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2015年08月21日22:42

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レトロプロブレムの世界(12-1)

Series“Consequent”のプロブレム

3、非合法な局面の回避

 この分野は恐らく最も豊かな可能性を秘めているのだが、現在に至る迄余り開発されていない。回避の方法は、大きく分けると2つに分類できるように思われる。
A) 到達した不可能局面が余詰やキズを消している場合。((4)(5)(6)などがその例である)その局面を回避するには、単に合法な逆算をすればよい。
B) 条件を満足させるためにはある手順が必要であるが、それによって直ちに不可能局面が生じる場合。従って、問題の局面を合法化するような「事前工作」を前もってしておく必要がある。これが(7)(8)である。

(7) G.Yacoubian (Diagrammes 1979)
フォト
SHC#4 (5+14)

(7):黒Bb8は成駒である。1.gxf2とすると、この局面は白が指した直後の筈である。白の最終手はKh2xSh1であり、更にその前はSg3-h1となるが、これだと黒Pが9枚あったことになる!(黒Sが1枚、そして黒Bb8が成駒である)1.a1=R!という伏線により、これを回避することができ、後は2.gxf2! 3.f1=R 4.Rf7 Rxb8#と、スムーズに進めることができる。

(8) M.Caillaud (Diagrammes 1979, dadicate to G.Yacoubian)
フォト
SHC#15 (5+10)

(8):これもまた、1.Ra3? 2.Rxb3??と進めると白の最終手が存在しないというのが主題である。白Pg2を予め除去しておくという伏線により、白側にKg2-h1という最終手が与えられる。3.Rxg2 6.Ra8と事前工作しておいてから、8.Rxb3! 9.Rb5 10.Bb4 13.Kc4 14.Rc5 15.b5 b3#とすればよい。
 読者は、Rex Multiplex 14号のJ.DUPINの作品(R37)や、本号に載っている作品(R39,R40)も参照してみたまえ。

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