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2015年09月16日23:28

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プロパラを振り返る(142)

 今日読んでいるのはプロパラ59号(July-September 2012)。表紙が白黒反転している号だ。中のページでもチェス盤の色が薄い箇所があり、非常に見辛い。考えてみると、将棋盤は縦横に線を引いて枡目を作っているが、チェス盤は市松模様に色分けすることで枡目を作っているんだね。

(273)上田吉一
フォト
H#37 (4+2)
UltraSchachZwang, Transmuted Kings
PWC, White Maximummer

UltraSchachZwang:黒は常に白にチェックをかけなくてはならない。
Transmuted Kings:チェックをかけられると、そのKはチェックをかけた駒の動きになる。
Platzwechselcirce(PWC):駒を取るとき、取られた駒は取る駒が直前にいた位置に再生する。8段目に発生したPは任意の駒に成れ、その選択は取りを行った側が決められる。1段目に発生したPは動けない。
White Maximummer:隣接する桝目の中心から中心までの距離を1とするとき、白は可能な着手の中で移動距離が最大の手を指すという条件。移動距離が最大の手が複数あるときには、白はその中から選択できる。チェック及びメイトに関しては、オーソドックスと同じ。

1.Rxe6(Bf6)+ Ka7 2.Ra6+ Kf7 3.Ra7+ Be7 4.Rxe7(Ba7)+ Kf1 5.Re1+ Kf8 6.Rf1+ Bf2 7.Rxf2(Bf1)+ Ke8 8.Rf8+ Ke1 9.Rxf1(Bf8)+ Ke8 10.Re1+ Be7 11.Rxe7(Be1)+ Kf8 12.Rf7+ Ke8

(途中図)
フォト

 H#37というのはかなりの長手数だが、黒にはUltraSchachZwang、そして白にはMaximummerという強い条件がかかっており、思った程紛れはない。作者もそれを考慮して、やや長めの序を付けたのだろう。
 12.0手進むと上のような局面が得られ、やっとここから趣向手順が始まる。

「13.Rf8+ Ke2 14.Rf2+ Ke8 15.Re2+ Kf8 16.Rf2+ Bxf2(Re1)」
「17.Re8+ Kf3 18.Re3+ Kf8 19.Rf3+ Ke8 20.Re3+ Bxe3(Rf2)」
「21.Rf8+ Ke4 22.Rf4+ Ke8 23.Re4+ Kf8 24.Rf4+ Bxf4(Re3)」
「25.Re8+ Kf5 26.Re5+ Kf8 27.Rf5+ Ke8 28.Re5+ Bxe5(Rf4)」
「29.Rf8+ Ke6 30.Rf6+ Ke8 31.Re6+ Kf8 32.Rf6+ Bxf6(Re5)」
「33.Re8+ Kf7 34.Re7+ Kf8 35.Rf7+ Ke8 36.Re7+ Bxe7(Rf6)」
 37.Rf8+ gxf8=S(Rg7)#


 ここから徐々に、白Bが図巧第一番のようなジグザグの軌跡を描いて昇っていく。サイクル中にKとRが大きく動くのは視覚的にも楽しいし、どのフェアリールールも手順中にしっかり活かされている。そして、当然のことながら全く配置にも無駄がない。まさしく匠の業という感じだ。
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