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2015年09月26日22:56

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レトロプロブレムの世界(14-2)

(18) M.Caillaud (Die Schwalbe 1984)
フォト
SHC#36 (7+9)

(18)は(全く暫定的なものだが)長手数の記録作だ。詰める為には、黒に2つの黒枡Bが必要とされる。6.Kg3! 7.Sf3! 8.Rd5!(en passantの局面において、白K及び白Pc6の戻し手を全て封じ込める必要がある)9.Sf5 10.S5xd4 11.Sb5! 12.Qc5! 13.g1=B 15.Bxd2 16.Ba5! 18.d1=Q 20.Qxh6! 21.Qh3! 22.Kh4!(白の最終手はg2-g4)23.fxg3 e.p.!(白の最終手はg4-g5かf4xg5。24.Kxg5?は禁じられている)25.g1=B 26.Bh2 27.Bb8 28.Bac7 29.Kxg5!(白の最終手はKa5-a6)33.Kc8(これで漸く黒Kの長旅が終わる)34.Rd8 35.Qd7 36.Bb7+ cxb7#.


8 終わりに

この分野は比較的新しく、正式な規則が定まっていない。そしてそのことが幾つかの問題を引き起こしている。

1)この種のプロブレムは「フェアリー」として載せるべきなのか、それとも「レトロ」として載せるべきなのか(現在のところ、それは混在している)。レトロを含むseries consequentの問題はしばしば「軽い」し、複雑なレトロ解析の問題と比べて容易に比較することができる「古典的」なseries problemと一緒に出題するのは理にかなっているように思える。しかしながら、正式な規則がないために、どちらのセクションに投稿するかは作家に委ねられている。

2)shc#nと書くべきなのか、それともsh#nと書かなければならないのか? この記事の最後の3作では、en passantがこの表記に敬意を表する唯一の手段である。これらの作品は、いくら手数が分かっていても通常の方法では解くことができない。理論的な解答者は、余計な“c”の文字無しで解答を見つけることができるに違いなく、この文字は解答者から驚きを奪い取ってしまうだろう(勿論、このような作品がレトロセクションに発表されれば、en passantを発見した驚きはやや小さくなってしまうだろうが…)。
繰り返すが、正式な規則がないのが問題なのだ。単なる慣習によって「古典的」なseries problemと比較した上で“c”を付け加えているに過ぎない。この議論はまだ解決を見ていない。
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