mixiユーザー(id:4632969)

2015年08月20日23:08

2444 view

今月のセインティア翔ネタバレ

☆アテナ沙織をお守りせねば…その思いを胸に美衣は!?
聖闘少女・美衣の体をエモニの悪意が蝕む…。

stage25☆誓い

『美衣さん!しっかりしてください…美衣さん!』
沙織が呼ぶ。
『沙織様…?』
血を流す美衣の傷口を沙織の手が押さえる。
『ああ…いけません。お手が…汚れてしまいますわ』
『美衣さん。こんなところで死んではなりませんよ!』
『沙織様…』
美衣はエモニの攻撃に傷つき、倒れた。現れたカティアがエモニと向き合う。
「誰?あなた…。せっかくいいところだったのに。邪魔しないでくれる?」
「わたしは冠座のカティア」
「ふうん…。このメイドさんのお友達かしら。もしかして助けに来たとか気持ち悪いことを言うつもり?」
エモニの蝶が氷結した。
「! あら…。お友達とお揃いの化粧をしてあげようと思ったのに」
「…お友達でも助けに来たわけでもない。わたしはやるべきことを果たしに来ただけだ。アテナ様のためにな」
「はぁ…、またそれ?「アテナ様のため!」ってバカのひとつ覚えみたいに。あんたたちなんて役立たずもいいところじゃないの!」
「アリシアは無防備状態でここに放り込まれでもしたのだろう。そうでもなければこんな子供だましの罠にまんまとひっかかるはずがない」
「なんですって?」
「…聖闘少女(セインティア)がこの程度だと思われては困る」
たちまち一面の花園が凍りついた。
「!」
不思議な空間だった庭がエリス神殿の石造りの一室に変わる。
「この広間は感覚を奪い幻を見せる花で埋め尽くされていた。気絶でもして香気を大量に吸い込みでもしなければ、すぐに見破れる」
「…ひどい。よくもわたしのお気に入りの庭をめちゃくちゃにしてくれたわね…。意地悪…!あんたたちみたいな女、大嫌いよ…。大人ぶって偉そうなことばっかり言って!ホントはわたしと変わらない子供のくせに…!ふたりとも…オモチャみたいにバラバラに壊してあげる!そうすればきっと…お母様にいっぱいご褒美をもらえるわ…!」
「……。お前…」
「お待ちなさい!」
その時、エモニを泡が取り巻いた。
「!?」
「その子の…相手…は…、私が…いたしますわ」
美衣が立ち上がる。
「カティア…、どうぞ先にお行きなさいな。あなた…躾のできていない子供の相手は苦手でしょう?さあ、急いで…!あなたは…アテナ様のためにやるべきことがたくさんあるはずですわ…」
「…わかった。ここは任せる。……。死ぬなよ」
「ええ」
「待ちなさいよ!みすみす逃がすとでも思うの!?」
「エモニ!」
泡がエモニを攻撃する。
「キャッ…」
「少しだけ…大人しくしていてもらいますわ」
「なんなの…死にぞこないのくせにまだ出しゃばって!そんなにあのアテナ様に褒められたいの…!?」
「……。そうね…。あなたのような子どもじみた気持ちが、私の中にもまだ残っていたのかもしれません。だからあなたの技に堕ちてしまった…。とうの昔に捨てたつもりでしたのに、情けないですわ」
『沙織様…。その気高い心に寄り添うと誓った…、私の心はまだ…』
修業時代のころ、美衣は花束を持って沙織を訪ねようとしていた。
「アリシア。傷はもう大丈夫なのか?」
「あら、カティア。ええ、もう平気ですわ。ご心配をおかけしました。これから沙織様にご挨拶に行こうと思いますの。何度もお見舞いに来てくださった御礼もしなくては!」
「……」
「…なにか?」
「アテナ様はここのところお元気がない…。毎晩うなされ、なにか思いつめていらっしゃるようなのだ。元気づけてほしい。わたしより世話役のお前が適任だろう」
美衣は沙織の部屋の扉の前に立った。
「沙織様、美衣です」
『沙織様…何かとご心労の多いお方だけれど。もしや私のことも過剰にご心配くださったのではないかしら。笑顔を見せて安心させて差し上げなくては!』
だが沙織の返事はなかった。
『お返事がない…』
「沙織様?」
『いらっしゃるはずなのに…』
ノックし、美衣は扉を開けた。
「失礼しま…」
その時、美衣の前にイメージが広がった。墓標の立ち並ぶ丘の上に沙織がたたずんでいる。
『え…?』
そのイメージは一瞬で消え、窓の前に立つ沙織の姿があった。
「あら…。美衣さん」
『今のは…』
「良かった…。元気になったのですね。大事に至らず本当に良かったです」
「沙織様のおかげです。お休みを頂いてしまいましたが、沙織様は…お変わりないですか?」
沙織ははかなげに微笑んだ
「ええ…わたしはなにも。死と隣り合わせの厳しい訓練に励んでいる皆さんに比べたら。いつも本当にありがとう、美衣さん」
美衣は沙織の部屋を出た。
『ちがう…。あれは…沙織様の…。過去?未来?それとも…心?…泣いていらっしゃった。神の宿命を背負ったあのお方のお心は…、私のような小さな人間とは違う。理解や共感を示すことなどできるわけがない。だとしたら、私にできることは…』
「クスクス…、クスクス…」
エモニが笑う。
「キャハ!キャハハハ!やっぱりあなたたちってバカだわ!あのアテナ…あなたたちをこんな目にあわせといて、聖衣以外なーんにも与えてくれないのね。戦わせるならすっごく強い力や肉体を与えてくれればいいのに…それもなし!ご褒美はたった一言の言葉だけ!そんな神のために死んでいくなんて本当バカよ!」
「エモニ…、あなたはまだ知らないだけですわ。人には…ただ守り支えたいという純粋な願いもあるということを」
「気持ち悪いって言ってんのよ…。そんなの全部ウソばっかりよ!なんの見返りもないことを続けても…、どんどん寂しくなって傷つくだけ!自分にご褒美をくれる人の言うことだけ聞いてればいいの…。それ以外はオモチャと一緒よ!だからあなたも…ズタズタになるまで壊してやるわ!イノセントグラムレス!」
エモニの攻撃を美衣は防いだ。
「!」
「エモニ…。あなたの利己的な感情は人ならば誰でも持ちえるのかもしれない…。けれど私たち聖闘少女(セインティア)には不要なものです」
「どうしてよ…。そんなのすごく痛いでしょ?なんでそんな苦しいことができるの…!?」
「沙織様がいらっしゃるからですわ…。私たちと同じく人という身でありながら、なんの見返りも求めず利己的な願いも捨て、地上の平和のためその命すべてを捧げようとしている沙織様…。そんなお姿を見ていれば、我が身を尽くしてお守りしようと思えるのです」
『そんな奇跡のような方を、お傍で支えるということ。それは、決して同じ場所には行けなくても、その気高さに少しでも近くあろうと思い続けること』
夜空を見上げて一人で涙を浮かべる沙織。美衣は持ってきた百合の花をそっと沙織の部屋の外に置いた。沙織が花を手に取り、微笑む。
『そしてどんな暗闇でも絶対に枯れることなく、沙織様の心に咲き続ける一輪の花であり続けようと』
「それが…私の誓いなのですわ!ヘブンズメイルストローム!」
美衣の必殺技がエモニを撃った。
「…誰だって…枯れたくはないわよ…。でも仕方ないじゃない…。誰もがあなたたちみたいに…強く美しくなんて…」
エモニは白い花に変わった。
「白い…スミレの花…」
そして美衣はその場に倒れた。
アイオリアは黒髪のサガと対峙した。
「双子座のサガ!?どういうことだ…!?お前はアテナの御前で罪を償い自害したはず!」
「…自害?知らんな。わたしを否定し邪魔していた男が死んだだけのこと」
「な…に?」
『この男…』
「わたしは自らの行いを悔いてなどいない!そして神はこのわたしに再び命を与えてくださったのだ」
「なんだと…!」
『本当にサガ…なのか?姿形も…まとっている聖衣さえサガそのもの…。だがこの男の小宇宙は人とも思えぬような底知れぬ邪悪さを感じる…。彼は善と悪の顔を持つ極端な二重人格者だったというが…』
「まさか…。お前の悪の人格だけがエリスによって蘇ったとでもいうのか!?」
「クックック…そのとおりだ。だが勘違いするな。わたしが蘇ったのはあくまで己の野望のため」
「なに…?」
「肉体を離れたわたしの意識に声が聞こえたのだ…。己の願いのために戦えと。自身が地上でもっとも強い者であることを証明してみせれば、お前に地上を任せよう、とな!」
「バカな!」
アイオリアが拳を撃つ。それをサガは掌で防いだ。
「貴様の思い上がった野望のせいでどれだけの人間が犠牲になったと思っている!それを省みることもせず死してなお邪悪の誘惑に乗るとは…ッ!」
「フッ…」
「いや…お前は双子座のサガではない!サガの遺した悪しき亡霊!このアイオリアが今ここで成仏させてやる!行くぞ!」
サガとアイオリアが千日戦争の形に入った。
戦いが続くエリス神殿を聖域から牡羊座のムウと貴鬼が見上げていた。
☆邪神エリスのもたらす大いなる争いが黄金聖闘士たちに更なる闘争をもたらす!

