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2015年09月23日22:07

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プロパラを振り返る(143)

 今日読んでいるのはプロパラ60号(April-July 2013)。フェアリーコーナーに若島さんの透明駒を使った作品が2題あったので、それを紹介しよう。

(274)若島 正(Problem Paradise no.50)
フォト
H#3 Circe (1+1)
Invisibles (1+0)

Circe:駒を取るとき、取られた駒は初形位置に再生する。R及びSの初形位置は、取られた場所の桝目の色によって決まる。Pの初形位置は取られた筋の2段目、フェアリー駒の初形位置は、取られた筋の8段目。取られた駒の初形位置が他の駒によって占領されているときは、その駒は通常通り盤上から消える。再生したRはキャスリング可能。
Invisible:盤上に存在するが、姿の見えない駒。その駒種と位置の両方が確定した瞬間に、その透明駒は透明性を失って普通の駒となる。駒取りやメイトは、証明なしでは主張できない。

1.Kc3! Kc1! 2.Kb3 Rd3+ 3.Ka2 Ra3#

 白の初手がキャスリングを意味しているのは明らかだが、問題は黒Kの軌跡。一見、d4-c4-b3と動いても良さそうに見えるが、これだと出題図の直前の白の手がなくillegal!つまり、白Ra1は最初からここにいたのではなく、黒Kがc3で取ったことによってa1に再生したRなのだ!ここにさえ気付けば、後は分かりやすいfairymateが待っている。


(275)若島 正(Problem Paradise no.50)
フォト
H#2.5 Circe (2+2)
Invisibles (1+1)

1...cxb6! 2.Ixb6! I-- 3.Qd8 Ixd8#

 まず、黒が再生した透明駒でPb6を取ったことから、黒の透明駒はQに確定し、更にその黒Qに取られた白Pが再生しなかったことから、b2に白の透明駒がいることも分かる。これが2手目にQb6のチェックを防いでいることからBかQであり、最終手でこれがQに確定する。
 僅か2.5手の中で展開される、濃密な論理の連鎖。透明駒の面白さが凝縮された好作。
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