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2015年08月12日14:56

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(26)

(25)Luigi Ceriani(La Genesi delle Posizioni 1961)
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局面をほぐせ(15+13)

 なくなった駒は白がBのみ(Ba8は明らかに成駒)で、黒はSSPの3枚。白側の駒取りはa,b筋で2枚、それに最終手でh5にあった黒駒を取っているので、これで白側の駒取りは尽きている。また黒側の駒取りはg筋での1枚が分かっている。白がh5で取った駒はSだとして話を進めよう。白はa筋のPを戻せるし、黒もc筋のPを戻すことが可能だが、局面をほぐす為には、これらの待ち手を利用して黒Qf1を解放しなければならない。その為には黒Qと白Kとの間に遮蔽駒を2枚入れる必要があるが、現在の局面ではこれに使える駒がない。従って、uncaptureによって黒Sを発生させる必要がある。しかし、その前にピンされている黒Sh5を解放しないと黒が手詰まりになることが予想される。これに加え、a筋の黒Pがa5で取られている(これより下げると、Rがa8に戻れなくなる)ことを念頭に置いて逆算すると、以下のようになる。

1.Rh6xSh5+ Pc3-c2 2.Sh3-g1 Pc4-c3 3.Sf4-h3 Sf6-h5 4.Sh5-f4+

(図1)
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 まずこれで、黒Sh5を解放することができた。この黒Sをg1に挟めば白Kをh1に置くことができ、黒Kにも少し自由が生まれる。

4...Sd5-f6 5.Pa5-a6 Sf4-d5 6.Pa4-a5 Sh3-f4 7.Kh1-h2 Sg1-h3+

(図2)
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 続いて白Ba8をunpromotionし、戻した白Pで黒Sをuncaptureする。

8.Pa7-a8=B Kh3-h4 9.Pa6-a7 Kh4-h3 10.Pa5-a6 Kh3-h4 11.Pb4xPa5 Kh4-h3 12.Pc3xSb4 Sc6-b4

(図3)
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 これをh2に連れていけばいいかというと、そうはいかない。というのは、以下13.Kh2-h1 Sd4-b5 14.Kh1-h2 Sf3-d4 15.Pc2-c3 Sh2-f3と進むと、ここで白がretro-stalemateに陥ってしまうからだ。そこで、黒Sは一度身代わりになってもらった白Sと、再度交代する。黒は一体何を目論んでいるのか?

13.Kh2-h1 Sd4-b5 14.Kh1-h2 Sf5-d4 15.Kh2-h1 Pc5-c4 16.Kh1-h2 Kh3-h4 17.Pc2-c3 Sh4-f5 18.Sg3-h5 Pc6-c5

(図4)
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 白はもうc筋のPでtempoを稼ぐことができなくなったが、その代わりにh5のスペースを得た。これによって、しばらくの間白はRで待ち手を作ることが可能になった訳だ。

19.Sf5-g3 Sf3-h4 20.Sh4-f5+

(図5)
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更に目まぐるしく位置交換をする双方のS。最終的な狙いは白Sh2とすること。これにより、retro-stalemateに陥ることなく右下の膠着状態を打破することができるのだ。

20...Se5-f3 21.Rh5-h6 Sd3-e5 22.Rh6-h5 Sf4-d3 23.Rh5-h6 Pc7-c6 24.Rh6-h5 Sh5-f4 25.Sf3-h4

(図6)
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白Sf3/黒Sh5の配置を得た。これで漸く、右下の局面をほぐすことができるようになる。

25...Kh4-h3 26.Sh2-f3+ Qh3-f1 27.Kg2-h1 Qa3-h3+...

(図7)
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この後は白Kh2の形にして黒R2枚を外に出し、続いて黒Kg2とすればh筋の駒も解放できる。その後は容易である。

(26)Luigi Ceriani(The Fairy Chess Review 02/1958)
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局面をほぐせ(14+14)
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