37)Luigi Ceriani(FIDE-Turnier 1957, 3rd Prize)
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局面をほぐせ(15+12)

 なくなった駒は白がPのみで、黒はQRSPの4枚。白側の駒取りはb5,c3,e3,f7のPによるもので尽きている。一方黒側の駒取りはPg6によるものだけなので、これよりh筋の白Pとa筋の黒Pはいずれも成っていることが分かる。白はc3で黒駒をuncaptureできるので、これをa1でunpromotionしてa5まで戻し、Pa4xSb5とできれば、局面をほぐすことができそうだ。では、それを目標に手を進めてみよう。

 さて、初手は1.Ke7-e8+と戻すしかなく、黒も1...Ba5-b6とする他ない。ここで2.Pb2xQc3として黒Qを復活させ、この成を戻せばよさそうなのだが…。

1.Ke7-e8+ Ba5-b6 2.Pb2xQc3 Qa3-c3 3.Pg4-g5 Qa1-a3 4.Pg3-g4 Pa2-a1=Q 5.Pg2-g3 Pa3-a2 Pf3-f4 6.Pa4-a3 Pf2-f3

(失敗図)
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 黒Bが邪魔をして、Pa5-a4と戻すことができない。ここで黒Ba5がb6にいたらいいのに…。これを実現する手段は勿論tempo moveであり、それが可能な駒は白Kしかない。それに気づけば、作者の構想も見えて来る筈だ。

1.Ke7-e8+ Ba5-b6 2.Pb2xRc3 Rd3-c3 3.Pg4-g5 Rd6-d3

(図1)
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QではなくRを戻し、それをd6に挟むことで白Kを開放し、右上隅でtriangulationさせる。そのあと先程の筋に入れば、求めるBb6の局面が得られる訳だ。

4.Ke8-e7 Bb6-a5 5.Be7-f8 Ba5-b6 6-12.Ke8-f8-g8-h7-h8-g8-f8-e8 Bb6-a5 13.Bf8-e7 Rd1-d6 14.Ke7-e8

(図2)
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これで黒Ba5をb6に移した局面が得られた。あとは予定通り、黒Rをa1でunpromotionすればよい。

14...Ra1-d1 15.Pg3-g4 Pa2-a1=R 16.Pg2-g3 Pa3-a2 17.Pf3-f4 Pa4-a3 18.Pf2-f3 Pa5-a4 19.Pa4xSb5 Sd4-b5

(図3)
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 メインテーマはこれで解決済みなのだが、完全にほぐすにはもう少し手間がかかる。黒Kが動けるようになる迄の手順は以下の通りだ。

20.Pa3-a4 Sb5-a7 21.Qa7-b7 Sc3-b5 22.Rb7-c7 Sb3-d4 23.Bf3-c6 Kd5-c5 24.Bg4-f3+...

(図4)
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この後は白RとBをそれぞれ初形位置に戻してからPd2xe3と戻し、白Qをh8でunpromotionすればよい。


(38)Luigi Ceriani(La Genesi delle Posizioni 1961)
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h筋の黒Pの初手は?(13+13)
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