レトロプロブレムの世界（15-2）

2、長手数記録

　プルーフゲーム作家たちの最初の関心事の一つは、できるだけ長手数の作品を作ることだった。実際、私のコレクションの中で最も古い作品（2）は、25年間その記録を保持していた。この点で私のコレクションは明らかに不完全であり、読者がこの記事の間違いを指摘してくれたら有難いと思っている。例えば、初めて作られた完全限定のプルーフゲームはどの作品なのだろう？（多分(2)ではないと思うが…）

a)長手数記録

(2) T.R.Dawson(Reading Observer 1913)　　　　　

Proof Game in 14.5 moves (9+16)　

1.e4 h5 2.Bb5 h4 3.Bc6 bxc6 4.Qh5 Bb7 5.Qd5 cxd5 6.Sf3 dxe4 7.0-0 exf3 8.Re1 fxg2 9.Re6 dxe6 10.b4 Kd7 11.Bb2 Kc6 12.Bf6 Kb5 13.c4+ Ka4 14.Sc3+ Ka3 15.Re1 gxf6.

優れたパイオニアだ！この記録は長年破られず、初期の作家たちのこの分野に対する意欲の欠如が明らかになった。1938年にT.R.DAWSONは「究極のテーマ」と題した文中で「この条件が、今よりも遥かに先に進むことを期待する」と書いている。恐らく、運命を変えるにはこれで充分だったのだろう。というのは、既に知られているように、まさにこの年L.CERIANIによってこの記録が破られたのだから。

(3) K.Fabel(Am Rande des Schachbretts 1947)

Proof Game in 41.5 moves (13+14)

しかし、1947年にDr. Karl FABELが(3)により一気にバーを引き上げた。
1.Sf3 a5 2.Sd4 a4 3.Sb3 axb3 4.a3 Ra4 5.Ra2 bxa2 6.Rg1 axb1=S 7.Rh1 Sc3 8.Rg1 Sb5 9.Rh1 Sa7 10.Rg1 b5 11.Rh1 Bb7 12.Rg1 Bd5 13.Rh1 Ba2 14.b3 h5 15.Bb2 h4 16.Bf6 h3 17.Bh4 Sf6 18.Qa1 Sh5 19.Qf6 Rf4 20.Qa6 e6 21.Kd1 Qg5 22.Kc1 Qg3 23.hxg3 Bc5 24.gxf4 Be3 25.Bg3 Ke7 26.Bh2 Kf6 27.g3 Kf5 28.Bg2 Kg4 29.Ba8 Sbc6 30.Kb2 Rb8 31.Ra1 Bb1 32.Bg1 h2 33.Kc3 Kh3 34.Kd3 Kg2 35.Ke4 Kf1 36.Kf3 Ke1 37.Kg4 Kd1 38.Kg5 f6+ 39.Kg6 Kc1 40.Kf7 Sd8+ 41.Ke8 Kb2 42.Ra2+。素晴らしい構図だ。私が解答者として初めて戦慄を覚えた作品でもある。