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2015年08月26日22:59

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プロパラを振り返る(139)

 今日は、何度目かの上田祭りです。

(267)上田吉一(Problem Paradise 58 04-06/2012)
フォト
H#18 (2+1+1)

UltraSchachZwang, K-Madrasi, PWC
All-in-Chess
Neutral Eagle b5
(0,1)-Leaper h8

UltraSchachZwang:黒は常に白にチェックをかけなくてはならない。
K-Madrasi:「同種の敵の駒から取りを掛けられると、その駒は動けなくなる」というmadrasiのルールをKにも適用したもの。
Platzwechselcirce(PWC):駒を取るとき、取られた駒は取る駒が直前にいた位置に再生する。8段目に発生したPは任意の駒に成れ、その選択は取りを行った側が決められる。1段目に発生したPは動けない。
All-in Chess:自分の手番で相手の駒を動かすことができる。ただし、1手前と同一局面に戻すような手は禁手とする。
neutral piece:黒からも白からも動かすことができる駒。
Eagle:Qの筋で、駒を一枚飛び越してから進行方向と90度をなす地点に着地する駒。そこに相手の駒があれば取れる。

 1.nEAb7+ nEAa8
「2.nEAh7+ 01xh7(nEAh8) 3.nEAg7+ 01xg7(nEAh7) 4.01g8+ nEAa8」
「5.nEAg7+ 01xg7(nEAg8) 6.nEAf7+ 01xf7(nEAg7) 7.01f8+ nEAa8」
「8.nEAf7+ 01xf7(nEAf8) 9.nEAe7+ 01xe7(nEAf7) 10.01e8+ nEAa8」
「11.nEAe7+ 01xe7(nEAe8) 12.nEAd7+ 01xd7(nEAe7) 13.01d8+ nEAa8」
「14.nEAd7+ 01xd7(nEAd8) 15.nEAc7+ 01xc7(nEAd7) 16.01c8+ nEAa8」
17.nEAc7+ 01xc7(nEAc8) 18.nEAb7+ 01xb7(nEAc7)#

(0,1)-Leaperを踏み台として、7段目と8段目をNeutral Eagleがぐるぐる回転する趣向。最後、黒が19.01b6(b8)??とすればチェックを外せるように見えるが、実はこれはselfcheckになっている。


(268)上田吉一(Problem Paradise 58 04-06/2012)
フォト
H#14 (2+1+1)

UltraSchachZwang, K-Madrasi, PWC
All-in-Chess
Neutral Eagle a8
(1,1)-Leaper b7

「1.11c8+ nEAh3 2.nEAb7+ 11xb7(nEAc8) 3.nEAc6+ 11xc6(nEAb7) 」
「4.11d7+ nEAh3 5.nEAc6+ 11xc6(nEAd7) 6.nEAd5+ 11xd5(nEAc6) 」
「7.11e6+ nEAh3 8.nEAd5+ 11xd5(nEAe6) 9.nEAe4+ 11xe4(nEAb7) 」
「10.11f5+ nEAh3 11.nEAe4+ 11xe4(nEAf5) 12.nEAf3+ 11xf3(nEAe4)+ 」
「13.11e2+ nEAh3 14.nEAf3+ 11xf3(nEAe2)#

 (267)は横回転だったが、WazirをFerzに代えて斜め方向の回転を実現したのが本作。原理はほぼ同じだが、動きとしてはこちらの方が美しいのではないだろうか。上田さんが詰将棋でも角使いの名手だったことを思い出させてくれる。
 こうして飛ver.と角ver.(のようなもの)を両方律儀に作るところなどは、やはり久留島喜内の影響なんだろうな。

 Uコーナーでは、二玉詰のオーロラシリーズが5題も載っている。実はこれらの作品群は、どれも以前上田さんから私信を頂いたときに見せてもらっていたのだが、そこにはもう1作二玉詰があった。それが「オーロラ3」だ。今日は特別に、上田さん直筆の図面で紹介することにしよう。

上田吉一
フォト

(詰パラ 平成24年7月号、第24回妖精賞)
二玉詰 29手

89歩、同玉、35金、23玉、24金、12玉、11角成、同玉、66馬、55桂、
同馬、44桂、同馬、33桂、同馬、22桂、23桂、12玉、13金、同玉、
25桂、12玉、24桂、同飛、13桂成、同玉、24馬、同玉、84飛迄29手。

 序の4手が非常に見え難い。ここさえ乗り越えれば、連合原理は既に何度も見てきたものだ。最後は文字通りの両王手で、着地もピタリと決めて見せる。氏がどんな種類の作品を手掛けても、そこには紛れもなく上田印が刻まれている。
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