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2015年08月18日23:16

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(27)

(26)Luigi Ceriani(The Fairy Chess Review 02/1958)
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局面をほぐせ(14+14)

 なくなった駒は白がSPの2枚で、黒はBPの2枚。特に黒Bf8は原型位置で取られている。また黒側の駒取りはb,c筋で尽きている。白はRを敵陣から引き戻す為に、Kとの間に遮蔽駒が必要だ。それになれるのは明らかにSa1しかない。従って逆算はまず以下のようになる。

1.Rc7-c8+ Ke8-d8 2-7.Bc1-b2-d4-f2-h4-g5-h6 Ke8-d8 8.Pb2-b3 Kd8-e8

(図1)
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 Bh6を引き戻したので、Pb2-b3を戻すことができ、これでSa1が解放された。ただ、これをすぐにe8(或いはd8)に入れようとすると、9.Sb3-a1 Kd8-e8 10.Sd4-b3 Ke8-d8 11.Se6-d4とした瞬間に、黒が手詰まりになってしまう。(これはSd6としても同様である)

(失敗図)
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 焦らずに、まずは黒の待ち手を作らなくてはならない。勿論それはh筋の黒Pの役目だが、その為には先にh筋の白Pをunpromotionしなくてはならない。戻されるのは当然Qa2である。そして、白Sはまず、このQの利きを遮るためにg8に行かなくてはならない。

9-13.Sg8-h6-f5-d4-b3-a1 Ke8-d8 14-16.Qh8-h3-b3-a2 Kd8-e8 17-20.Ph4-h5-h6-h7-h8=Q Kd8-e8

(図2)
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 後で白Rをh1に格納する為に、h筋の白Pはh4までしか戻せない。でも、これで黒Ph5をuncaptureすれば、黒には2手の猶予が生まれる。

21-24.Sh5-g3-f5-h6-g8 Kd8-e8 25.Sg3xPh5 Ke8-d8 26.Sf5-g3 Kd8-e8 27.Sd4-f5 Ke8-d8 28.Se6-d4 Ph6-h5

(図3)
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 これで失敗図に黒Ph6が加わった図が得られた。この膠着状態に終止符を打つには、黒に1手の猶予があればよい。

29.Sd8-e6 Ph7-h6 30.Rc8-c7 Sc7-a8 31.Pf3-f4 Sd5-c7 32.Rc7-c8 Qa8-a7 33.Se6-d8 Ra7-b7 34.Rb7-c7 Pc7-c6

(図4)
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 白Sを挟み込むことに成功してからも、実際にほぐすには少し手間がかかる。だが、ここはこの作品の本質的なところではないだろう。無駄な紛れもなく、論理の筋を手繰っていけば自然に解が見えてくるので、解後感は非常に良い。


(27)Luigi Ceriani(Probleemblad 01-02/1960)
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1手詰にできるのはどちらか?(14+13)
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