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2015年09月14日23:26

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Grid Chessの将棋への導入に関する一私案(その2)

 多分誰も見てくれていないと思うので、早々と解答をしてしまおう。

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局面が合法かどうか判定せよ
b)27銀→金

 まずa)から。27銀は現在王手をかけているが、直前に動いた駒ではない。(ルール上、この銀は28や38から27へは動けない)よって、これを打ったのが先手の最終手である。
 では、その直前の後手の手は何だろうか?すぐに分かる通り、それは17飛打だ。この飛を持駒に戻すと、更に18飛で後手玉に王手をかけている局面が現れる。19香もいるので、先手は48〜98に居た飛が18で何か後手の駒を取ったことになるが、さてその駒は何だろうか?

(図1)
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 先手の持駒はこの時点で銀と歩。しかしこれらを戻そうとしても、18歩・18と・18銀・18成銀はいずれもillegal positionなので(理由は各自考えてみて下さい)、結局この局面は非合法だったことになる。

 では、同様に考えるとb)も非合法なのだろうか?一見そう思えるかもしれないが、こちらには意外な抜け穴がある。つまり、26金/27とと戻すのだ!

(図2)
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 ルール上26金は16玉に王手をかけておらず、これは合法な局面である。27が塞がったので後手は17飛を戻す必要もなく、このあと後手玉は悠々と25-34…と逃走することができる。

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 Grid Chessの将棋への導入について、考えたことをもう少し述べておこう。前回書いたように、「行き所なき駒の禁」と組み合わせると、ルール上22金打は先手後手とも禁手となる。では、先手14桂はどうだろうか?実はこれもまた禁手なのだ。

(図3)
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legal position?

 というのは、考えられる次の着手は22桂成しかないが、この成桂はもはや自力では動けない。従って、この成は反則となる。すると、反則手以外に次に指せる着手がない以上、この14桂もまた「行き所なき駒」ではないか!

 これと同様のロジックを使うと、「任意の局面において、初形位置にある歩は一度も取られていない」ということが証明できる!(勿論、桂もそうである)
 フェアリールールを採用しない限り、チェスプロブレムにおいて「初形位置にあるポーンは一度も動いていない」というのは自明な事実だが、将棋において「盤上の駒が初形からそこにあったものであり、持駒を打ったものではない」ということがルールから証明できたのは、恐らく初めてなのではなかろうか。
 レトロをやる為にはこの種の強い制限が必須であり、Grid盤は適度なそれを与えてくれるのではないかと、私は期待している。
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