作者コメント:真夏日、はんぱないです…。PC作業が過酷!

美衣さん、頑張った!そしてアイオリアと黒サガが因縁の対決!
付録は黄金聖闘士十二人のイラストブック。手代木史織(牡羊座シオン、牡牛座ハスガード、蟹座マニゴルド)、久織ちまき(双子座サガ、蠍座ミロ、魚座アフロディーテ)、岡田芽武(獅子座アイオリア、天秤座・紫龍、山羊座シュラ、水瓶座・氷河)、高河ゆん(乙女座シャカ、射手座アイオロス)。
ちなみに双子座サガのところの久織先生のコメント。「全員が強烈な個性を持つ「星矢」の登場人物の中でも、圧倒的な強さと神々しい存在感プラス二面性のインパクトでファン各々の中で理想像が確立している…その最たるキャラクターが双子座のサガだと思っています。セインティア翔では十二宮の戦いの前にアテナ沙織と会うエピソードがありましたが、最終的に会わせることに決めたのは〆切2日前でした…それくらい悩んで考える必要がありました。個人的には大好きな聖闘士の1人です。」…〆切2日前w無茶スケジュールすぎるww
エピソードGAの読み切りは紫龍の戦いの再録です。
『エピソードGA』4巻が8月20日発売。『セインティア翔』6巻が10月20日発売。

次へhttp://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1946228001
前へhttp://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1944305399
一覧http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1907600975
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年08月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     

最近の日記